世界中で人気を集めている、韓国の男性ヒップホップグループ・BTS。YouTubeで楽曲を発表するのみならず、人気アーティストとコラボレーションしたり、SNSでメンバーのオフショットを公開したりと、徹底したメディア戦略でも注目されているグループです。
そんなBTSが利用しているサービスのひとつに、「SoundCloud」があります。
10年以上にわたって続いている音声ファイル共有サービスであり、国内外を問わず大勢のアーティストが利用。BTSも早い段階からSoundCloudを使っており、オリジナル曲やカバー曲を投稿してたびたび話題になっていました。
本記事では、そんな「SoundCloud」についてご紹介。
どのような特徴があり、どのような用途で使われているのか、基本的な部分について説明します。BTSきっかけで知った方以外にも、SoundCloudが気になっていた方の参考になりましたら幸いです。
「SoundCloud(サウンドクラウド)」とは
SoundCloudは、ドイツ生まれの音声ファイル共有サービス。ユーザーは作成した音声ファイルを投稿して、他の人に聞いてもらうことができます。
聞くだけならば会員登録は不要かつ無料ですので、手軽で使いやすいサービスと言えるでしょう。
日本ではあまり聞かないように感じる人もいらっしゃるかもしれませんが、10年以上にもわたって使われ続けている、人気サービスです。数々の音楽アプリが生まれては消えていったことを考えれば、根強い人気を誇っていることがわかります。
SoundCloudの用途は?どんな人が使っているの?
Wikipediaで「音声ファイル共有サービス」と説明されているように、もともとは「ミュージシャン同士で音声ファイルのやり取りをする」ために作られたという、SoundCloud。
それがやがて「ミュージシャンが音声ファイルを配布・公開できる」場所になり、コメントやプレイリストなどの機能も実装され、現在のような形になりました。普段遣いはしていなくても、CDの視聴などで使った記憶のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなSoundCloudで人気のコンテンツは、言わずもがな「音楽」です。
アーティストが自分の楽曲を投稿したり、新作CDのクロスフェードデモを公開したり。既存曲のアレンジやリミックスを投稿しているDJやアマチュアのクリエイターも多く、コアな音楽ファンほどSoundCloudにハマりやすい印象もあります。
その一方で、実は「ラジオ」も人気のカテゴリー。
「ラジオ」と言ってもAM・FMといったものではなく、いわゆる「ネットラジオ(Podcast)」ですね。
アーティストやクリエイターに限らず、何らかの情報を音声で発信したい人、トーク番組を配信したい人などが、SoundCloudでラジオを投稿しています。
このように、ユーザー登録している発信者にせよ、投稿コンテンツを聞いているリスナーにせよ、SoundCloudの利用者も十人十色。必ずしも「音楽好き」というわけでもなく、各々が思い思いの「音声」を発信し、耳に入れて楽しんでいる。それが、SoundCloudというサービスの特色です。
Spotifyなどの「聴き放題サービス」との違いは?
他方で「音楽アプリ」や「音声サービス」といえば、近年は「聴き放題サービス」が人気です。
毎月の会員費を払えば、とてつもない数の音楽がいくらでも聴き放題。いわゆる「サブスクリプション」モデルのサービスですね。
ここまでの説明でピンときている方も多いと思いますが、SoundCloudはそれらとはまた別ジャンルのサービスです。
たしかに「聴き放題」ではありますし、有料プランもありますが、基本は無料。プロのミュージシャンの作品も聞ける一方で、それ以上にたくさんのアマチュアのアーティストの楽曲や、「音楽」にとどまらない「音声」が投稿されています。
そして一番大きな違いは、SoundCloudは「ユーザー投稿型サービス」であること。
SoundCloudで公開されている音声は、ユーザーが自ら投稿したものです。プロであれば所属事務所が投稿しているケースもありますが、聴き放題サービスように契約して「配信」されているものとは異なります。
YouTubeやニコニコ動画をイメージするとわかりやすいでしょうか。
ですので、一般ユーザーが許可なくCD音源をそのまま投稿するのは、当然ながらアウト。アーティスト自ら投稿している楽曲の中にも、ダウンロードが許可されていないものがあります。
問題のある楽曲はすぐに削除されますが、利用する際には気をつけるようにしましょう。
独自トレンドを発信しているSoundCloud(サウンドクラウド)
聴き放題サービスのようにプロの音楽ばかりが聞ける、というわけではありませんが、それゆえに個性豊かな楽曲を発掘できる――。それが、ユーザー投稿型サービスであるSoundCloudの魅力のひとつ、とも言えるかもしれません。
たとえば、今やジャンルとして定着した印象もある「Kawaii Future Bass」。これはもともと、SoundCloudをはじめとする音楽サービスやSNSで広まったという指摘もあります。音楽の流行はプラットフォームやサービスごとに結構異なるので、音楽ファンはチェックしてみるといいでしょう。
メジャーな商業作品とはまた違った個性的な音楽と、独自のトレンドが生まれる場所。SoundCloudはそのようなプラットフォームとして、今後も使われ続けることでしょう。気になった方は、ぜひ実際にアクセスして聞いてみてください。