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いまさら聞けない! 話題の「メタバース」とは何なのか?

いまさら聞けない! 話題の「メタバース」とは何なのか?

21年後半から「メタバース」という言葉が、国内外問わず様々なメディアで取り上げられるようになりました。しかし、そもそもメタバースとは何を指す言葉なのでしょうか? すでに至る所で語り尽くされているテーマではありますが、ここでは改めてその意味について考えてみましょう。

そもそも「メタバース」とはどんな意味?

この文脈でいう「メタ」とは、古代ギリシア語の「meta」に由来する接頭辞で、「〜を超越した」や「高次の〜」という意味を持ちます。メタバースは、この「meta」と「universe(宇宙・世界)」を組み合わせた言葉で、直訳するならば“高次的な世界”とでもいったところ。言葉としての由来は、SF作家のニール・スティーブンソン氏が小説「スノウ・クラッシュ」(1992年)で描いた世界に遡ります。

 

そんな仰々しい意味とは相反して、実態はシンプルです。多くの報道において、「メタバース」という言葉が指しているのは、アバター(デジタル空間において、利用者の変わりに動く分身としてのアイコンや3Dモデルのこと)を用いて、多人数でコミュニケーションが図れるオンラインサービスや空間のこと、だと見受けられます。

▲VRサービス=メタバースではないが、市場の関連性は深い

 

例えば、Aさんが自宅でVRヘッドセットを装着して、「VRChat」のような“バーチャルSNS”にログインするとします。Bさん、Cさんも同様にそれぞれの自宅からVRゴーグルを装着して、同じ空間にアクセス。3人はバーチャルな空間でアバターを通じて集合。クリエーターが創作した綺麗な3D空間を3人で見て回って楽しむとしましょう。これは十分「メタバースで遊んでいる」という状態だと言えます。

 

あるいは3D空間で、企業がイベントを開いて、大勢のゲストがアバターで集まるとします。そうすると「A社がメタバースでイベントを開催!」などと報じられているわけです。

どのサービスがメタバースとは定義できるものではない

注意したいのは、メタバースという言葉には、現状明確な定義がないこと。この言葉が指すものは、かなり曖昧で、”ふんわり”しています。そのため、「サービス『A』がメタバースそのものである」という画一的な定義をすることはできません。「サービス『A』も『B』も『C』も、全部まとめてメタバースの一部である」と表現する方が自然です。

 

そういう視点では、「インターネット」や「IoT」のように、広い定義を持った言葉に似ています。ウェブサイト=インターネットではなく、スマート家電=IoTでもないのと同様に、個々のオンラインコミュニケーションツール=メタバースではないのです。

 

要するに、現状「メタバース」という言葉が指すのは、“なんかメタバースっぽいサービスの総体”、というわけです。

どうして急にメタバースが話題になったの?

現在「メタバース」として扱われているサービスは、従来「バーチャルSNS」と呼ばれていましたし、VRヘッドセットなどの技術もARやMRと合わせて「XR」と称されていました。どちらも、ここ1〜2年急に出てきたサービスや技術ではありません。

 

では、なぜ急に注目を浴びたのかというと、理由は大きく3つあると考えています。1つ目は、「Oculus Quest 2(現Meta Quest 2)」のような安価なVRヘッドセットが普及したこと。2つ目は、パンデミックに伴う外出自粛ムードに伴ってVRを利用するバーチャルSNSやビジネス向けのコラボレーションツールに注目が集まってきたこと。3つ目は、フェイスブック社が社名を「Meta(メタ)」に変更したことです。要するに、地盤が整い、皆が同じ方向に向いているときに、大きな資本を持った巨人がスポットライトで照らした——というわけですね。

 

特に、ビッグ・ファイブの一柱であるフェイスブックが社名を「メタ(メタ・プラットフォームズ)」に変えると発表したインパクトは衝撃でした。若者ユーザーの取り込みに苦戦していた巨人が、社運をかけて巨額の資本を注ぎ込むと宣言したわけですから、関連市場が一気に盛り上がったのです。

 

実際、筆者もOculus Questの初代モデルを購入した頃(2019年)には、Webメディアや雑誌の編集部に「いまVRが熱いですよ、記事化どうですか?」と提案していても、「ちょっと難しそうだからやめときましょう」とボツになっていました。

 

しかし、現在(2021〜2022年)は、記事化を提案すればポジティブな返事が返ってきますし、実際こうしてメタバースの記事を書かせてもらっています。フェイスブック→メタ社への社名変更によって、少なくとも筆者の周りでは、多くの人の“先進技術を見る目つき”が変わったような気がします。メタバースという概念も「一般的に知っておかなければいけないもの」に分類されつつあります。

「NFT」を絡めた話には注意しよう

現在、オンラインで交流できるゲーム、VRヘッドセットで楽しめるバーチャルSNSやビジネスコラボレーションツール、スマートフォンやPCのブラウザから入れるバーチャルSNSなど、様々なところに「メタバース」の概念が潜んでいます。定義が曖昧であるからこそ、「これはメタバースかもしれない」と思えるサービスがたくさんあるのは、ワクワクするものです。

 

一方、「メタバース=NFT」のような振る舞いをする情報に対しては、一歩引いた視点で受け止める必要があります。NFTとは「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の略語であり、ブロックチェーン技術を用いてデジタルアイテムに「証明書/鑑定書」的な情報を付与する認証技術のことです。

 

このNFTを活用すれば、デジタルな取引に対して“限定商品”の要素を持たせることができる——として、メタバースとの関連性が強くアピールされています。関連した投機的な動きもかなり加熱中。すでに限定グッズ販売で大きな利益を得た企業も出てきており、今後も参入を検討する企業やアーティストは多いでしょう。

 

しかし、本稿で説明したようなメタバースという文脈においては、NFTが必須の技術だとは現時点では思えません。アプリ内通貨でゲーム内のアイテムが購入できるように、暗号資産なしで成り立っているメタバース的サービスも多くあるからです。

 

「暗号資産がないと、メタバースは楽しめないのか?」と誤認することはないようにしましょう。

 

とは言っても、事実として暗号資産に偏重したメタバース的サービスも確かに存在しています。損得が絡む世界なので、情報としての存在感もかなり大きいです。そこで、暗号資産に関わりがない人にとっては、「メタバース」と「NFTのメタバース」は、全くの別物として切り離して捉えておく方が良いだろう、と個人的には思います。

Contributor

井上晃

フリーライター。スマートフォンやタブレット、スマートウォッチを中心に、雑誌やWeb媒体向けに記事を執筆する。Twitter:@kira_e_noway

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