1. 格安SIM/スマホ TOP
  2. しむぐらし
  3. クラウドSIMとeSIMは何が違う?メリット・デメリットを比較

クラウドSIMとeSIMは何が違う?メリット・デメリットを比較

クラウドSIMとeSIMは何が違う?メリット・デメリットを比較

BASIC

2021/06/08

堀本一徳
※本記事は作成時点の内容です。
BIGLOBE WiMAX 工事不要 特典で初月からおトク

「SIM」と聞くと、スマホやタブレット、ポケットWi-Fiなどの通信端末に「SIMカード」を挿入して、通話回線やネット回線を利用するイメージの方が多いと思います。

 

しかし、最近ではこの「SIMカード」を通信端末に後から挿入しなくても、これまでと同様に通話回線やネット回線を利用できるサービスが登場しています。

それが「クラウドSIM」や「eSIM」と呼ばれる次世代通信技術です。

 

ここでは、「クラウドSIM」や「eSIM」がどのようなサービスなのか、そしてそれぞれの違いやメリット・デメリットも合わせて簡単にご説明しましょう。

クラウドSIMとeSIMの違い

クラウドSIMとeSIMは「通信端末に後からSIMカードを挿入しなくていい」という点に関しては同じです。しかし、厳密に比較するとそれぞれ違いがあります。

クラウドSIMではSIMカードが不要になる

クラウドSIMとは「uCloudlink社」(本社は中国にある)が独自に開発した、SIMカードの情報をクラウドサーバー内で管理する通信技術です。

 

クラウドサーバーを経由して、状況に対して最適なSIMカードの情報と端末を紐付けて通信するため、モノとしてのSIMカードを挿入する必要がありません。

 

なお、クラウドSIMの利用にはuCloudlink社、または提携会社と契約する必要があります。利用できる端末はuCloudlink社のものか、一部の対応機種のみに限られます。

eSIMは端末とSIMカードの一体型のこと

eSIMとはGSMA(GMS Associationの略。通信事業者の業界団体)が標準化した、SIMカードを通信端末に内蔵して通信を利用する通信技術です。

 

あらかじめSIMカードが内蔵されているため後から挿入する必要はなく、eSIMに対応する端末とキャリアであれば自由に契約できます。

 

最近では、NTTドコモの新料金「ahamo」やauの「povo」、ソフトバンク系列の「ワイモバイル」や「LINEMO」などでもeSIMのサービスが開始されました。
また、AppleのiPhoneもeSIMを積極的に取り入れて話題を呼んでおり、その波は徐々に広がりつつあるといえます。

クラウドSIMのメリット・デメリット

クラウドSIMはサーバー内で情報を管理しているため、そもそもSIMカードが必要ない仕組みですが、そこにどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット:1社と契約で複数回線を利用できる

クラウドSIMでは提供会社と契約して、サーバー内で管理されているSIMカード(回線に接続するための)の情報を利用します。もし、提供会社が複数のSIMカードの情報を管理していれば、1社と契約するだけで複数回線を利用できるわけです。

 

例えば、au・docomo・SoftBankの国内回線と提携している提供会社であれば、auの電波が入りにくい場所では自動でdocomoやSoftBankの回線になります。また、海外回線と提携していれば、同じ携帯端末で現地の回線を利用できるのです。

デメリット:対応端末がとにかく少ない

一方で、クラウドSIMはuCloudlink社、または技術提供を受けた一部端末しか利用できません。eSIMと比較しても、さらに端末の選択肢は少ないわけです。

 

例えば、jetfon P6、FREETEL P6、G4、U2s、G3sです。ただ、前述のスマホはjetfon P6とFREETEL P6のみで、他はWi-Fiルーターになります。現状はスマホとは別にWi-Fiルーター(クラウドSIM対応)を用意するのが基本の使い方です。

eSIMのメリット・デメリット

eSIMは通信端末とSIMカードが一体となっているため、後から挿入する必要がありません。

では、そこにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット:好きな会社と複数契約できる

eSIMでは通信端末が出荷される時点では、SIMカード内に回線との接続に必要な情報が記録されていません。そのため、通信端末が手元に届いたら、ユーザー自ら通信端末を操作(QRコードの読み取りや専用アプリなど)して回線を繋げます。

 

つまり、ユーザーは好きな回線(キャリア)と契約できるわけです。さらに、通信端末の機種によっては複数の情報を記録できるものもあるため、海外の回線とも契約しておけば、同じ携帯端末のまま現地の回線に切り替えることもできます。

デメリット:セキュリティリスクがある

一方で、eSIMは端末が届いてからオンラインで手続きするため、情報の不正入手によるSIMの複製や不正契約などのセキュリティリスクが危惧されています。

 

また、オンラインで手続きするので、最初に端末を設定する際にはWi-Fi環境が欠かせません。自宅にWi-Fiや他の通信端末などオンラインに接続できる環境があるなら良いのですが、なければ別にWi-Fi環境を用意する必要があります。

クラウドSIMとeSIM。どちらも今後に期待大!

今回は、クラウドSIMとeSIMの違い、メリット・デメリットをまとめてきました。

 

クラウドSIMはuCloudlink社、または提携会社と契約すれば国内外の複数の回線を利用できる一方で、そもそも対応する端末がまだほとんどありません。

 

eSIMは対応する端末とキャリアであれば自由に契約できるものの、手続きはオンライン上なので周りにWi-Fi環境がないといざ契約するときに困ります。


このようにそれぞれメリット・デメリットのあるクラウドSIMとeSIMですが、どちらもまだまだ発展途上のサービスです。

今後、さらに便利なサービスになる可能性は大きいので、いますぐ利用しない方でも、ぜひ注目してみてください。

Contributor

堀本一徳

世界24カ国を旅した自由人。現在はライター兼カメラマン兼ウェブデザイナーとして活動中。得意分野はIT(情報系学科出身)、旅行、教育(教員免許あり)。

次に読むNEXT

特集FEATURE

特集一覧

お困りのことはありませんか?