Wi-Fiルーターを購入する際に、どれくらいの性能、つまりは通信速度のものを選択すればいいのか迷うことがあると思います。速ければ速いにこしたことはないのですが、Wi-Fiルーターは性能が良いものほど高価になりますし、必要以上の性能があっても持て余すだけです。

そこで、ここでは利用目的別に快適なWi-Fiの通信速度の目安をご紹介します。
また、Wi-Fiの通信速度について知っておきたい基礎知識、Wi-Fiルーターを選ぶときのポイントについても解説しますのでぜひ最後までご覧ください。

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Wi-Fiの通信速度について知っておこう!

まずは、Wi-Fiの通信速度を比較する上で必要な基礎知識を解説します。

通信速度の単位が「bps(ビーピーエス)」

通信速度は「bps(ビーピーエス)」という単位で表します。「bps(=bit per second)」は1秒あたりに転送できるデータ量のことです。数値が大きくなるほど一1度にやり取りできるデータ量が増えるため通信速度も速くなります。

  • 1kbps=1,000bps
  • 1Mbps=1,000kbps
  • 1Gbps=1,000Mbps

bpsは1,000倍になるごとにkbps→Mbps→Gbpsと位が変わります。例えば、光回線でよく耳にする1Gbpsは、1Mbpsの1,000倍の速度です。Wi-Fi環境を快適にしたいのなら、まずはこのbpsの数値が大きなものを選ぶといいでしょう。

通信の「上り」と「下り」の違い

データ転送の流れには「上り」と「下り」の二つのパターンがあります。

  • 上り:自分の端末からインターネット上にデータを送信する方向
  • 下り:インターネット上から自分の端末にデータを受信する方向

例えば、メールやSNSにメッセージを送信する場合は「上り」、サイト閲覧や動画視聴などでデータを受信をする場合は「下り」の通信を利用しているわけです。ただ、Web会議のように自分の映像や音声を送信しつつ、相手の映像や音声を受信しているような「上り」と「下り」を同時に利用している場合もあります。

では、通信環境を比べる際にどちらを重視すべきなのでしょうか。 答えは「下り」です。

メールやSNSの送信、サイト閲覧や動画視聴などのように一般的な用途で考えると、データ容量は「下り」側のほうが多くなる傾向にあります。快適なWi-Fi環境を選びたいのなら「下り」を基準に考えたほうがいいのです。

速度は「理論値」より「実測値」が大切

通信速度を考えたとき注意したいのが「理論値」と「実測値」の違いです。

  • 理論値:理想的な環境下で期待できる通信速度
  • 実測値:実際の環境下で計測された通信速度

まず、Wi-Fiの通信速度が「理論値」の通りになることはほぼありえないと言っていいでしょう。Wi-Fiの電波は距離が離れるほど弱くなりますし、壁や棚など障害物、家電や通信機器から発せられる電磁波などにも妨害されて速度が落ちてしまいます。

このように私たちの周りには通信速度を低下させるさまざまな要因があることから、Wi-Fiの通信速度の目安は「実測値」を基準に考えることが大切です。

無料でWi-Fiの通信速度を計測する方法

回線事業者やプロバイダが公表している回線速度、メーカーがカタログに掲載しているWi-Fiルーターの通信速度は、基本的に「理論値」のみです。前項の通り、Wi-Fiの通信速度の目安は「実測値」を基準にする必要があります。

では、どうすればメーカーが公表していない通信速度の「実測値」を知ることができるのかですが、実は無料のWebサービスで計測可能です。例えば、検索エンジンで「スピードテスト」と検索してみてください。Googleの検索エンジンからなら直接計測することもできますし、その他にもいろいろなWebサービスがヒットするのでそれらでも簡単に計測できます。いくつかのサービスで計測すると、より正確な数値を確認できるでしょう。

利用目的別!Wi-Fiの通信速度の目安一覧

では、ここからは具体的に快適なWi-Fi環境の通信速度の目安を見ていきましょう。

「上り」の通信速度の目安

目的速度目安
メールやSNSでメッセージの送信1Mbps
SNSに写真を投稿3Mbps
SNSやYouTubeなどに動画を投稿10Mbps

GmailやLINEでメッセージを送信する際は「1Mbps」もあれば十分です。一方、YouTubeに動画投稿するのなら「10Mbps」以上ないと時間がかかります。

