Wi-Fiルーターから遠い部屋や、階が違う部屋の場合、どうしてもWi-Fiの電波が弱くなりがちです。
また最近はテレワークの機会も増えているため「リビング以外はWi-Fiが弱くて仕事にならない……」といった経験をされた方も多いでしょう。
とはいえ、Wi-Fiルーターを仕事部屋に移動させるのは、簡単なことではありません。
そこで、おすすめしたいのが「無線LAN中継器」です。今回は、無線LAN中継器がどのようなものなのか紹介します。
無線LAN中継器とは
「無線LAN中継器」は、「Wi-Fi中継器」とも呼ばれる、Wi-Fiの電波をスマホやパソコンなどへ中継するデバイスです。
無線LAN中継器を使うことで、Wi-Fiルーターから発信される電波を中継できるため、Wi-Fiルーターから離れた場所でも快適に接続できるようになります。
たとえば、1階のリビングにWi-Fiルーターが設置してあり2階だとWi-Fiが繋がりにくい場合は、1階と2階をつなぐ階段あたりに無線LAN中継器を設置することで、2階にいても快適にWi-Fiが使えるようになることがあります。
また、Wi-Fiルーターがそれほど離れていないけれどテレワーク時にWeb会議の映像や音声が途切れる……というような場合でも、仕事場とWi-Fiルーターが設置してある部屋の間に無線LAN中継器を設置することで快適に利用できるようになることがあります。
無線LAN中継器のメリット
無線LAN中継器の代表的な機能を紹介します。
導入ハードルが低い
無線LAN中継器は、2,000~6,000円程度で購入できる価格帯の商品が多く、財布にも優しい点が特徴です。
またコンセントに直接付けられるタイプのものが多く、場所を取らないのもうれしいところでしょう。
ただし、コンセントの形状によっては2個口、3個口の他のクチが使えなくなる商品もあるため、購入前に確認しておくと安心です。
使い方も非常に簡単で、「WPS」に対応しているWi-Fiルーターと無線LAN中継器であればボタン1つで簡単に接続できるため、機械に弱い方でも安心して使えます。
▼コンセントタイプで人気の無線LAN中継機
快適な通信速度をキープできる
無線LAN中継器は家の中でWi-Fiの電波が弱いエリアの電波強度を強くすることができるため、Wi-Fiルーターから離れた場所でも快適な通信速度がキープできる点がメリットです。
また無線LAN中継器の本体上でWi-Fiの通信状態を目視できる商品が多いので、最適な設置場所を簡単に見つけられます。
対応しているWi-Fiの通信規格に注意
一点注意して欲しいのが、無線LAN中継器とWi-Fiルーターが対応しているWi-Fiの通信規格です。
Wi-Fiの通信規格「IEEE 802.11」にはいくつかの種類があり、新しい規格になるほど通信速度も速くなります。
以下がWi-Fi規格の一覧表です。
Wi-Fiの通信規格 | 周波数帯 | 最大通信速度 |
11a | 5GHz | 54Mbps |
11b | 2.4GHz | 11Mbps |
11g | 2.4GHz | 54Mbps |
11n(Wi-Fi4) | 2.4GHz、5GHz | 600Mbps |
11ac(Wi-Fi5) | 5GHz | 6.9Gbps |
11ax(Wi-Fi6) | 2.4GHz、5GHz | 9.6Gbps |
無線LAN中継器とWi-Fiルーターは、同じWi-Fi規格に対応している必要があります。
たとえば、
・Wi-Fiルーター:11a、11b、11g、11n
・無線LAN中継器:11a、11b、11g、11n、11ac
という対応状況だった場合は、11nの最高通信速度である600Mbpsしか出ないため、無線LAN中継器を使っても11acの6.9Gbpsという速度は出ません。
また、Wi-Fiの電波は、2.4GHzと5GHzという2つの周波数帯が使用されており、規格ごとに利用できる周波数帯が異なっています。なおそれぞれの周波数帯には、
・2.4GHz:障害物や壁に強いが、電波干渉を受けやすい。
・5GHz:通信速度が速く安定しているが、障害物や壁に弱い。電波干渉を受けにくい。
という特徴があります。一般的には、通信が安定する5GHzの周波数帯を使用するケースが多いのですが、環境によっては2.4GHzのほうが安定するケースもあるため、両方の周波数帯に対応したデュアルバンド対応の無線LAN中継器を選ぶと安心でしょう。
テレワークを快適にしたい方にもおすすめ
テレワークをする機会が増えた筆者も、当初はWi-Fiが不安定でWeb会議に支障をきたすケースも多くありました。しかし、無線LAN中継器の導入後は、Wi-Fiルーターが置いてあるリビングとは違う階の部屋でもサクサクWi-Fiがつながるようになりました。
Wi-Fiが弱い環境でWeb会議を実施すると、自分だけでなく相手側にも迷惑をかけることになるので、無線LAN中継器を導入して早急に改善するのがおすすめです。