メッシュWi-Fiのメリット・デメリットと注意点を解説!接続方法もわかりやすく解説


中野友希
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メッシュWi-Fiとは?基本的な仕組みを解説
メッシュWi-Fiは、親機(メインルーター)と子機のサテライトルーター(「エージェント」や「ユニット」、「ノード」とも呼ばれます)を用い、複数の無線アクセスポイントを連携させることで、広い範囲をシームレスにカバーするWi-Fiネットワークです。
従来の無線LANルーターは単体で電波を発信しますが、メッシュWi-Fiは複数のユニットが互いに通信し、ひとつのネットワークとして機能します。これにより、家中どこでも安定した高速なインターネット接続が可能になります。
メッシュWi-Fiの定義と特徴
メッシュWi-Fiの定義と特徴については、以下の通りです。
【メッシュWi-Fiの定義】
メッシュWi-Fiとは、複数のサテライトルーターが互いに通信し、網目(メッシュ)状のネットワークを形成することで、広い範囲をシームレスにカバーするWi-Fiネットワークのことをいいます。
【メッシュWi-Fiの特徴】
- 自動で通信経路を切り替えるため、シームレスな接続が可能
- 電波が届きにくい場所でも安定した接続が可能
- 簡単な設定と管理機能が備わっているので、初心者でも比較的手軽に導入できる
従来の無線LANルーターとの違い
従来の無線LANルーターとメッシュWi-Fiの違いについては、以下の表の通りです。
従来の無線LANルーター | メッシュWi-Fi | |
構成 | 単一のルーター | 複数のユニット |
カバー範囲 | ルーターの設置場所から一定範囲 | 広い範囲をシームレスにカバー |
安定性 | 障害物に弱く、電波が途切れることがある | 障害物に強く、安定した接続が可能 |
セットアップ | 設定が複雑な場合がある | 簡単セットアップが可能 |
メッシュWi-Fiの3つの主要なメリット
メッシュWi-Fiには主に3つのメリットがあります。ここでは、メッシュWi-Fiを導入する3つの主要なメリットについてみていきましょう。
メリット1:家中どこでも安定した高速通信が可能
従来のルーターでは、部屋の隅や壁の向こう側など、電波が届きにくいデッドゾーンが発生しがちでした。メッシュWi-Fiは、複数のユニットが連携することで、このようなデッドゾーンを解消し、家中どこでも安定した高速なWi-Fi環境を実現します。
メリット2:簡単なセットアップで手軽に導入できる
メッシュWi-Fiは、スマートフォンアプリを使って簡単にセットアップできるものが多く、専門知識がなくても導入しやすい製品が多くなっています。従来のルーターと中継機を組み合わせる場合に比べて、大幅に設定の手間を省くことができます。
メリット3:家全体でひとつのネットワークを構築できる
メッシュWi-Fiは、部屋間を移動しても途切れることなく、シームレスな接続ができます。そのため、1階から2階に移動したことにより、別のネットワークに接続しなおす、ということがなくなり、建物全体でひとつのネットワークに接続した状態を維持できます。
改めてメリットをまとめると、以下の通りです。
メリット | 具体的なシーン |
家中どこでも安定した高速通信 | オンラインゲーム、大容量ファイルのダウンロード、動画ストリーミングを快適に楽しめる |
簡単セットアップで手軽に導入 | スマートフォンアプリで簡単に設定でき、初心者でも安心して導入できる |
家全体でひとつのネットワーク | 部屋間を移動しても途切れることなく、オンライン会議やビデオ通話もスムーズに行える |
メッシュWi-Fiの5つの主要なデメリット
メッシュWi-Fiには、魅力的なメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。以下で、メッシュWi-Fiの5つの主要なデメリットについて確認していきましょう。
デメリット1:導入コストが高い
メッシュWi-Fiは、複数のユニットでネットワークを構築する仕組みのため、従来の単体ルーターと比較して初期費用が高くなりがちです。例えば、大規模な住宅やオフィスの場合、親機に加えて複数のユニットが必要となるため、その分コストがかさみます。また、高機能モデルを選ぶとさらに価格が高くなりがちです。
デメリット2:カスタマイズに不向きである
