深川岳志 
2023年9月6日、音声SNSの「Clubhouse」が大規模リニューアルを実施しました。リアルタイムな会話を楽しむルームを残しつつ、非同期の音声チャット機能を導入したのです。どんなことができるのか、さっそくチェックしてみましょう。
リニューアルで変わった点
今回のリニューアルで大きな変化がふたつありました。
一方的なフォローは不可、相互フォローのみに
ひとつは、アカウント間の関係性です。従来は、フォローだけの一方通行の関係もありましたが、リニューアルにより、相手の承認が必要な「相互フォロー」の関係のみになりました。音声配信アプリから、メッセージアプリへと性格を変更したための処置であると思われます。
リアルタイム以外の視聴へ
もうひとつはリアルタイムから非同期へという変化です。これまでは参加する場所はまちまちでも、同一時間にログインして会話を行う必要がありました。今回、新しくリリースされた音声チャットは同一時間にログインする必要がありません。音声メッセージを残しておくと、それをあとから聴いた人が反応するという形でチャットが進行していきます。
▲ホーム画面。従来のルーム（音声配信）と音声チャットの案内が並ぶ
※メニュー表示が、iPhoneでは英語表記に、Androidでは日本語表記になっています。
検索して友だちになる
それでは、さっそく新機能を試してみましょう。
ホーム画面の下部には三つのアイコンがあります。真ん中の虫メガネが「検索」です。タップして、キーワード（ここでは「小説」）を入力します。その下に「トップ」（top）、「人」（people）、「ルーム」（room）、「ハウス」（house）の四つのボタンがあるので、「人」を選びます。候補リストがあらわれました。ここでは、「深川岳志」をタップします。
▲検索ボタンをタップし、キーワード（ここでは「小説」）を入力し、「人」をタップ。候補リストから友達になりたい人（ここでは「深川岳志」）を選んでタップ
▲深川岳志のページが表示されます。「追加」（add）をタップ
「追加」を申し込まれた人のところにお知らせがいきます。許可する場合は「追加」（add back）をタップします。これで相互フォローとなりました。
▲「追加」（add back）をタップ
音声チャットを始める
ホーム画面の下部中央には、マイクのアイコンがあります。マイクアイコンをタップし続けてメッセージを吹き込むと、それが自動的にメッセージとなります。このメッセージに対して、誰かが返事をすると、チャットとなります。
公開範囲は「友達の友達」までで変更はできません。友達の友達であれば、誰でもメッセージを追加していくことができます。
たとえば、「好きな小説はなんですか」というふうに質問を投げかけてみます。
▲ホーム画面下にあるマイクアイコンをタップし続け、音声を吹き込む。指を離すと、「送信！」のメッセージが出る
友達の友達までの範囲に質問が表示されます。それに対し、友達が「私は〇〇が好きです」というように会話を続けていきます。画面には会話に加わった人のアイコンが表示されます。音声メッセージは自動的にテキスト化されます。
▲新しいメッセージが来ると、アイコンでわかる。音声は自動的にテキスト化される
一度メッセージが再生されると、アイコンの色が薄くなります。メッセージを聞き返したい場合は、アイコン以外の空きスペースをタップします。なお、再生スピードは1倍から2倍までの間で調節が可能です。
▲設定から「再生速度1x」（playback speed 1x）をタップすると、再生速度を変更できる
自分の書き込んだメッセージは設定画面から「削除」（delete）を選んで、消去することができます。喋っているうちに、途中で詰まったり言い間違えたりすることがあると思いますが、そんなときは気軽に消去してやり直しましょう。
プライベートチャットを試す
特定の人とチャットをしたい、ほかの人に聞かれたくないという場合には、相手のページを開き、「メッセージ」（voice message）をタップし、録音します。
▲「メッセージ」（voice message）をタップし、音声を録音する
相手がメッセージを受け取り、返事をくれるとプライベートチャットが始まります。
▲相手がメッセージを聞き、返事をくれるとプライベートチャットが始まる
非同期のやりとりなので、都合のいい時間にコミュニケーションを行うことができます。テキストのみのやりとりはできません。
ふたりだけでのライブチャット
非同期ではなく、リアルタイムでチャットを行うこともできます。
相手のアイコンをタップして、相手のページを開き、「トークライブ」（talk live）をタップします。
▲相手のページを開き、「トークライブ」（talk live）をタップする
相手が「talk live」を受けてくれたら、トーク画面（ルーム画面と同じレイアウト）へと移行します。その場で話したことは外部にはもれません。
▲相手がトークライブを受けてくれたら、ふたりだけのルームが始まる
以上、Clubhouseの新機能について見てきました。
ハウス機能やルーム機能については従来のまま残されており、これまでClubhouseを利用してきたユーザーはそのまま使い続けることができます。
また、上記の機能はすべて無料で利用することができます。
非同期の音声チャットやメッセージ交換という発想は珍しさと面白みがあります。
ただ、日常的に使うとなると、声を出せる場所が必要になる点と、簡単にコピーしてほかのアプリにペーストすることができない点が気になります。実用性というよりは、親密度の高さを示すものとして利用するのがいいのではないかと思いました。
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