旅行、食べ歩き、犬の散歩など、日常の何気ない“移動”をライフログとして動画に撮る人や、Instagramのストーリーズ/リール/ライブ、TikTokなどで配信する人、また自分のチャンネルを作って発信するVlogger(ブイロガー。動画ブログ“Vlog”を更新する人のこと)が増えてきています。
最近では、Vlogに特化したデジタルカメラも登場しているほどです。もちろん、手持ちのスマホでも動画を撮影できますが、録画したものを見返してみたら、ブレブレで見ているだけで酔ってしまった・・・そんな経験はないでしょうか。
スマホで動画を撮影するなら、ぜひ使ってもらいたいのがスマートフォンジンバル(スマホ用ジンバル)です。これを使うだけで格段に動画のクオリティがアップしますよ。
でも、スマホ用ジンバルって、一体何でしょうか?
目次
スマホ用ジンバルとは
スマホ用ジンバルは、スマホを手で持っていたり、歩いたり、走ったりしているときに生じる上下左右の揺れを吸収する装置です。スマホカメラに振動を伝えないため、なめらかな動画を撮影できます。また、写真撮影時にも手の微妙な揺れを吸収するため、ブレを防げます。
ジンバルで撮影したものがブレない仕組み
ジンバルには、揺れを感知するジャイロセンサーが搭載されています。起動時に設定した水平状態からの動きや揺れ、傾きを検知すると、内蔵のサーボモーターが動き、それによってスマホの向きを補正します。ジンバルには、2軸ジンバルと3軸ジンバルがあり、2軸ではチルト(縦方向)とロール(回転)の2方向の、3軸ではチルトとロールに加えてパン(横方向)の動きに対応できます。
〓動画1 ジンバルのチルト・ロール・パン〓
常に、スマホを中心に回転(そもそもジンバルとは、「1つの軸を中心に、物体を回転させる回転台」のことを指す)させるので、ぶれない映像を記録できる、というわけです。
ほとんどのスマホ用ジンバルには、撮影用ボタンがついており、中にはズームコントロールできるものまで。ジンバルからスマホカメラを操作するために、ほとんどの場合、ジンバル専用のアプリをスマホにインストールする必要があります。
専用アプリがなくても、Bluetooth接続しておけば、シャッターなどの機能は使えますが、どの回転方向のブレを抑制するのか、縦揺れを軽減したいのか、それとも手首を横にゆらゆらしてしまうロールの揺れを軽減したいのか、といった細かい設定ができません。
▲こちらは、高機能が売りのSNOPPA ATOM。撮影ボタンやスマホを上下左右に動かせるジョイスティックのほか、設定ボタン、ズームコントロールボタン、カスタマイズ可能なトリガーなどを備えています
しかし、ジンバルを使うことで、そんなに変わるのでしょうか?
ジンバルのありなしを比較!
それでは、実際にスマホ単体を手持ちした場合と、ジンバルを使った場合での違いを見てみましょう。
その前に、ジンバルの利用準備をしておきます。ジンバルは、ジャイロセンサーを搭載する精密な機械なので、ちょっとしたことで故障しがち。持ち運びの際には可動部が動かないようロックし、使うときには自由に動くようロックを解除します。
また、ほとんどのジンバルでは、電源ONと同時に、装着したスマホとのバランスを確認して水平状態を保つアクティベートが行われます。そのため、スマホを取り付けてから電源を入れるようにしましょう。中には、スマホなしでも問題ないものもあるので、取扱説明書をよく読んでから使い始めたいものです。
〓動画2 ジンバルの有無でこんなに変わる!(昼散歩)〓
今回、同じ機種を2つ用意できなかったため、動画の右半分はフラッグシップモデルのGalaxy Z Fold3単体で、左半分はジンバルありのAQUOS Sense5Gを使っています。実際にどれほどの違いが出てくるかを確認してみてください。
〓動画3 スマホジンバルの準備はこう!〓
Galaxy Z Fold3はさすがにフラッグシップモデルだけあって、ジンバルを使わずともかなりブレのないスムーズな動画を記録できていますが、方向転換時の腕の動きをダイレクトに拾ってしまっています。AQUOS Sense5Gはミドルレンジモデルにもかかわらず、ジンバルと併用することで、かなりブレを抑えられていることがわかりますね。
「ブレの少ないスムーズな動画を撮りたいけれど、フラッグシップモデルを買うほどの余裕はない!」という場合でも、1万円程度のジンバルを導入するだけで、動画の質がぐんとアップするというわけです。
本当に失敗したくないならDJIがおすすめ!
スマートフォンジンバルは各社から製品が出ていますが、最もおすすめしたいのはDJI「Osmo Mobile 3」。なぜならこのOsmoシリーズを作っているのは、ドローンのメーカー。バランス力が求められるドローンに欠かせないジャイロセンサーを応用していて、性能はピカイチです。
とはいえ、筆者が普段使っているのは「SNOPPA ATOM」「Snoppa ATOM 2」「ZHIYUN Smooth Q2」など、どれもクラウドファンディングで手に入れたものばかり。高級な一眼レフを買ったり、フラッグシップスマホを買い替えたりすることを考えたら、「いつかはDJI製品を……!」と夢見ずにはいられません。