2021年初頭、アメリカ発の音声SNS「Clubhouse」が日本国内でも話題になりました。
もともとはIT事情に詳しい人たちのあいだで注目を集めていましたが、芸能人を含む著名人にも広まったことでトレンドに。ウェブメディアのみならず新聞やテレビ番組でも取り上げるなど、一躍有名になりました。
最近はその流行も落ち着きつつありますが、Clubhouseの登場によって「音声SNS」全体にも注目が集まっている今日この頃。現在はTwitterの新機能「Spaces(スペース)」がユーザーのあいだで話題になっています。
今まさに実装が進んでいる「スペース」とは、どのような機能なのか。本記事では、その特徴とClubhouseとの違いを説明します。
「Spaces(スペース)」とは?
「Spaces(スペース)」は、リアルタイムで音声による会話ができるTwitterの新機能。Clubhouseが日本国内で話題になる少し前の2020年末、一部のユーザーを対象に機能実装のためのテストを行うことが予告されていました。
2月頃には一部のiOSユーザーが機能を使えるようになり、3月にはAndroidユーザーにも拡大。利用者は順次増やしているらしく、最近はタイムラインでも「使えるようになった!」というツイートを見かける機会が増えているように感じます。
5月現在、この「スペース」を自ら作成できる人はまだ限られているようですが、他のユーザーが作成したスペースに参加する形であれば、iOS/Androidユーザーの多くが利用できるようです。ただしスマホアプリ版に限りますので、ご注意ください。
Clubhouseとは何が違うの?
そんなスペース機能ですが、「音声SNS」として一世を風靡したClubhouseとは何が違うのでしょうか。
① 限定ルームは作れない、適度に「開かれた」空間
まず、スペースではClubhouseのような限定ルームは作れません。作成したスペースはTwitter上に開かれ、作成者のフォロワーであればタイムラインの上で確認できるほか、リンクを共有すればフォロワーでなくても誰でも入ることができます。
スペースの参加者は、以下のいずれかに分類されます。
- ホスト:そのスペースの作成者
- 発言者:スペースで会話に参加している人
- リスナー:会話には参加せず、聞いている人
ホストは「発言者」を許可制にして会話に参加する人をコントロールすることはできますが、入ってくる「リスナー」は制限できません。今後はクローズドルームを設定できるようになる可能性はありますが、現時点では誰でも参加できます。
② リスナーは絵文字でコミュニケーションが取れる
Clubhouseでは発言権のないリスナーは受け身で「聞く」だけしかできませんが、スペースでは「絵文字」を使った簡単なコミュニケーションが可能です。ただし絵文字は5種類しかないため、双方向的なやり取りは難しい印象も。
それでも、絵文字を見て「あ、みんな喜んでくれてる〜!」「会話に参加したい人、いる〜?」といった話をしている場面もたびたび見かけました。絵文字を使うと画面上に動きが生まれるため、活気も感じられるというメリットもありますね。
また、発言者目線でも「絵文字」という形でリアクションが見えるため、安心感につながっているように感じました。「ちゃんと聞いてくれている人がいるんだな」ということが実感しやすいのは、絵文字機能のメリットであるように思います。
③ 招待制ではない
もう一点、「招待制ではない」こともClubhouseとの違いだと言えそうです。
2021年6月現在、Clubhouseは招待されなければ利用することができず、また招待できる数にも限りがあります。
一方でTwitterのスペースは、まだ全ユーザーには開放されていないものの、誰かが作成したスペースに参加することはiOS/Androidに関係なく誰でもできます。クローズドな印象も強いClubhouseに対して、スペースはかなりオープンに見えますね。
とはいえ今後、スペースにも限定ルーム機能が実装されるかもしれませんし、Clubhouseも近い将来に「招待制を廃止する」と発表しています。ですので、この違いはあくまでも現時点でのものであり、今後は解消されることになるでしょう。
気軽にスペースに参加して、新しいつながりを作ってみよう
以上、Twitterの新機能「スペース」について説明しました。
筆者も実際に使っていますが、フォロワー同士で会話するだけの閉じられた空間になるような場面は少ないように思います。
むしろ逆に、スペース内で発言者が増えるにしたがって思わぬコラボレーションが生まれ、会話が盛り上がったり、それをきっかけにフォローし合ったり、なんてことも。
スペースの存在が新たなつながりを生み出しているように感じました。
まだ自分ではスペースを作成できないという人も、スマホからであれば他の人のスペースに参加することはできるはず。ぜひ一度、参加してみてください。