大手携帯電話会社と比べて、通信料金を安く抑えることができる、格安SIM。その魅力や特徴については、当サイトでも幅広くお伝えしてきました。
ですが格安SIMに関しては、不安の声も多くあります。
「通信速度が遅くなるんじゃないか」「データ通信は安くても電話料金が高くなるのでは?」「田舎でも問題なく使えるのか不安」などなど。格安SIMにはこのようなデメリットがあるのではないかと、そんな声をしばしば耳にします。
ここでは、よく言われる格安SIMの不安とその解決方法について解説します。
不安①「キャリアメールが使えない?」
格安SIMに乗り換えた人の多くが直面する問題のひとつに、「キャリアメールが使えない」というものがあります。
「キャリアメール」とは、携帯電話会社が提供している電子メールサービスのこと。docomo.co.jp(NTTドコモ)、softbank.jp(ソフトバンク)、ezweb.ne.jp(au)などで終わるメールアドレスを指します。
これらのアドレスは契約している携帯電話会社のサービスですので、大手キャリアから格安SIMに乗り換えれば当然使えなくなります。
独自にメールサービスを提供している格安SIM事業者もありますが、「キャリアメール」とは異なります。
そうなると困るのが、Webサービスの会員登録。というのも、「会員情報を入力しようとしても、キャリアメールのドメインしか選べない」ようなサービスが、稀にあるのです。「キャリアメールがないと登録すらできない」のは困りますよね。
解決策:フリーメールで代用が可能
ただし、格安SIMが広く普及した現在は、会員登録の際にキャリアメールの入力を求めてくるサービスは激減しています。
連絡先として「携帯メールアドレス」を入力する際にも、GmailやYahoo!メールなどのフリーメールで代用が可能。よほど古いサービスでないかぎり、キャリアメールの入力を求められるケースは少ないため、この問題は解消されつつあります。
また、中には独自のメールサービスを提供している格安SIM事業者もあります。ユーザーであればメールアドレスがもらえますので、乗り換えを検討中の格安SIMにメールサービスがあるかどうか、気になる方は確認してみてください。
不安②「通話料金が高い?」
「格安SIMは通話料金がかさむ」という声を聞くことがしばしばあります。
通話料金は、30秒/20円が基本。「ちょっとした連絡で5分ほど話すだけでも200円かかる」と考えると、決して安いとは言えませんよね。
いわゆる「かけ放題プラン」を提供しているところも多いですが、月額料金はそこそこ高め。大手キャリアでかけ放題プランにしていた人も少なくないかと思いますが、格安SIMは基本料金が安いこともあり、どうしても割高に感じられてしまいます。
解決策:実は大手キャリアと同じ!さらに、電話アプリで節約する方法も
このように、なんとなく「通話料金が高そう」というイメージのある格安SIMですが、実は必ずしもそうとは限りません。
というのも、そもそも通話料金は大手キャリアでも格安SIMでも変わらず、30秒/20円が基本なのです。
大手キャリアは月々の料金に「かけ放題」が含まれているプランが多い一方で、格安SIMの基本料金にはそれが含まれていません。その結果、「格安SIMはなんとなく通話料金が高そう」というイメージが定着してしまっているようなのです。
ですので、自分が電話を使う頻度に合わせたプランを選択すれば、格安SIMのほうが月々の料金は抑えられることが多いです。格安SIM事業者の通話オプションは選択肢の幅も広く、お得に通話できるようになっていますので、各事業者のサイトで確認してみてください。
また、もうひとつの視点として、「電話アプリを使えばデータ通信扱いになる」という考え方もあります。
すでに実践している人も多いかと思いますが、LINEなどのアプリの通話機能を使って連絡をすれば、通話料金はかかりません。ただしこの場合、データ通信量はかさみますので注意が必要です。
不安③「通信速度が遅い?」「地方では使えないの?」
格安SIMといえば、「通信速度が遅い」という声もよく聞きます。
実際問題として、大手キャリアと比べれば若干劣るのは間違いありません。特にユーザーの多い格安SIMは場所や時間帯によって回線が混雑し、目に見えて通信速度が遅くなることもあると聞きます。
加えて、「地方では使えないんじゃない?」という疑問の声もあります。
人の多い都市部ならともかく、地方に行けば行くほどつながりにくくなるのではないか。そもそも人の少ない田舎では使えないのではないか。――そのような不安の声は、格安SIMが広く普及した今もなおたびたび耳にするものです。
解決策:遅い時間帯はWiFi等で工夫。地方での利用は問題なし!
