2022年10月13日に発売になったGoogleの新しいスマホ、Google Pixel 7を、筆者の家族が購入しました。
借りて実際に使ってみたところ、Pixel 6 Proと大きく違うのは、筐体のサイズとレンズ機能です。超拡大ズームやマクロ撮影などにこだわらない人、少しでも小さく、しかし最新の技術と機能を使いたい人には7がよい選択肢になるでしょう。「6 Proのズームはいいけど大きすぎて持ち歩きがつらい」との意見も出ていたため、買い換えに満足しています。
6 Proのディスプレイサイズ6.7インチに対し、7は6.3インチ。6 Proより少し小さく、片手使いも楽です。ただし、女性など手が小さい人には、片手での操作は無理なようです。
ディスプレイに関しては、前機種から明るさが25パーセントアップし、快晴の屋外でも画面が見やすくなりました。
前機種であるGoogle Pixel 6シリーズとの最大の違いは、新チップ「GoogleTensor G2」の搭載です。これによりさまざまな機能が高速化しています。
目次
顔認証にも対応。画面がより開きやすく
ロック解除に、指紋認証に加えて顔認証も使えるようになりました。顔認識の仕組みが3Dではなく2Dなので、機密性の都合から画面ロック解除時のみの使用となります。決済やインターネットバンキングなどは、6シリーズと同じく指紋認証を使用します。
マスク姿は認識しないので外では指紋認証が中心となりそうですが、家の中や食事中のカメラ撮影などでは便利です(メガネはかけたままでもOK)。6 Proから乗り換えた家族は、在宅中に画面ロック解除を行うときのストレスがとても軽減されたと言っています。
▲顔認証の設定画面
インカメラが大きくなり、自撮りが進化
Pixel 6と比べると、Pixel 7はインカメラの画質が向上しました。800万画素が約1080万画素へと拡大したのです。光の取り込み量に関係してくるF値も2.0から2.2になり、より明るい写真が撮れるようになりました。ほの暗い飲食店内や夜景をバックにした自撮りなどにうれしい進化です。
いまは自撮りを使う機会が増えています。インスタなどのSNS用だけではなく、マイナンバーカードの申請など、オンラインで顔写真を提出することも多くなりました。すでにPixel 6で実装している機能ですが、インカメラで撮影して背景をぼかす、消しゴムツールで不要なものを消す、などを合わせ技で使うと、提出用の顔写真も簡単に作成できます。
さらにPixel 7シリーズでは、視覚障害のある人向けに音声で自撮り写真をガイドしてくれる「ガイデッドフレーム」(ガイド付き自撮り)機能が追加されました。「フレーム内に顔はありません」「スマートホンを少しだけ上に動かしてください」「自撮りに適した距離です」「3、2、1、夜景モードで撮影」などと音声で案内し、正確にフレーム内に顔が入るようにしてくれます。
ガイデッドフレームを使うには本体設定で「TalkBack」機能をオンにします。「TalkBack」オンオフのショートカットを置くこともできるし、Googleアシスタントにより「OK,Google、TalkBackをオンにして(オフにして)」で設定することも可能です。
▲ガイドフレームを使うには本体設定で「TalkBack」機能をオンにする
暗い場所での撮影がスピードアップ
では、フロントカメラはどうでしょう。Pixel 6では、2倍以上のズームは超解像ズームというデジタルズームでしたが、Pixel 7では5倍まで光学ズーム、以後8倍までがデジタルズームになりました。6から7へのカメラの進化は、よりスムーズなズームにあると言えそうです。
撮影するシーンでさらに顕著なのは、処理の速さかもしれません。
スマホで夜の街、カーテンを閉めた屋内など暗い場所の写真を撮る場合、シャッター速度が長くなるのは当然ながら、そのあと、画像が生成されるまでにひと呼吸が必要でした。これは多量の計算を行うためですが、Pixel 7では高速なCPUのおかげで計算時間が短縮されました。
その結果、暗い場所でいままでより素早く写真を撮ることができます。そのワンテンポの早さは体感でわかるほどです。
▲夜。地域猫を撮影。シャッターチャンスを逃したくないので、処理が速いのはありがたい。画質も上がっている
ボケた写真をあとから補整できる
Pixel 7の大きなセールスポイントが、ボケ補整機能です。この機能はビッグデータを集めているGoogleらしい新機能と言えるでしょう。
これは簡単にいうと、ピンぼけや手ブレしてしまった写真を「Googleフォト」の機能を使って自動補正する機能です。いまのところPixel 7シリーズ以前の機種では利用できません。対象となる写真は、Googleフォトに読み込むことができれば7シリーズ以外のカメラやスマホで撮影したものでもOK。紙焼き写真をGoogleフォトスキャンなどで読み込んだものもOKです。
