Wi-Fiを使ってインターネットに接続するときに、ネットワーク名に「a」や「g」という文字が付いているのを見たことはありませんか?

あまり意識せずに接続していた人も多いかと思いますが、実はこれらのアルファベットには意味があります。知らなくてもまったく問題はありませんが、「なるべく快適にネットを使いたい!」という人は、知っておいて損はありません。

この記事では、Wi-Fiに付いている「a」と「g」の指し示す意味と、それぞれの特徴や使い分け方を紹介します。

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Wi-Fiの名前に付いている「a」「g」はどういう意味?

まず、そもそもこの「a」と「g」にはどのような意味があるのでしょうか?

結論からいうと、Wi-Fiの名前(SSID)に付いているこれらのアルファベットは、Wi-Fiが利用する周波数帯を表しています。周波数帯とは、電波が振動する回数を表す単位のこと。ギガヘルツ(GHz)という単位で表されます。

無線通信であるWi-Fiでは、5GHz帯(a)と2.4GHz帯(g)の2種類の周波数帯が使われています。それぞれに異なる特徴を持っているため、どちらの周波数帯を使うかによって通信速度にも違いが現れる、というわけですね。

aとgは通信規格も異なる

少し複雑な話になりますが、aとgの周波数帯は、それぞれに通信規格も異なります。

通信規格とは、Wi-Fiの性能や仕様を定めた国際的な規格のこと。たとえば、「11ac」や「11n」といった形で分類されています。

周波数帯だけでなく、この通信規格によっても、Wi-Fiの通信速度や対応端末などが変わってきます。詳しく覚える必要はありませんが、aとgのそれぞれの周波数帯では、主に以下のような通信規格が使われています。

4GHz帯(g)で使われている通信規格

11g:最大54Mbps
11b:最大11Mbps
11n:最大600Mbps
11ax:最大9.6Gbps

5GHz帯(a)で使われている通信規格

11ac:最大6.9Gbps
11a:最大54Mbps
11n:最大600Mbps
11ax:最大9.6Gbps

数字が多くてピンとこないかもしれませんが、たとえば最大9.6Gbpsの通信速度が出る「11ax」は、2019年に登場した新しい規格です。桁違いの高速通信が可能ですが、対応しているルーターや端末がまだ少なく、普及するにはまだ時間がかかると言われています。

aとgの周波数帯にはどのような特徴がある?

では、aとgの周波数帯にはどのような特徴があるのでしょうか。それぞれの特性とメリット・デメリットを整理しつつ見ていきましょう。

a(5GHz帯)の特徴

5GHz帯の「a」は、高速で安定した通信ができるのが特徴です。この周波数帯はほかの機器との電波干渉が起こりにくく、回線が混雑しにくい傾向にあります。

また、先ほど言及した11axなどの高速通信が可能な通信規格を使えるのも、5GHz帯(a)のポイント。大容量のデータを送受信したり、映像配信サービスなどを利用したりする人におすすめです。

ただし、後述する「g」の周波数帯と比べると障害物に弱く、電波が遮られると通信品質が低下してしまう問題もあります。また、古い端末だとこの周波数帯に対応していないこともありますので、その点も注意が必要です。

aのメリット

  • 高速で安定した通信ができる
  • 電波干渉が少なく、回線が混雑しにくい
  • 大容量のデータや映像配信サービスなどに適している

aのメリット

  • 壁や家具などの障害物に弱い
  • 古いルーターやパソコンだと対応していない場合がある

g(2.4GHz帯)の特徴

一方、2.4GHz帯の「g」は障害物に強く、ルーターとの距離があったとしても、電波を広い範囲に飛ばせるのが特徴です。

そのため、壁や家具などがあっても電波が遮られにくく、2階建ての家の2階からでも、1階のルーターと無線接続してインターネットを快適に使えます。また、古い端末でも対応していることが多いため、少し前のパソコンやスマホでも使えるのもメリットです。

ただし、ほかの電波と干渉を起こしやすい弱点もかかえており、多くのWi-Fiが飛び交っているマンションなどでは、通信が不安定になりやすいかもしれません。特にBluetoothとは周波数帯が重なっているため、使っていない機器はOFFにするなどの対策が必要です。

gのメリット

  • 障害物に強い
  • Wi-Fiルーターと距離があっても電波を飛ばせる
  • 古い端末でも対応していることが多い

gのデメリット

  • ほかの電波と干渉し、通信が不安定になりやすい
  • aと比べると通信速度が遅い

「a」でも「g」でもない、「aw」や「gw」とは?

