暗くなってきたら自動的に明かりが灯り、就寝時には時間差で寝室の照明がオンに、リビングの照明がオフになる。外出先からでもペットの様子をチェックでき、室温が低い、もしくは高ければエアコンをオンにする──そんな近未来的なスマートホーム生活を夢見て、我が家では実験的にさまざまなスマート家電を導入してきました。
ある程度、スマート家電のある生活を構築してしまうと、購入頻度は落ちますが、それでも必要に応じて買い足しています。
とはいえ、スマート家電はさまざまなメーカーが開発・販売しています。別々に購入しても整合性は取れるのでしょうか。何に気をつけて購入すれば良いのでしょうか。筆者が注意している「イマドキのスマート家電選び」を紹介します。
スマートホームとは
スマートホームとは、IoT家電(ネットワークにつなげられるチップの入った家電。スマート家電とも)を、スマホや音声で操作可能なAIアシスタント搭載スマートスピーカーなどから管理・制御することで、快適な暮らしができるようにした住宅のことをいいます。
カーテンレール、給湯機器、廊下や玄関照明をコントロールできるよう、人感センサーを建築時から備え付けたIoTマンションなども登場しています。
もちろん、あと付けでスマート家電を導入した場合、そこまで完璧に家中を制御できるわけではありませんが、家を出てから「電気をつけっぱなしにしてきたかな」と不安になったり、布団に潜り込んでから「台所の電気を消し忘れた!」と起き出したりする必要がないぶん、快適になります。
最近では、どのようなスマート家電があるのでしょうか。また、どのように選べば良いのでしょうか。
多岐にわたるスマート家電
一昔前であれば、照明系のものが多いイメージもありましたが、今では家事をラクにしてくれるようなものまで登場しています。
スマートシーリングライト
「スマートLEDシーリングライト」で検索すると、さまざまな商品がヒットします。部屋を全体的に照らすメイン照明によく使用される形ですね。専用アプリのあるものであれば、時間や天候をトリガーにしてオンオフを切り替えたり、調光機能で明るさを変えたり、また、色味を変える調色のできるタイプもあります。
LEDは寿命が長いので、一度購入すれば、長期間、買い換えなくて済むのもいいですね。
製品名:+Style LEDシーリングライト
対応AIアシスタント:Amazon Alexa、Google アシスタント
こなれた価格帯が魅力的なスマートLEDシーリングライトです。年に数回セールを開催しているので、それを狙ってみては?
スマート電球
デスクライトやダウンライトなどに使えるのが、スマート電球です。ベッドサイドランプで使えば、就寝時にわざわざベッドの中から手を伸ばさなくても、「Alexa、ベッドランプ消して」と音声で操作できますし、消灯スケジュールを設定しておけば自動的にオフになります。
電球の口金として一般的なE26に対応した製品が多いのですが、E17サイズのものも出始めてきていますので、必要に応じて探してみてください。
製品名:SwitchBot LED電球
対応AIアシスタント:Amazon Alexa、Googleアシスタント、Siri
口金が一般的なE26のスマート電球です。調色もできるので、ムードに合わせて光らせるのも○。
ロボット掃除機
「ロボット掃除機」と呼ばれているジャンルの製品です。回転するローラーで、自由に部屋の中を行き来しながら、障害物を避け、1cm程度の段差なら乗り越えてホコリやゴミを吸い取ってくれます。中には「前方で吸引、後方で水拭き」をしたり、掃除機内に溜まったゴミを空にするステーションが用意されていたりする機種もあり、予算と目的に応じて選べるのが魅力です。
汚してしまった部分だけを掃除する「スポットクリーン機能」や、外出後に掃除を始めるようにする「スケジュール機能」、汚れに応じて重点的に掃除機がけをする「ブースト機能」のあるものも。もちろん、部屋の中からだけでなく、外出先から操作することも可能です。
製品名:ECOVACS(エコバックス) DEEBOT T10 OMNI
