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全4モデルもあるiPhone 12シリーズ、どう選ぶ?ポイントレビュー

全4モデルもあるiPhone 12シリーズ、どう選ぶ?ポイントレビュー

2020年秋に発売されたiPhone 12シリーズは、全4モデルをラインナップします。

本稿では、実際に端末を触った印象を交えつつ、各機種の特徴をおさらいし、選び方のポイントを確認しましょう。

4モデルのサイズをチェック

iPhone 12シリーズは、大きく2系統に分けられます。デュアルカメラを搭載する「iPhone 12/12 mini」と、背面にトリプルカメラを搭載する「iPhone 12 Pro/12 Pro Max」です。

画面サイズは小さい方から、12 mini=5.4インチ 、12=6.1インチ 、12 Pro=6.1インチ 、12 Pro Max=6.7インチ となっています。

▲左から順にiPhone 12 mini、iPhone 12、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max

 

▲画面サイズはそれぞれ5.4、6.1、6.1、6.7インチ (同順)
    

本体サイズに関しては、12 miniはホームボタンのある「iPhone 8」よりも小さく、片手でガッチリとホールドでき、画面の対角線上にも指先が届きます。

 

12と12 Proは、それよりも一回り大きいので、端末を持ち直さないと画面上部には指が届きません。12 Pro Maxはさらに大きいので、片手操作だと指が画面半分ほどしか届かず、両手操作やリング系のアクセサリが必須になるでしょう。

▲iPhone 12 mini(左)とiPhone 12(右)

 

▲iPhone 12 Pro(左)とiPhone 12 Pro Max(右)

全モデルに共通する特徴は?

全モデルに共通する特徴を確認しておきましょう。

 

外観については、先ほどの写真の通り、どの機種もディスプレイ上部にノッチ(切れ込み)を備えていて、ホームボタンがない「X(テン)」シリーズのデザインを採用しています。

 

本体のエッジはアンテナの都合もあって、四角くなり、かつての「iPhone 5s」や「iPhone SE(第1世代)」などに近い形状に戻りました。そのため、3脚なしでも机の上に直立させられます。

 

ディスプレイは有機EL(有機エレクトロ・ルミネッセンス)を使っているので、動画などでは、深みのある黒の表現ができます。併売されているiPhone SE(第2世代)と比べてみると、違いは一目瞭然です。

▲液晶を使うiPhone SE(第2世代)(手前)と、有機ELを使うiPhone 12 mini(奥)を比べると、黒の表現で大きな差があるのがわかる

 

iPhoneの頭脳であるチップセットは、iPhone 12シリーズは共通して「A14 Bionic」が共通して搭載されています。そのため、どのモデルを選んでも、処理性能面での差はなく、アプリの挙動について心配する必要はありません。

 

今回新たに追加されたギミックとしては、背面に対応のワイヤレス充電器などをぴったりと張り付けられる「MagSafe」という規格に注目です。

iPhone 12シリーズと対応周辺機器を揃えれば、ワイヤレス充電でズレが起きないことはもちろん、カーマウントやカードを収納できるケースなどもくっつけて利用できます。

 

ちなみに、NFC(近距離無線通信)を利用した仕組みによって、例えば純正の保護ケースを装着した際には、画面にアニメーションが表示されるようにもなっています。

▲純正のMagSafe充電器(左)と、カードを収納できるレザーウォレット(右)がぴったりとくっついている様子。iPhone本体に磁力があるということなので、腕時計や記録媒体などの重ね置きは避けた方が良いだろう

 

また、通信機能に関しては、どのモデルも「5G」に対応します。

5Gには、使用する帯域によって、「サブ6」と「ミリ波」という2種類があるのですが、日本国内向けのiPhone 12シリーズが対応するのは、サブ6帯のみ。

 

また、通信キャリア側の5Gエリア整備状況も、まだ都市部に点々とスポット状に存在するだけなので、これだけを目当てに買う必要は正直まだありません。5G対応の恩恵を受けられるのは少なくとも数年後だと認識しておきましょう。

【カメラ機能】iPhone 12/12 miniは広角と超広角で撮影

それでは、背面カメラの仕様に関して、iPhone 12/12 miniの特徴をチェックしていきます。

なお、12と12 miniにはサイズ以外に大きな差はありません。

▲iPhone 12/12 miniはデュアルカメラシステムを搭載

 

