皆さんは、ネットの情報を見たいとき、どうしますか?
スマホユーザーであれば、ブラウザを立ち上げるだけでしょうし、ブックマークにない情報であれば、Googleアプリなどを使ってちゃちゃっと検索することでしょう。
ほとんどの人は、「インターネットに接続して、ブラウザを経由してみている」と意識することなく、ネット情報にアクセスしています。ときどき、山間部やトンネルの中でつながらないことがあると「電波、つながっていないんだなぁ」と通信回線状態を気にするぐらいなのではないでしょうか。
でも、インターネットからの情報を見るには、ブラウザ、通信回線だけでは不十分。あるものがないと、インターネットにはつながらないんです。
今回は、スマホユーザーがあまり意識することのない、けれどインターネットに接続するのに欠かせない「プロバイダ」という用語について、お話しします。
プロバイダはインターネットの世界への扉
ネットの世界へ漕ぎ出すための三つのアイテム
スマートフォンが登場するはるか昔、携帯電話でメールのやり取りさえできなかったような時代には、インターネットの情報を見るためには、次に挙げるものを用意する必要がありました。
- ブラウザをインストールしたパソコン
- 電話回線
- プロバイダ
回線だけではつながらない
インターネット熱が高まってきた1995年頃、主流だったパソコンのOS(基本ソフト)Windows 95を搭載したパソコンであれば、「Internet Explorer(インターネットエクスプローラー)」というブラウザもインストールされていました。また、各家庭に(固定の)電話回線があるのも当たり前でした。
とはいえ、それだけではインターネット接続には足りません。「プロバイダ」との契約が必要だったのです。
「プロバイダ」とは、正式にはインターネットサービスプロバイダのこと。頭文字を取って「ISP」または「インターネット接続事業者」と呼ばれることもあります。
これは、部屋の壁にある電話のモジュラージャックに電話機のコードをつなげただけではどこにも電話をかけられないのに似ています。回線があるだけでなく、電話会社と契約して電話番号をもらわないことにはどこへもつなげることができないのです。
同じように、部屋に光通信などの回線につなぐためのプラグがあったとしても、それだけではインターネットに接続することはできません。プロバイダと契約し、インターネットへの扉を開けてもらう必要があったのです。
スマートフォンでインターネットに接続する場合も同様で、通信回線だけでなく、インターネットに接続するための契約が必要です。そうしないと、インターネットの世界に入れないからです。
キャリアからの請求書にある「324円」の正体は?
「でも、スマホを契約したときにプロバイダなんて言葉を聞かなかったし、それでもネットにつながっているんだけど」と思うかもしれません。
もしdocomoやau、またソフトバンクモバイルといった3大キャリアと契約しているのであれば、請求書をよく見てみましょう。それぞれ「spモード」「LTE NET」「ウェブ使用料」といった項目があり300円(税別)という金額が表示されているのではないかと思います。これが「プロバイダ」の機能にあたります。
つまり、キャリアがプロバイダ機能を提供しており、その分が請求されている、ということですね。
※金額は2018年10月30日現在の情報です。
料金プランの説明を受ける際、「これはインターネットに接続するためのものです」という説明をスタッフから受けていても、意識していないため忘れてしまうのです。
BIGLOBEモバイルを含む格安SIM(MVNO事業者)では、基本契約にプロバイダ契約が含まれているため、別途請求されることはありません。これが格安感を生む一因ともなっています。
さまざまな情報の宝庫であるインターネット。世界中のネットワークとつながっているインターネットへは、プロバイダという扉のおかげで入ることができます。
あまり知られていないけど、プロバイダの役割は意外と重要なのですね。