メッシュWi-Fiは、シンプルさを重視した設計が多いため、従来の無線LANルーターに比べて高度なカスタマイズ設定ができない場合があります。例えば、各ユニットでゲスト用のWi-Fi設定ができないため、ゲスト用のWi-Fi設定が必要な場合は、親機の電波が届く範囲で使用することになります。
デメリット3:設置スペースが必要
メッシュWi-Fiを利用するには、親機と複数のユニットを設置するスペースが必要になります。各ユニットは適切な距離を保ちながら配置する必要があり、そのために十分なスペースが確保されていないと、性能を最大限に発揮できない場合があります。
また、家具や壁が多い場所ではユニットの配置場所が限られるため、設置が難しくなることもあります。特に、狭い部屋やデザイン性を重視するインテリアでは、見た目やスペースの問題が課題となることもあります。
デメリット4:対応機器をそろえる必要がある
メッシュWi-Fiは、親機と各ユニット同士が同じ通信規格等に対応している必要があります。例えば、EasyMeshを採用している機器は、メーカーが異なってもEasyMeshを採用している機器同士で使用できますが、その他の独自規格では同じ規格の親機・サテライトルーターしか互換性がありません。そのため、統一した製品でシステムを構築する必要があります。
デメリット5:設置する機器に比例して電気代がかかる
メッシュWi-Fiは、親機と複数のユニットを使用してネットワークを構築します。そのため、設置するユニットの数が増えるほど、それぞれの電源を確保する必要があり、その分だけ電気代がかかる点がデメリットといえるでしょう。
一部のメッシュWi-Fi製品では電力消費を抑える省エネモードが搭載されている機種もあります。こうした機能がある製品を選ぶことで、電気代を軽減できる可能性があります。
デメリットを挙げてきましたが、それぞれ対策も考えられます。 改めてメッシュWi-Fiのデメリットと適応する対策をまとめると、以下の通りです。
デメリット | 内容 | 対策 |
導入コストが高い | メッシュWi-Fiの初期費用は従来のルーターより高く、複数のユニットが必要な場合はさらに費用がかかる。 | 必要なユニット数を慎重に見積もり、必要最小限のセットで始める。キャンペーンやセール期間を活用して購入する。 |
カスタマイズに不向きである | メッシュWi-Fiは高度な設定ができない場合があり、特定の機能をカスタマイズしたいユーザーには不向き。 | 事前に製品の設定可能項目を確認し、必要な機能が対応しているモデルを選ぶ。上級者向けの設定を提供する製品を検討する。 |
設置スペースが必要 | 各ユニットを適切な間隔で設置するためのスペースが必要で、狭い部屋や家具の多い空間では設置が難しい場合がある。 | 壁掛け型や小型のユニットを選択する。設置場所を事前に計画し、生活空間を圧迫しない工夫をする。 |
対応機器をそろえる必要がある | ユニット間の互換性が重要であり、統一された製品で構成する必要がある。また、既存機器との互換性確認も必要。 | 購入前に対応機器や互換性を確認し、将来的に汎用性の高い製品を選ぶ。公式サイトやマニュアルで情報を確認する。 |
設置する機器に比例して電気代がかかる | 親機と複数のユニットが常に稼働するため、設置ユニット数に応じて電気代が増加する。 | 必要最小限のユニット数で設置し、省エネモードが搭載されたモデルを選ぶ。使用しないユニットは一時的に電源を切る。 |
メッシュWi-Fi導入時の4つの注意点
メッシュWi-Fiを導入する際は、以下の注意点をチェックしておきましょう。
注意点1:家庭やオフィスの広さに応じた製品を選ぼう
メッシュWi-Fiを導入する際は、設置する環境の広さや形状に適した製品を選ぶことが重要です。メッシュWi-Fiは親機とサテライトルーターを組み合わせて利用する仕組みのため、対応面積やユニットの数が不足すると十分な効果を発揮できません。
例えば、小規模な住宅であれば親機とひとつのユニットで十分ですが、大規模な戸建てやオフィスの場合は複数のユニットを設置する必要があります。製品によって対応できる面積が異なるため、購入前にメーカーが推奨するカバー範囲を確認し、設置する場所の広さや間取りと照らし合わせましょう。
注意点2:親機と子機のメーカーはそろえよう
メッシュWi-Fiを導入する際には、親機(メインルーター)と子機(サテライトルーター)のメーカーやモデルを統一することが重要です。メーカーやモデルが異なる製品同士ではメッシュネットワークが構築できないため、サテライトルーターを追加購入する際も、既存のメッシュWi-Fiのメーカーやモデルと互換性があるかチェックしましょう。
