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サーフィンは競技になるとどうやって採点するの?見どころをご紹介

サーフィンは競技になるとどうやって採点するの?見どころをご紹介

趣味として親しんでいる人も多いサーフィンですが、競技としてのサーフィンは採点競技です。

体操やアーティスティックスイミング(旧・シンクロナイズドスイミング)、冬季スポーツで言うとフィギュアスケートやスノーボードのハーフパイプと同じですね。しかし、一般的な採点競技と異なる点が2つあります。

自然に左右されるスポーツ

まず一つは「自然」という相手の存在が大きいこと。
ご存じの通り、サーフィンは海の波で行うスポーツ。それは競技としてのサーフィンも同じで、人の手を加えられない自然が舞台となります。スノーボードのハーフパイプも自然相手という要素が強い採点競技ではありますが、コースであるハーフパイプ自体は人工的に作られたものですからね。

 

その点でサーフィンは選手が同じ条件で競えない不平等性が強い競技ともいえます。ですが、それこそが他の競技にはない面白みでもあるのです。その日にどれくらいの大きさの波が発生するか天気図を読み取る必要があり、満潮や干潮など潮の満ち引きも波の有無に影響します。もちろん地形による特徴もあります。

 

さらに「二度と同じ波はない」という言葉があるように、一つひとつの波は、大きさ、スピード、波となってめくれ上がる水の量、形、全てが異なるのです。

 

選手は、そんな気まぐれともいえる自然を相手にしなければなりません。スポーツに限らず、どんな条件でも一定の結果を残すのが、その道のプロ。サーフィンのトップ選手は、単なる競技の技術だけでなく、言うなれば海と魚を知り尽くした熟練の漁師のような読み、判断力、対応力を問われるというものです。

サーフィンの採点基準は……

2つ目は、採点基準が良くも悪くも曖昧という点。
体操やフィギュアスケートは基本的にそれぞれの技の得点が決まっています。しかし、サーフィンの採点基準は「その波をどう料理したか」という、誤解を恐れずにいえば「ザックリ」したもの。しかも、「料理」の前の材料選び、つまり「どの波を選択したか」から採点が始まるのです。

 

競技は波の状態によって決められる20分〜30分の制限時間のうち、ライディング、つまり波に乗れる本数は1人10本(多少、増減するケースもある)。それぞれのライディングに点数がつき、最高点は10点。高得点2演技の合計点数で順位が決定します。試合は「ヒート」と呼ばれますが、これで1ヒートとされます。

 

こうしたルールのため、選手には制限時間の中で「料理の材料」たる「点数が出そうな波」を選ぶ力も問われます。良い波を選んでその波に合った技を繰り出せば高得点。同じ技を行っても波が良くなければそこそこの点数しか出ません。

ただ、良い波を選んでも演技に波が合っていなかったり、途中で水面に落ちれば(ワイプアウトといいます)点数が出ないのです。

 

自然相手という要素が非常に強く、技の一つひとつに明確な点数が決められていない競技サーフィン。他の採点競技と比較して、「波をどう料理するか」というアイデアやクリエイティビティがより求められると言っていいでしょう。

駆け引きも重要、競技サーフィンはトーナメント方式

国際競技では2〜5人ずつで競技を行い、1位〜3位の上位選手が勝ち抜ける「マンオンマンヒート(1対1)、「4メンヒート」「5メンヒート」のトーナメント方式が採用されます。

 

こうした競技方式では、自らの技術、波を読み判断する力のほか、相手との駆け引きも重要になります。波に乗れるのは1ヒート10本。ただ、同じ波には1人しか乗れないため、競技サーフィンではその波に乗れる「優先権(プライオリティ)」ルールが決められます。基準はケース・バイ・ケースですが、それを破るとペナルティ。そのため選手同士の波の奪い合いも発生するのです。

 

制限時間内にどんどん波に乗って高い点数を重ねることで、相手が良い波に乗る機会を減らす戦略もあれば、本数にこだわらず、じっくり良い波を待ち、1演技のクオリティを高めて高得点を狙う戦略もあります。戦い方は本人次第、いや本人と波の状態次第というべきでしょうか。

 

よって、試合では波を乗ろうとパドリングを始めるも、それは相手を誘うフェイクで、本当の狙いは次の波、といったことが起きます。また、乗る波を決めたらスタートダッシュをかけ、ポジショニングなどで相手をブロックする方法も。

 

ブロックといえば、制限時間の前半に何本かライディングをして、ある程度の得点を獲得できたら、残り時間で相手を波に乗せないようブロックをし続ける展開もあります。もっとも、あまりにもブロックが過激な場合はインターフェア(反則)をとられてしまいますが……。

 

自然が相手のサーフィン。天候次第で競技開始時間が変更になったり翌日延期というケースもあり、国際大会でもその可能性はあります。観客としては「待ち」や「空振り」もありますが、主催者側はそれを見こして競技が延期になっても楽しめる会場づくりを心がけるのだそう。

 

サーフィンの大会は選手と観客の距離が近いのも魅力。競技がなくてもトップ選手が観客に思わぬサービスを披露、なんてことも考えられます。なんといっても彼らは「対応力」「アイデア」「クリエイティビティ」に優れたアスリートなのですから。

Contributor

田沢健一郎

1975年生まれ、山形県出身。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーの編集者・ライターに。著書に『あと一歩!逃し続けた甲子園』(KADOKAWA)がある。

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