最近、スマホなどにイヤホンを接続する場合には、Bluetoothを使うことが多くなりました。ところで、Bluetoothにはいくつかのバージョンがあり、それぞれ機能が異なることをご存じですか?
イヤホンだけ利用する人であれば古いバージョンでも構わないのですが、ゲームのコントローラーなど他のデバイスと接続する場合には、できるだけ新しいバージョンのBluetoothを選ぶと安心です。今回は、Bluetoothのバージョンと、それぞれの機能について解説するので、自分に合ったものがどれか確認してみましょう。
目次
Bluetoothのバージョンとは?
「Bluetooth」の規格が誕生したのは1999年になります。その後、以下のようなバージョンアップを繰り返し、現在は2020年1月にリリースされたVer5.2が最新版です。
Ver. | 機能概要 |
1.0 | 一般公開されたバージョン |
1.1 | 一般的に広く知られるようになった普及バージョン |
1.2 | 2.4GHz帯域の無線LANとの電波干渉対策を実装 |
2.0 | 最大転送速度を3Mbpsに変更できるEDR(Enhanced Data Rate)機能を実装 |
2.1 |
ペアリングが高速化 Sniff Subrating機能でバッテリーの寿命を最大5倍まで延長 |
3.0 | 最大転送速度24MbpsのHS(High Speed)機能を実装 |
4.0 | 大幅な省電力化を実現するLE(Low Energy)機能を実装 |
4.1 |
LEの強化 LTEとの通信干渉を抑制 |
4.2 | LEのデータ転送速度が2.5倍に高速化 |
5.0 |
データ転送速度が4.0の2倍 通信範囲が4.0の4倍 通信容量が4.0の8倍 に強化 メッシュネットワークに対応 |
5.1 | 方向探知機能追加 |
5.2 | LE Audio機能の実装 |
ちなみに、初代iPhone3Gには2.0のBluetoothが搭載されていましたが、iPhone8以降は5.0のバージョンとなっています。
どのバージョンのBluetoothがおすすめ?
Bluetoothのバージョンは、大きく「クラシック」と「LE」という2つの規格に分類されます。この2つの規格には互換性がありません。
クラシックのBluetoothの規格は、1.0から3.0までを指し、廉価なイヤホンの多くに採用されています。一方、4.0以降のBluetoothはLEと呼ばれ、大幅な省電力化を果たしたことで、マウスやビーコンなどにも採用されるケースが多くなっています。
したがって、Bluetooth対応のデバイスを購入する場合には、クラシックかLEのどちらに対応しているか確認する必要がありますが、以下のロゴで判別が可能です。
左側の「Bluetooth」と書かれたロゴは、クラシックのみに対応しています。次に、真ん中の「Bluetooth SMART」と書かれたロゴはLEのみ対応しているデバイスです。
そして、右側の「Bluetooth SMART READY」と書かれた頃は、クラシックとLEの両方に対応しているデバイスです。つまり、わからない場合は「Bluetooth SMART READY」のロゴが付いているデバイスを選べば、安心して利用できるでしょう。
Bluetoothの最新バージョン5.2とは
2020年の1月にリリースされた最新規格であるBluetooth 5.2では「LE Audio」という新しい機能が追加されています。ちなみに、5.2より以前のBluetoothのオーディオは「Classic Audio」と呼ばれるようになり、互換性はありません。
LE Audioの主な特徴は、以下の通りです。
- マルチ・ストリーム・オーディオ機能:複数のデバイスへ音声を送信可能
- ハイレゾ音源に対応
- LC3:高品質の音声データ送信を低消費電力で実現
- オーディオシェアリング機能:スマホの音源を友人とシェアできる
ただし、現状バージョン5.2に対応しているデバイスは少なく、普及するにはまだまだ時間がかかりそうです。
ペアリングするデバイスのバージョンを確認しておこう
Bluetoothデバイスを購入する際には、ペアリングするそれぞれのデバイスのバージョンが対応していることを確認しておきましょう。「せっかく最新のデバイスを購入したのにペアリングできない……」という事態にならないように、十分注意してください。