注意点3:配置場所や障害物に注意しよう
メッシュWi-Fiの性能を最大限に発揮するためには、親機と子機(サテライトルーター)の配置場所が重要です。各ユニットの設置場所が不適切だと、通信範囲や速度に影響してしまい、ネットワークが不安定になる可能性があります。また、障害物も電波の妨げになるため、配置の際には注意が必要です。
例えば、親機を部屋の隅に設置すると、Wi-Fiのカバー範囲が偏り、特定の場所で接続が不安定になることがあります。理想的な配置は、家の中心付近や各ユニットが互いに見通せる場所です。また、各ユニット同士が適切な距離で設置されていないと、通信速度が低下する場合があります。
注意点4:メインルーターの通信速度が速くなるわけではない
メッシュWi-Fiは、広範囲で安定した通信環境を提供することを目的としたシステムであり、メインルーター自体の通信速度を速くするものではありません。メインルーターの性能や通信速度は、元のインターネット回線の契約内容やメインルーター自体のスペックに依存します。
また、メッシュWi-Fiは、親機(メインルーター)と子機(サテライトルーター)が相互に連携して通信を最適化する仕組みですが、これは安定性を向上させることを目的としています。そのため、通信速度が重視される場合には、メッシュWi-Fiを導入するだけでは期待する結果が得られない可能性があります。
また、狭い範囲でメッシュWi-Fiを使用すると、ユニットを経由する通信処理が加わることで、逆に速度が低下する場合もあります。
注意点 | 内容 | 対策 |
家庭やオフィスの広さに応じた製品を選ぼう | 対応面積が製品ごとに異なるため、使用する環境の広さに合ったユニット数を選ぶ必要があります。 | 設置予定場所の広さや部屋数を事前に測定し、製品仕様に記載された対応面積やユニット数を確認しましょう。 |
親機と子機のメーカーはそろえよう | メーカーが異なると互換性に問題が生じ、接続不良や通信速度の低下が発生する可能性があります。 | 親機と子機は同じメーカー・同じシリーズの製品を選ぶことで、互換性や接続の安定性を確保できます。 |
配置場所や障害物に注意しよう | 各ユニットの配置が悪いと通信範囲が不十分になるほか、壁や家具などの障害物が電波を遮ることで通信が不安定になることがあります。 | ユニットは各部屋の中央や電波が遮られにくい場所に配置し、障害物の少ない高さや場所を選ぶことがポイントです。 |
メインルーターの通信速度が速くなるわけではない | メッシュWi-Fiは安定性向上が目的であり、通信速度自体が向上するわけではありません。また、狭い範囲ではサテライトルーターが通信速度を低下させる可能性があります。 | 高速通信が必要な場合は、もともとのインターネット回線を再検討してみましょう。 |
メッシュWi-Fiが特におすすめな4つのケース
メッシュWi-Fiは、以下のようなケースで特に役立ちます。
ケース1:大規模な戸建て住宅
戸建て住宅、特に間取りが複雑だったり、2階建て以上の場合、部屋の隅や地下など、従来のルーターの電波が届きにくい「デッドゾーン」が生まれがちです。メッシュWi-Fiなら、複数のユニットを設置することで、こうしたデッドゾーンを解消し、家中どこでも安定したWi-Fi環境を実現できます。
ケース2:ネットワーク設定の自信がない人
メッシュWi-Fiは、ネットワーク設定が簡単で初心者にも扱いやすいのが特徴です。従来のルーターでは、SSIDやパスワードの設定、中継機との連携など、専門的な知識が必要な場合があります。しかし、メッシュWi-Fiはアプリや専用ソフトを使って設定をガイドしてくれるため、手順に従うだけで簡単に導入可能です。ネットワーク構築に自信がない人でも、メッシュWi-Fiなら手軽に広範囲の安定した通信環境を整えることができます。
ケース3:多くのデバイスを同時に接続する場合
スマートフォンのほか、タブレット、パソコン、スマートスピーカー、IoT機器など、多くのデバイスを同時にWi-Fiに接続する機会が増えています。従来のルーターでは、多くのデバイスが同時に接続すると、速度が遅くなったり、途切れたりすることがありました。メッシュWi-Fiなら、複数のユニットが負荷を分散することで、多くのデバイスが同時に接続しても安定した高速な通信が可能です。
ケース4:IoT機器が多い家庭
スマートホーム化が進むにつれて、IoT機器の種類や数はますます増えています。スマートライト、スマートロック、スマート家電など、さまざまなIoT機器を連携させるためには、安定したWi-Fi環境が不可欠です。メッシュWi-Fiは、複数のユニットが連携することで、家中どこでもIoT機器を安定して接続でき、快適なスマートホーム環境を実現できます。
