増える格安SIMユーザー
格安SIM市場が急速に拡大し、ユーザー数も増えていますが、そもそも格安SIMとはどういった経緯で生まれたのでしょうか。
ドコモ、ソフトバンク、auの主要三大キャリアと比べても遜色の無いサービスをどうして提供できるのか。
格安SIMを提供する、仮想移動体通信事業者 (Mobile Virtual Network Operator,=MVNO)が成立した経緯を見てみましょう。成り立ちを知ることで、格安SIMの良さを発見できるでしょう。
かつてはNTTの一強だった
現在のモバイル業界において、ドコモ、ソフトバンク、auの主要三大キャリアがありますが、かつてはドコモの前身にあたるNTTがほぼ携帯電話を独占していました。
NTTの前身である電電公社が携帯電話事業を立ち上げ、1979年に世界初の自動車電話が誕生。
その技術を発展させ、1985年にショルダータイプの携帯電話を発売し、本格的な携帯電話市場がはじまったのです。
電波はインフラのひとつ
携帯電話、スマートフォンなどは電波を使って通信を行いますが、各キャリアが自由に電波を飛ばしていいわけではありません。
周波数や出力(電波の強さ)などが管理されていないと、いざという時に警察や消防、航空管制、自衛隊などが通信を行えない事態になるからです。またテレビやラジオとの電波の競合も避けなければなりません。
これらの条件から、電波は総務省が管理しています。電気やガス、水道と同じように、国家的なインフラとして考えられているのです。
NTTの独占が崩れる
かつて携帯電話会社は、国内にNTT一社しかありませんでしたが、1988年からの自動車電話事業への新規参入の解禁で、旧IDOや旧DDIセルラーが参入できる体制が整い、その後の主要三大キャリア時代につながる基盤が出来ていきました。
この新規参入も国策で、諸外国からの自由化の要求があったと言われていますが、独占状態の携帯電話市場を自由化して、競争をうながすことで、市場を活性化させようという狙いがあったものと思われます。
MVNOの誕生
日本初のMVNOサービスは、b-mobile(日本通信)が、2001年に旧DDIポケットのPHSのインフラを借りる形で開始しました。さらに、2009年にドコモのFOMAに対応した格安SIMでは、イオンSIMとしてイオンモールなどで、契約できるようになり一般的に認知され始めました。
総務省はこうしたMVNOのような一定の枠を多くの事業者に開放する事によって、主要三大キャリアの寡占とも言える状況を緩和して、わたしたちユーザーに選択肢を与えようとしているのです。
現在、数多くのインターネットプロバイダなどがMVNOとして参入しはじめ、格安SIMの発展期とも言える時代に入りました。モバイル市場の自由化で、ユーザー自身が料金やサービス内容を選択できるようになったのです。
仕事などで電話をすることが多いのであれば話は別ですが、そうでない学生や、主婦、高齢者、二台目の携帯電話としての利用であれば格安SIMは大変おトクです。
三大キャリアと格安SIMを比較して、あなたに合ったSIMとプランを見つけてみてはいかがでしょうか。