対応AIアシスタント:Amazon Alexa、Googleアシスタント、掃除機本体
ゴミの吸い上げだけでなく、水拭きモップの洗い上げまでしてくれる、まさに全自動ロボット掃除機。スマートスピーカーがなくても、掃除機に話しかけて掃除させることもできます。
製品名:アイロボット ブラーバジェット m6
対応AIアシスタント:Amazon Alexa、Googleアシスタント、Siri
水拭きに特化したロボット掃除機です。洗練された技術で、しっかりと掃除をしてくれます。
スマートロック
室内のサムターン(カギのつまみ)に取り付けて、スマホで解錠/施錠できるのがスマートロックです。
なくしがちな家のカギを持ち歩かなくて済みますし、ハウスクリーニング業者や友人、親戚などに一時的な合カギをリモートで渡すことも可能。専用のハブを使えばインターネットに接続でき、外出先からカギの状態を確認したり、カギを持っていない人のために開けたり、AIアシスタントと連携させ声で操作したりすることができます。
ドアに近づくと解錠する「ハンズフリー解錠」や、家を出たらカギがかかる「オートロック」などもあり、いったん導入すると、手放せなくなるほど便利なアイテムです。
製品名:Qrio Lock
対応AIアシスタント:Amazon Alexa、Googleアシスタント
愛用者が多いスマートロックがこちら。SONY系ベンチャーが作ったということもあって、安心です。
スマートプラグ
IoTに対応していない、スマート化されていない家電でも、ある程度スマート家電として扱えるようになる電源タップです。タップといっても、ほとんどは壁のコンセントに直挿しする一口タイプのものがほとんどです。
スマートプラグを使えば、つなげた家電の電力消費量をチェックしたり、待機消費電力を減らすために通電をシャットアウトしたり、消費電力が変化したときにスマホなどに通知させたりすることができます。
筆者は洗濯機の電源をスマートプラグと接続しており、洗濯機が止まって消費電力が0.1W以下になったら「洗濯が終わった」という通知をスマホに表示させるようにしています。これにより、どの部屋にいても洗濯機が止まったことがわかるので、すばやく干すことができます。
▲スマートプラグの管理画面。左から電気使用量、電源のオンオフスケジュール、通知を送信するためのトリガー設定の画面です
ただし、電気用品安全法ではヒーターやこたつ、電気ストーブなど、電熱器を含む製品でスマートプラグを使うことを禁止しています。これは、火災などの事故を防ぐためです。自動的に通電が止まり便利だからといって、電気ストーブなどでは使わないようにしましょう。
製品名:【+Style ORIGINAL】スマートプラグ
対応AIアシスタント:Amazon Alexa、Google アシスタント
消費電力をチェックできるのが便利。ほのかに光るLEDで、状態を遠目から把握しやすくなっています。
ネットワークカメラ
いわゆる、見守りカメラと呼ばれるジャンルの製品ですが、最近では室内だけでなく、屋外で防犯カメラとして利用できる、防水防塵性能の高いものも出てきています。
子ども部屋で寝ている小さな子どもの様子を見守ったり、外出先から室内にいるペットに異変がないかチェックしたり、また自宅前の自転車や自動車にいたずらをされていないか、怪しい人が来ていないかを、室内から監視したりするのにも便利でしょう。
筆者は、リビングにネットワークカメラを設置し、飼い主がいないときに猫たちがどのような行動を取るのかをチェックするのに使っています。ハムスターや亀といった小動物のケージを見守るために利用している人もいるようです。
製品名:ATOM tech
対応AIアシスタント:Amazon Alexa、Googleアシスタント
IP65の完全防水・防塵性能で、屋外でも使えます。カラーナイトビジョンにも対応していて薄暗い状況下でもカラフルな映像が撮影可能。高速首振りで360度回転します。
スマートリモコン
スマートリモコンがあれば、非スマート家電でも、スマホやスマートスピーカーからコントロールしたり、スケジューリングしたりすることができるようになります。