ケース | 導入前の課題 | メッシュWi-Fi導入後の改善 |
ケース1:大規模な戸建て住宅 | 家の広さや複数階にわたる構造により、Wi-Fiのデッドゾーン(電波が届かないエリア)が発生し、安定した通信ができない。 | ユニットを各階や広いエリアに設置することで、家全体をカバーし、デッドゾーンを解消。どこでも安定した通信が可能になる。 |
ケース2:ネットワーク設定の自信がない人 | 従来のルーターでは、SSIDやパスワードの設定、中継機との連携など、専門的な知識が必要な場合がある。 | ネットワーク設定が簡単で初心者にも扱いやすい。 |
ケース3:多くのデバイスを同時に接続する場合 | スマートフォン、タブレット、パソコン、テレビなど多数のデバイスを接続すると、ルーターの負荷が増え、通信速度が大幅に低下する。 | メッシュWi-Fiの負荷分散機能により、複数のデバイスが接続しても安定した通信速度を維持。家族全員が同時に快適にインターネットを利用できる。 |
ケース4:IoT機器が多い家庭 | スマートスピーカー、スマート家電などのIoT機器が増えると、従来のルーターでは接続台数が限られ、不安定な動作や接続不良が発生する。 | メッシュWi-Fiは接続台数が多くても安定性を保てるため、IoT機器を複数利用する家庭でも安心。IoT機器がスムーズに連携できるようになる。 |
メッシュWi-Fiが遅い原因は?
もしもご利用のメッシュWi-Fiが遅くなってしまっている場合、原因には主に3つ考えられます。まず、ルーターの設置位置が適切でない場合、ユニット間の距離が遠くなり、通信が不安定で速度が低下します。また、電子レンジやBluetooth機器など電波干渉する電子機器が近くにあると、電波干渉により通信が途切れたり遅くなったりする可能性があります。
原因 | 影響 |
ルーターの設置位置 | ユニット間の距離が遠いと通信が不安定になり、速度が低下する可能性があります。 |
干渉する電子機器 | 電子レンジやBluetooth機器などがWi-Fiの電波と干渉すると、通信が途切れたり速度が落ちたりすることがあります。 |
ネットワークの混雑 | 周囲のWi-Fiネットワークやデバイスの同時接続が多いと帯域幅が圧迫され、通信速度が低下します。 |
以下で、具体的な対処法を3つ確認していきましょう。
対処法その1:電源を一度落として再起動する
ユニットが一時的にフリーズしたり、設定が乱れることで、通信速度が低下することがあります。このような場合、すべてのユニットの電源を一度落とし、数分後に再び電源を入れることで、再起動を行い、状態をリセットすることで改善されることがあります。
対処法その2:設置場所を変えてみる
ユニットの設置場所によっては、電波干渉や障害物によって、通信速度が低下することがあります。金属製の家具や家電製品、厚い壁などは、電波を遮断しやすいため、ユニットの設置場所を少し変えるだけで、通信速度が改善される場合があります。
また、電波干渉が起こらないようにユニットはある程度の距離を空けて設置する、高さのある場所に設置して、電波の届く範囲を広げる、などにも配慮しましょう。
対処法その3:サテライトルーターを増やす
メッシュWi-Fiのカバー範囲を広げたい場合や、特定の場所で電波が弱い場合は、サテライトルーターを追加することで、より安定した接続を実現できます。サテライトルーターを増やす際は、既存の機器との互換性や電源の確保も確認しておきしましょう。
光回線とWi-Fiを上手に使いこなそう
光回線とWi-Fiを組み合わせて利用すれば、快適で安定したインターネット環境が実現します。それぞれの特徴を理解し、最適な設定や使い方を採り入れることで、インターネット環境が便利になりそうですよ。自宅にメッシュWi-Fiの導入を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。
集合住宅の光回線の選び方にもう迷わない
集合住宅での光回線選びに迷っているなら、ビッグローブ光がおすすめです。「ビッグローブ光」ではメッシュWi-Fiルーターの購入やレンタルのプランが用意されています。メッシュWi-Fiの導入をお考えであれば、一度検討してみてはいかがでしょうか。
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Contributor 中野友希