とはいえ、いまのデジタル写真はAIが調整するため、めったにボケることはありません。だからこの機能を使うシーンはあまりないと思うかもしれませんが、実はこんなケースで役立ちます。
- うっかり後ろにピントが合ってしまった写真
- 古い紙焼きを読み込んだ写真
- そもそも少しピンボケだった紙焼きを読み込んだ写真
- メモ代わりにテキストの写真を撮ったらピントが合わず読めない
これを機会に、古いアルバムの写真を整理してみるのもいいかもしれませんね。
▲虎徹さんのフィギュアを撮影。ピントがずれてしまったが「Googleフォト」のボケ補整機能を使うとこのとおり
▲テキストメモのために撮影した写真。ピントがズレているので、Googleレンズでも文字があまり読みとれない
▲ボケ補整を行った写真。Googleレンズで文字が格段に読み取れる
「レコーダー」の使い心地がアップ
音声をリアルタイムにテキスト化していく「レコーダー」機能はPixel 7シリーズでも健在です。
録音された音声の再生速度を0.5倍から最大3倍まで調整できる機能が新搭載されました。文字起こしと読み合わせながら間違いを直すとき、早く再生できるのは便利ですし、難しい言い回しや専門用語をゆっくり再生して確実に聞き取ることもできます。
また、Googleは近く複数話者に対応する予定があると発表しています。編集するときに話者をABCなどと指定すると、全体を精査し話者ごとにラベルをつけることができるとのこと。いずれこの機能が搭載されたら、議事録の作成などにますます力を発揮しそうです。
▲「レコーダー」のスピード調節の画面。5段階から選択できる
咳・いびきを自動検出
Pixel 7は「おやすみ時間」モード中の咳・いびきを自動的にモニタリングしてくれます。
いびき録音アプリは数多くありますが、スマホ単体として咳・いびきを検出してくれるのはありがたい機能です。特に、睡眠中の咳に注目して検出するアプリはあまり見かけません。新型コロナウイルス感染症、インフルエンザなどの流行疾患だけでなく、寒くなると呼吸器の疾患自体も増えます。
そもそも寝ているときは副交感神経が優位になり、緊張が緩んで気管支が狭くなるため咳が出やすくなります。夜中の咳のチェックは、冬に向かう時期、とてもありがたいですね。
いびきチェックも重要です。睡眠時無呼吸症候群という病気がありますが、その発見の糸口になる症状のひとつに「いびきが激しくなる」というものがあるからです。
▲咳・いびきのモニタリング画面
Google OneのVPN機能を無料で利用できる
Pixel 7シリーズでは、2022年12月から有料のGoogle Oneに加入しなくても、OneのVPN機能を無料で使えるようになります。VPN機能とは、さまざまな暗号化技術を使って、安全性を確保する機能です。わざわざ安心のために課金することをためらう人は多いものですが、Pixel 7なら無料でGoogle自前のVPNが使えるので安心安全です。
昨今では、出先で安全性に不安のある無料Wi-Fiを使う機会も少なくありません。それだけにスマホにはうれしい機能です。
以上、Pixel 7の新機能を中心に紹介してきました。
証明写真アプリ、いびき検出アプリなどはサードパーティからもたくさん出ていますが、スマホ単体の機能でそれを補えるのが「素のAndroid」と言われるGoogleのスマホらしいですね。
ふだん使いをしていると、上記の機能のほかに電話関連の機能が便利です。
Googleの得意な音声認識機能を活かし、電話をとらずに相手の喋っている内容をテキストで確認できたり、画面の下に出るボタンをタップして簡単な返事をしたりといったことができます。出なければいけない電話、話を聞くだけでいい電話、すぐに切る電話を区別できて、とても快適です。
価格も抑え気味に設定されているので、高機能低価格が両立している製品だと感じました。
スマホの利用にも「ビッグローブ光」の光回線がオススメ!
スマホの通信量が足らずに、ギガ不足になっていませんか?
自宅でスマホを利用するときには、Wi-Fiで通信することで
スマホの通信量を節約することができます。
ご自宅でのWi-Fi環境導入には
IPv6接続(IPoE方式)*1で最大10Gbps*2の「ビッグローブ光」がオススメです。
工事費実質無料、おトクな特典もご用意しています。
*1 IPv6に対応していないサービス/サイトはIPv4接続となります。
*2 最大通信速度は光回線タイプによって異なります。最大通信速度はお客さまのご利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。