対応している家電は、赤外線受光部のあるもの。一般的なリモコン操作のできるタイプであれば、ほとんどの家電で使えるでしょう。
スマートリモコンの中には、単にスマホやスマートスピーカーでコントロールできるだけでなく、センサーを備えており、アプリで設定しておけば、室温や照度をトリガーとしてエアコンや照明を自動的にオンオフしてくれるものも。スマート家電コトハジメにももってこいのアイテムだといえるでしょう。
製品名:ラトックシステム smalia
対応AIアシスタント:Amazon Alexa、Googleアシスタント、Siri
温度、湿度、照度センサーを搭載しているため、センサー類を追加しなくても、自動運転が可能。国内メーカーの安心性も○。
調理家電や扇風機も
上に挙げたもののほか、次のようなスマート家電もあります。
- スマート冷蔵庫
- スマート調理器具
- スマート扇風機
- スマートテレビ
- スマートカーテン
たとえば、IoTとAIの技術を搭載したスマート冷蔵庫が近所のスーパーの特売品をチェック、それに基づく献立を提案してくれます。アプリ内で、必要な食材の買い物リストが作成されるので、買い忘れを予防。冷蔵庫からスマート調理器具にレシピが送られるため、あとは手順に従って材料を放り込むだけで夕食が完成します。
スマートカーテンがあれば、起床時刻に合わせてカーテンが開き、目覚めをアシスト。日が落ちたらカーテンを自動的に閉めてくれるように設定できるため、防犯にも役立ちますよ。
利用するAIアシスタントでスマート家電選びを
このように、さまざまなスマート家電が開発・販売されており、メーカーも値段もさまざまです。
では、どのように選んでいったらよいでしょうか。
まず、生活の中で必要な家電を書き出します。例えば、すでに扇風機やサーキュレーターがいくつもあるのに、スマート扇風機を購入する必要はないでしょう。
買うべきジャンルが決まったら、次に考えるのは、自分が利用しているAIアシスタントやスマートスピーカーに対応しているかどうか、ということです。対応していないものを買ってしまったら、新たにその家電が対応可能なシステムを構築しなければならないからです。これは、費用の面でもったいないことですし、「OK Google……あれ、Alexaだったかな?」という具合に混乱を招きかねません。できれば、すでに使っているAIアシスタントに対応したものに統一するほうが良いでしょう。
まだスマートスピーカーを導入していないのであれば、Amazon Alexaがおすすめです。エントリーモデルのEcho Dot、5インチから15インチまでのディスプレイを搭載したEcho Showなど、目的や予算に応じた選択肢が多いからです。
中でもオススメなのはEcho Show 8です。スマートスピーカーとしての性能が優れているだけでなく、レシピや動画をちょっと見たり、Amazonミュージックを流している際に(対応していれば)歌詞を表示したりすることができるからです。先に挙げたネットワークカメラの画像を表示させておくことも可能です。
▲「Echo Show 8」なら、見やすさと省スペースの両方を兼ね備えています。スマホを使わずに設定できるのも○
スマートホーム化に欠かせない光回線
最後にひとつだけ注意点を。スマート家電を利用するには、いつでもどこでも常に安定してネットワーク接続できる環境が必要です。おうちのインターネットを光回線にしておくことをオススメします。なかでも「ビッグローブ光」では、新規契約の場合、家中に電波を網目のように張り巡らせることができるメッシュWi-Fi対応ルーターを2台まで無料レンタル可能!
新しい年。途切れにくいインターネット回線とスマートスピーカーを組み合わせて、快適なスマートホームライフに挑戦してみるのはどうでしょうか。
※この記事の情報は2023年2月時点の情報です。
光回線についてもっと詳しく知りたいという方は、
以下の記事も併せてご覧ください。
光回線とは?仕組みや種類、メリット・デメリットや選び方まで徹底解説