この2モデルは、先述の通りデュアルカメラを搭載します。

 

広角カメラ(1200万画素・f値1.6)と超広角カメラ(1200万画素・f値2.4)を滑らかに切り替え可能です。

従来機から比べて進化したポイントとしては、静止画撮影だと「スマートHDR 3」や、超広角カメラの「ナイトモード」対応などが重要です。

 

実際に2019年モデルである「iPhone 11 Pro」で撮影した写真と、iPhone 12/12 miniで撮影した写真を比べてみると、シーンによっては、明るさや色味に大きな差が現れました。

▲比較的逆光に強い「iPhone 11 Pro」でも苦戦するシーンだったが、iPhone 12のカメラでは綺麗に撮れた。白飛びが少なく、右奥の地面の落ち葉なども、暗くならずに色味が鮮やかに出ているのが分かる

 

動画撮影に関しては、「ドルビービジョン対応HDRビデオ撮影」をサポートしたのがポイント。

例えば、明暗差の激しいシーンでも、階調の豊かな映像が撮影できます。ただし、後述するProシリーズが60fpsまで対応しているのに対し、12/12 miniでは最大30fpsまでのサポートという点が異なります。

▲「設定」アプリの「カメラ」を選択した後、「ビデオ撮影」をタップ(左)。「HDRビデオ」をオンにしていれば、明暗の差が激しいシーンでも階調豊かな映像が残せる

 

▲アウトドアシーンで焚き火を撮影してみたところ、動画ファイルの左上に「HDR」と表示された。明るい炎の部分が鮮明に写りつつ、影になる薪の表面もディティールが残っている

【カメラ機能】12 Pro/12 Pro Maxはさらに望遠も対応

iPhone 12 Pro/12 Pro Maxの背面には、さらに望遠カメラを加えたトリプルカメラが搭載されています。なお、望遠カメラの仕様は12 Proと12 Pro Maxの間に差があり、12 Proは2倍相当の望遠カメラ(1200万画素・f値2.0)を、12 Pro Maxは2.5倍相当の望遠カメラ(1200万画素・f値2.2)を備えます。

▲iPhone 12 Pro/12 Pro Maxはトリプルカメラシステムを搭載

 

望遠倍率の数値差は微々たるものですが、実際に撮影してみると、12 Pro Maxの2.5倍の方がぐっと被写体に寄れるので、使い勝手は良く感じました。屋外で花を撮影したり、遠くから子どもやペットを撮影するような用途なら活躍しそうです。

▲高い木の枝についた葉を撮影。2.5倍の望遠カメラが備わっている12 Pro Maxの方が、ぐっと被写体に寄れているのがわかる。なお、カメラのf値はMaxの方が0.2ほど高いが、撮影した写真としての違いはそこまで目立ない印象だったので、気にしなくても大丈夫だろう

 

ほかには、カメラシステムのなかに、iPad Proにも搭載された「LiDARスキャナ」も組み込まれていることもProシリーズのみのトピック。AR機能を活用する際の空間認識が素早くでき、暗所や棚などの通常認識しづらい場所でも可能になっています。

 

また、このセンサーは、カメラ撮影でも使われており、主にポートレートモードの強化などに活用されます。暗所での「ナイトモードポートレート」モード撮影が可能になったほか、たとえば、被写体の腕に隙間が生じているような場合でも、正しく輪郭を認識できるといった改良につながっています。

▲ポートレートモードでのストローの処理を12 Proと12で比較。Proの方は輪郭を正しく認識できている(画角が異なるのは、12では広角カメラで撮影しているため)


 

結論として、望遠カメラにこだわりがある人なら「Pro」シリーズを選ぶのがオススメです。一方、撮影機能は気にしないので、予算を少しでも節約したいという人は12か12 miniを選択するのがベター。性能面に致命的な差はありませんので、結局は、手に持ったサイズ感が気にいるかどうかで選んでみるのが、良いと思います。

Contributor

井上晃

フリーライター。スマートフォンやタブレット、スマートウォッチを中心に、雑誌やWeb媒体向けに記事を執筆する。Twitter:@kira_e_noway

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