「下り」の通信速度の目安

目的速度目安
メールやSNSでメッセージの受信128Kbps〜1Mbps
WebサイトやSNSの閲覧1Mbps〜10Mbps
SNSやYouTubeなどで動画を視聴3Mbps〜30Mbps
オンラインゲーム30Mbps〜100Mbps

情報量の少ないWebサイトなら「1Mbps」で十分ですし、画像が多いWebサイトやInstagramでも「10Mbps」程度あればストレスなく閲覧できます。

また、画質にもよりますがYouTubeで動画視聴するには「30Mbps」、容量の大きなオンラインゲームまでするなら「100Mbps」程度を目安にすると快適でしょう。

Wi-Fiルーターを選ぶ3つのポイント!

利用目的ごとに必要なWi-Fiの通信速度の目安がわかったところで、具体的にどれくらいの性能のWi-Fiルーターを選べばいいのかポイントを解説します。

回線速度を活かせるもの

前提として、通信速度は電波の出入口であるWi-Fiルーターの性能に依存します。仮に、回線速度が1Gbpsの高速だとして、Wi-Fiルーターが100Mbpsまでしか対応していない機種では、通信速度は最大100Mbpsまでしか出ないわけです。

回線速度を無駄にしないためにも、Wi-Fiルーターは回線速度に対応したものを目安に選ぶといいでしょう。一方で、そもそも回線が遅いと、Wi-Fiルーターの性能が高くても実力を発揮できないので、そうした場合は回線を見直すのも手です。

Wi-Fi 6対応のもの

速度にこだわるなら「Wi-Fi 6(正式名称:IEEE 802.11ax)」という通信規格に対応したWi-Fiルーターを選ぶといいでしょう。

最大通信速度周波数帯
Wi‐Fi 6E/IEEE802.11ax9.6Gbps2.4GHz/5GHz/6GHz/
Wi-Fi 6/IEEE 802.11ax9.6Gbps2.4GHz/5GHz
Wi-Fi 5/IEEE 802.11ac6.9Gbps5GHz
Wi-Fi 4/IEEE 802.11n600Mbps2.4GHz/5GHz

「Wi-Fi 4(正式名称:IEEE 802.11n)」を使用中の方は買い替え時かもしれません。

IPv6 IPoE対応のもの

回線の通信方式には従来の「IPv4 PPPoE」と新しい「IPv6 IPoE」の大きく2つあります。「IPv4 PPPoE」はすでに利用者が飽和状態であることと、帯域(車でいうところの道幅)が広くないことから、遅延が起こりやすい状態です。

一方で、「IPv6 IPoE」は帯域が広く、まだ利用者も少ないことから、今のところ遅延は起こりづらく快適に利用できます。先の二つほど必須ではないですが、可能ならWi-Fiルーターは「IPv6 IPoE」対応のものを選ぶのがいいでしょう。

Wi-Fi中継機の利用も有効

回線、Wi-Fiルーターの速度が十分だとしても、ルーターと端末までの距離が遠いとそもそも電波が届かずに、通信速度が十分に発揮できないことがあります。そうした状況では中継機やメッシュWi-Fiを利用するのも一つの手でしょう。

中継機とはその名の通り、Wi-Fiルーターと端末の間の通信を中継する機器です。一方、メッシュWi-Fiは複数のルーターを使用し、網目(メッシュ)のように機器同士をつなげる通信形態で、距離だけでなく障害の影響も受けづらくできます。

Wi-Fiを見直したいならビッグローブ光!

今回は、快適なWi-Fiルーターの通信速度の目安を知るために、Wi-Fiの基礎知識から目的別速度の目安、ルーターを選ぶポイントまでまとめました。ぜひご紹介した内容を参考に、それぞれの環境に合うWi-Fiルーターを選択してください。

ちなみに、Wi-Fiルーターの買い替えを考えている方は、「ビッグローブ光」がおすすめです。ビッグローブ光では「IPv6 IPoE」と「メッシュ中継機能」に対応したWi-Fiルーターも取り扱っています。このクラスのWi-Fiルーターが2台あれば、今まで電波が届きにくかった場所でも快適につながります。