まず通信速度の問題ですが、キャリアよりも遅いのは事実です。
ですが、それでも普通にデータ通信をする分には充分な速度が出ています。SNSでのやり取りはもちろん、動画を見る際にも「途中で止まってイライラする」と感じることはありません。
問題になるのはお昼の時間帯や夕方などのピークの時間帯。
これらの時間帯ではなかなかつながらない…ということが起こることもあります。
ただし、圏外の状態のように全く通信ができなくなる、というわけではありませんので、少しだけ時間がかかるのを我慢すれば利用自体は可能です。
また、Wi-Fiを利用する、予めデータをダウンロードしておく、通信量の多くかかる使い方を避ける、などの工夫をすることによって、この時間帯でも快適に使うことができます。
「地方では使えないんじゃない?」という声に対しては、「問題なく使えます」とお答えできます。
なぜなら、主だった格安SIM事業者はそもそも自前の通信設備を持っていません。格安SIMでデータ通信を行う際に利用している回線自体は、大手キャリアのものなのです。言うなれば、大手キャリアの設備と回線を「借りている」わけですね。
ですので、大手キャリアの回線がつながっている地域であれば、格安SIMに乗り換えても当然つながります。それでも不安だという方は、各社のサイトでサービス対象エリアが掲載されていますので、そちらを確認してみてください。
不安④「困ったときに店舗で相談できない?」
格安SIM事業者の中には、実店舗を持っていないところもあります。
主要な駅や国道沿いに実店舗を構えており、全国各地に展開している大手キャリアと違って、困ったときにすぐお店に駆け込めないのは悩みどころ。サポートセンターに電話する手もありますが、通話だけでは伝えづらい問題もあります。
インターネットで検索して調べることもできますが、自分が求める情報を見つけられるかどうかは未知数。「すぐに対面で相談できない」というのは、格安SIMの大きな弱点であると言えそうです。
解決策:近頃は店舗も増えつつある
お店で相談できるか、できないか。もしかすると、これが大手キャリアの最大のメリットであり、格安SIMの最大のデメリットである、と言えるかもしれません。
とはいえ、近頃は実店舗を構える格安SIM事業者も増えてきています。大きな駅の近くや家電量販店の店舗内に出店し、契約や相談を受け付けているメーカーもよく見かけるようになりました。近くにお店があれば、この問題は解決できそうです。
ただ、それでも大手キャリアと比べればまだまだ店舗数は少なく、「サポートはオンラインで」というのが基本スタンスとなっているようです。その分、サポートページやFAQは充実していますので、まずはそちらを確認してみましょう。
また、端末保証と相談がセットになったサポートをオプションとして提供している格安SIM事業者もありますので、不安な方はそちらを選ぶと良さそうです。BIGLOBEでもサポートページを設けており、AIチャットや電話での相談も受け付けています。
まとめ
以上、格安SIMをめぐる4つの不安要素と、その解決策を説明させていただきました。
「格安SIM」というサービスが出てきた当初はいろいろと問題もありましたが、近年は広く普及し、利用者も増えたことによって、諸問題も改善されつつあります。
ただし、実績もノウハウも豊富な大手キャリアと比べれば、まだまだ見劣りする部分が多いのも事実。それゆえの「格安」であると捉えることもできますが、不安に感じてしまうのも仕方ないと思います。
大切なのは、その「不安」が本当に「問題」なのかどうかを確認すること。
実はすでに解決済みだとわかれば、不安なく格安SIMに乗り換えられるのではないでしょうか。その判断基準のひとつとして、この記事が参考になりましたら幸いです。