Wi-FiもBluetoothも、無線LANの規格のひとつで、ケーブルなしでワイヤレス通信ができるとても便利な存在です。でも、「無線」ということで、どう違うのかがよくわからない、という方もいるのではないでしょうか。

この記事では、Wi-FiとBluetoothの基本や使い方、両者の違いについてまとめて解説しています。

Wi-Fiとは?

Wi-Fiとは、「Wireless Fidelity(ワイヤレス フィデリィティ)」の略称で、通信規格のうち「IEEE 802.11」を利用するものを指します。さらに、Wi-Fiの通信規格は5GHz帯と2.4GHz帯の2つの周波数の帯域に分類することができます。

5GHz帯には「11ac」と「11a」、2.4GHz帯 には「11g」「11b」、両方の周波数帯で使える「11ax」「11n」があります。「2.4GHz帯」は障害物に強いものの、多くの機器で採用されているため、電波干渉を起こしやすいのが難点です。5GHz帯は、電波干渉を起こしにくく通信が安定しているものの、障害物に弱い特性があります。

Wi-Fiの主な使い方とは?

Wi-Fiの利用には、Wi-Fiルーターとインターネット回線の契約が必要です。Wi-Fi対応機器同士で通信規格が対応していれば、メーカーや製品の違いを気にすることなくインターネット通信をすることができます。

例えば、自宅に光回線を引いて、Wi-Fiルーターを設置し、パソコンやスマホ、IoT家電などを接続して使用します。または、光回線の代わりにモバイルWi-Fiルーターを契約して、同じくパソコンやスマホ、IoT家電を接続することで使用することもできます。

具体的な使用方法は、使用環境や機器によって若干異なります。例えば、光回線のWi-Fiルーターであれば、Wi-Fiルーターに設定されているSSIDとパスワードを確認しておき、受信側の端末の設定画面からWi-Fiをオンにして、接続するSSIDを選択した後、パスワードを入力することでWi-Fiに接続することができます。一度接続すれば、次回からは自動的に接続されることがほとんどです。

▲iPhoneのWi-Fi接続画面。過去に接続したルーターは自動的に接続される

Bluetoothとは?

Bluetoothも、無線通信規格のひとつで無線規格「IEEE 802.15.1」を利用するものが該当します。2.4GHz帯を使った通信でデバイス間を接続します。Bluetooth対応のデバイスには、受信機とソフトウエアを含むチップが内蔵されており、そのチップ同士がリンクすることでデバイス間が接続されます。

通信距離や通信速度はバージョンにより変わりますが、Bluetooth 5.0ではひらけた場所なら100m以上も接続可能。消費電力が少ないため、長時間の使用が必要なデバイスとの接続に適しています。

Bluetoothの主な使い方を確認しよう

Bluetoothは、対応する機器同士をペアリングするのみであれば、インターネット回線は必要ありません。例えばキーボードやマウスなどの周辺機器、イヤホンやスピーカーなどのオーディオ機器、ウエアラブルデバイスとの接続、スマートホーム機器との接続など、さまざまな用途に利用されています。

接続方法は機器やメーカーによって多少異なりますが、基本的には端末のBluetooth接続をオンに設定し、接続機器をペアリングモードにして一度接続すれば、次回からはBluetoothをオンにして、接続する機器の電源を入れるだけでペアリングすることが可能です。端末によっては、ペアリングコードを求められることもあります。

▲iPhoneのBluetooth接続画面。ペアリング完了している接続機器とステータスが表示される

Wi-FiとBluetoothの違い

Wi-FiとBluetoothは、どちらも無線通信技術ですが、それぞれに特徴が異なります。以下でWi-FiとBluetoothの違いについて確認していきましょう。

Wi-Fiは速度が速く、複数のデバイスが接続可能

Wi-Fi接続の通信速度が速いため、動画配信、オンラインゲームなどの用途に適しています。また、複数のデバイスを同時に接続することができるのも特徴です。

また、一般的にWi-Fiルーターの電波が届く距離は50~100メートル程度といわれており、ある程度広い範囲で電波が届くような仕様になっています。

Bluetoothは消費電力が少なく、ペアリングが簡単

Bluetoothの通信速度は、Wi-Fiに比べると遅いのですが、消費電力が少なく接続機器のペアリングが簡単というメリットがあります。

そのため、キーボード、マウス、イヤホン、スピーカーなどの周辺機器のワイヤレス化や、ウエアラブルデバイスとの接続などに適しています。ただし、Bluetoothは基本的に1つの端末同士をペアリングして使用するため、例えばBluetoothスピーカーを何人かで共用したい場合は、マルチペアリング対応のスピーカーを選ぶ必要があります。

Bluetoothの通信距離は、電波強度の規定「Class」によって異なります。Class1からClass3まで規定があり、数字が低いほど電波強度が高くなっています。Class1の通信距離は最大100メートル、Class2は最大10メートル、Class3は最大1メートルです。市販のワイヤレスイヤホンなどは、Class1やClass2が採用されたものが多くなっており、基本的にはデバイス同士が近距離にある状態での使用が前提となっています。

テザリングはWi-FiとBluetoothどちらが良い?

テザリングとは、スマホなどのモバイルデバイスをアクセスポイントとして設定し、インターネット接続を他のデバイスに共有する機能です。Wi-Fiがない環境でも、モバイル回線を契約しているスマホを活用して、他のデバイスをインターネットに接続することができます。

Wi-FiとBluetoothの両方でテザリングが可能ですが、それぞれの特徴からメリットや注意点があります。

Wi-Fiでのテザリングは、通信速度が速く、複数のデバイスを接続できます。しかし、バッテリーの消耗が激しい点に注意が必要です。一方で、Bluetoothでのテザリングは、電池消耗が少ないものの、デバイス同士が近くにある必要があるなど距離が制限されてしまいます。

Wi-FiとBluetoothを上手につかいこなそう

Wi-FiとBluetoothの基本や、それぞれの特徴によって使い分けたほうがよいことを説明してきました。インターネットをテザリングする際は、通信速度や接続機器が近くにない場合はWi-Fi接続を、消費電力が気になる場合はBluetoothを活用するとよいでしょう。Wi-FiやBluetooth接続をする際、ぜひ参考にしてみてください。

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