ところで、 改めてWi-Fiの名前を見てみると、ここまでに説明した「a」や「g」とは別に、「aw」や「gw」という文字が付いているSSIDが目に入ることがあります。

これらは「セカンダリSSID」とも呼ばれており、それぞれaとgの「サブ」的な立ち位置のWi-Fiです。どちらも通信規格としては古く、暗号化形式も古いものが採用されているため、普段使いにはあまりおすすめできません。

aやgと比べると通信速度がそもそも遅いですし、暗号化形式が古いということは、「セキュリティ上の問題がある」とも言い換えられます。何か特別な理由でもないかぎりは利用せず、基本的にはaやgを使うようにしましょう。

aとgはどう使い分けたらいい?

では、実際にWi-Fiを利用するにあたって、aとgのそれぞれの周波数帯をどのように使い分ければいいのでしょうか。

先ほどの「特徴」の項目で整理したメリットとデメリットを考慮すると、ざっくり以下のようにまとめられます。

  • 通信の速度や安定性を重視する場合は「a」
  • 障害物や距離に左右されず、広い範囲で使いたい場合は「g」
  • 端末が対応している場合は「a」
  • aに非対応の古い端末を使用している場合は「g」

考えてもわからない!迷った場合はどちらを選べばいい?

「説明を読んだけど、ピンとこない!」という人は、もし端末が5GHz帯の「a」に対応しているようでしたら、そちらを選んでしまってOKです。

単純に「aのほうが高性能」だと言えますし、よほど広い家にでも住んでいないかぎりは、aでも問題なく電波が届くはず。もちろん、端末が対応していることが前提となりますが、選択肢としてaが選べるのなら、aで接続してしまうことをおすすめします。

逆に、「そもそも端末が対応していない」ということでしたら、自然と2.4GHz帯の「g」を選ぶ形になります。aと比べて通信速度では見劣りしますが、ストレスを感じるほど遅いわけではありませんし、「障害物があっても電波が届く」というメリットもあります。

どちらも選べるということでしたら、両方を試してみるのもひとつの手です。目に見えて安定性や速度が変わるようでしたら、安定して接続できるほうを選ぶようにしましょう。究極的にはどちらでもOKですので、気楽に選んでみてください。

複数の端末でWi-Fiを利用する場合は?

ここまでは「それぞれの周波数帯の特徴と性能」に着目して説明してきましたが、一方で、Wi-Fiルーターと言えば「複数の端末で同時に接続して使う」ものでもあります。

そこで思い浮かぶのが、「複数の端末でWi-Fiを使う場合は、どちらの周波数帯を選べばいいの?」という疑問です。同じ周波数帯を選んでも安定して接続できるのか、それとも分けたほうがいいのか。特に複数人でWi-Fiを使っている家庭では気になるポイントですよね。

この疑問に対する答えとしては、「aを選んでしまってOK」と言い切ってしまっていいかと思います。

なぜなら、もともとの通信速度がgと比べて速く、送受信できるデータ量も多いから。同じ条件で複数の端末を接続した場合、gよりもaのほうが通信速度の低下を抑えられると考えられるため、迷ったときはaを選んでOKです。

Wi-Fiルーターに接続できない場合の対処法

これは補足的な内容になりますが、Wi-Fiルーターに接続できない場合の対処法を以下にまとめておきました。困ったときは以下の方法を試してみるか、または下記リンク先でも詳しく説明していますので、そちらをチェックしてみてください。

Wi-Fiに繋がらないときはここをチェック!対処法も紹介

  • Wi-Fi機能がOFFになっていないかをチェックする
  • ネットワーク名とパスワードが正しいかをチェックする
  • ルーターと端末の距離や位置を変えてみる
  • 別の周波数帯に接続してみる
  • ルーターの電源を入れ直して再起動してみる
  • パソコンやスマホを再起動してみる

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以上、Wi-Fiのふたつの周波数帯である、5GHz帯(a)と2.4GHz帯(g)について説明してきました。普段から使っているWi-Fiルーターの見方や使い方が変わり、これまでよりも快適なインターネット生活を送るきっかけとなりましたら幸いです。

また、もしもこれからご自宅にWi-Fi環境を導入されるということでしたら、選択肢のひとつとして「ビッグローブ光」はいかがでしょうか。工事費が実質無料で光回線を導入でき、Wi-Fiルーターのキャッシュバック特典もあります(2024年11月時点)。この機会にぜひご検討ください。