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「近代五種」がキング・オブ・スポーツと呼ばれるのはなぜ?見どころも紹介

「近代五種」がキング・オブ・スポーツと呼ばれるのはなぜ?見どころも紹介

「キング・オブ・スポーツ」……近代五種にはそんな呼び名があります。
1人の選手がフェンシング、水泳、馬術、レーザーラン(射撃・ラン)を行って争う競技と聞いただけでもハードさが想像できるでしょう。

陸上には10の競技で合計得点を争う十種競技(デカスロン)がありますが、それはあくまで陸上という競技の中での十種。近代五種はそれぞれの競技が大きく異なるのが特徴です。

近代五種とは?

近代五種は、フェンシング、水泳、馬術、レーザーラン(射撃、ランニング)のことを指し、1人の選手はこの5つの競技を1日でこなすことになります。

近代五種の生みの親はフランス人のクーベルタン男爵で、彼は近代五種を「スポーツの華」と呼ぶほど愛したといわれています。

なぜこの5種目が選ばれたの?

それにしても、クーベルタン男爵は、なぜ一見、脈絡のないこの5種目を選んだのでしょうか?

古代五種競技はレスリング・円盤投・やり投・走幅跳・短距離走の5種ですが、近代五種よりも印象としては近しい競技が多いですよね。

一説では、クーベルタン男爵が参考にしたのは19世紀のナポレオン戦争の故事だといわれています。フランスの騎兵が伝令のため馬で敵陣を突っ切り(馬術)、剣と銃で敵兵を倒し(フェンシング・射撃)、泳いで川を渡り(水泳)、走って丘を越えて(ランニング)戦果を伝えたという話を競技化したというわけです。

ヨーロッパにおいて騎士道は貴族の行動規範であり、馬術や射撃は嗜みのひとつ。そこに人間の基本的な運動能力であり、原始的スポーツともいえる陸上と水泳が加わります。

そう考えると、たしかに近代五種には、近代らしい「スポーツの華」が詰め込まれている印象を受けますね。その頂点に立つものが「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれるのも納得といえば納得です。

他種目競技ゆえの苦労……

実際、近代五種はヨーロッパでは長く王族・貴族のスポーツとして愛され、今も根強い人気があります。

ただ、現代の近代五種は、別の意味でも「キング・オブ・スポーツ」といえる側面もあるそう。


まず競技が多岐にわたるゆえに取り組むにもたくさんの用具が必要であり、練習場も複数になります。

選手に聞くと、まずその練習環境を整えるのに一苦労なのだそう。しかも、それぞれに関連性が薄い五種の競技それぞれをレベルアップさせる練習時間の確保、強化の計画と実行もしっかりとマネジメントしなければなりません。

 

こうした競技に取り組むハードルの高さは、競技人口がなかなか増えない理由にもなりました。

日本の場合は、かつては射撃が銃刀法に触れたためさらに競技の担い手が限られていました。選手は射撃が仕事の一部である警官と自衛官がほとんど。練習をする射撃場も限られます。

そのため、日本では近代五種の入門的競技としてランニング・水泳・射撃からなる近代三種を考案。射撃で使用する銃はBB弾用なので、射撃場以外でも練習可能……といった普及の努力を続けてきました(現在は近代三種の世界大会も開催されるまでに)。

 

また、今は近代五種の射撃が銃からレーザーピストルに変更になったため、射撃に関しては以前ほど競技環境が限定されなくなりました。

それでも馬術など今も気軽に練習できない種目は残っています。

近代五種は、こういった環境面の難題をクリアして戦いの舞台に立っているんですね。

現在は1日5種目を完遂!

また、現在の近代五種を語るうえで、ターニングポイントになったのが1990年代半ばにおきた大会システムの変更です。

 

それまで1日1種目、5日間をかけて行っていた競技が、1996年から原則として1日で全ての種目を行うことになりました。

1日1種目時代の近代五種には、いかにもヨーロッパの王侯貴族らしい優雅さが残っていました。

しかし、1日5種目時代になると、選手が体力・精神ともにギリギリまで追い込まれる超ハードな競技へと変貌。

 

これだけ内容が異なる競技を1日で戦うとなると、気持ちの切り替えが重要になるのはもちろん、フィジカルのコンディション調整も難しくなります。

環境調整の困難さに競技のハード化が加わった近代五種。「キング・オブ・スポーツ」という異名が、誕生当初からさらにその名にふさわしくなった、と言いたいのはそのためなのです。

競技内容はどうなっているの?

さて、そんな近代五種ですが、現在の一般的な競技内容を説明します。

フェンシング・ランキングラウンド

フェンシングにはフルーレ、エペ、サーブルの3種目がありますが、近代五種では全身を突くことができる「エペ」で戦います。試合は1分間1本勝負の総当たり戦。勝率によって得点が与えられます。

水泳

200m自由形を採用。タイムによって得点が与えられます。

フェンシング・ボーナスラウンド

フェンシング・ランキングラウンドの順位の下位同士から対戦がスタート。種目は「エペ」で、勝ち残りで選手が変わります。試合は1試合30秒1本勝負。1勝につき1点を獲得でき、ランキングラウンドの得点とボーナスラウンドの合計点がフェンシングの得点になります。

馬術

貸与馬に乗り、会場に設けられた障害物を飛び越えながらコースを周ります。得点は300点満点からの減点方式。

通常の馬術競技と異なり、選手がふだんから乗っている馬ではなく、その日、初めて乗る貸与馬での競技になるのが特徴。いかに馬と良好なコミュニケーションをとることができるかという点も問われます。

レーザーラン

射撃とランニングを交互に4回行います。射撃はレーザーピストルを使い、10m離れた直径約6cmの的に5発命中させ、打ち終わると800mのランニングがスタート。

フェンシング、水泳、馬術の得点を1点=1秒にタイム換算して上位選手からの時間差スタートを行い、着順を競います。その順位が競技全体の最終順位となります。

近代五種の見どころ

近代五種の見どころは順位の入れ替わりが多く、最後まで勝者が予想しにくい点にあります。

競技の性格上、種目ごとの得意不得意の差が影響しやすく、大幅な逆転もあり得るのです。

 

特に最後のレーザーランの800mは、短距離と長距離、どちらの要素も必要な陸上の中でもキツいといわれる距離。

それが終わった直後に集中力を要する射撃を行うのは、普通に考えれば無茶な話です。そのうえ射撃は5回命中するまで50秒の制限時間の間、撃ち続けなければなりません。息が乱れ、的に当たらず撃ち続けるうちに後続の選手が素早く命中させ追い抜いたうえに一気に差をつける、なんてシーンは近代五種ならではの光景といえるでしょう。

 

極限状態の選手たちが見せるクライマックスのドラマ、ぜひ一度、味わってみてください。

Contributor

田沢健一郎

1975年生まれ、山形県出身。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーの編集者・ライターに。著書に『あと一歩!逃し続けた甲子園』(KADOKAWA)がある。

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