「光回線」と言えば、高速かつ安定した通信性能が魅力のインターネット回線。

現在は一般家庭でも主流のインターネット回線として広く利用されており、多くの通信事業者が光回線サービスを展開しています。

ですが、その通信速度は一律ではありません。とにかく「速い」ことが特徴として挙げられる光回線ですが、その速度はサービスや環境によって異なるのが現状です。

そこで本記事では、光回線の「速度」について解説。インターネット回線の「速さ」に関する基礎の確認から始まり、回線速度が遅くなる原因やその改善策についても説明します。

そもそも、光回線の「速度」ってどういうもの?

インターネット回線の速度は「bps(bits per second)」という単位で表現されます。これは1秒間に送信できるデータ量(情報量)を示す単位であり、数値が大きければ大きいほど高速通信が可能。つまり、短時間でたくさんのデータの送受信ができるわけです。

通信技術の発展に伴って回線速度はどんどん速くなっており、現在は「bps」よりも大きな単位である「Kbps」「Mbps」「Gbps」が主に使用されています。これらの単位はそれぞれ以下のように計算されます。

  • 1Kbps(キロビット毎秒)=1,000bps
  • 1Mbps(メガビット毎秒)=1,000Kbps
  • 1Gbps(ギガビット毎秒)=1,000Mbps
  • 10Gbps(ギガビット毎秒)=10,000Mbps

光回線サービスの多くは「最大10Gbps」を謳っており、この数値が、光回線が出せる最高速度です(中には2Gbpsを謳うサービスもあります)。ただし、10Gbpsはあくまでも「理論上の最高速度」であり、普段の平均速度は数百Mbps程度。詳しくは後述します。

光回線速度の上り・下りとは?

ところで、インターネットの通信速度について説明する際に、「上り」「下り」という言葉が使われることがあります。

データをアップロードする速度のことを「上り速度」と呼びます。これは、自分の端末からデータを送信する際の通信速度を指しています。

「下り」はその逆で、データをダウンロードする速度のこと。データを受信する際の通信速度を「下り速度」と呼びます。SNSを閲覧したり、音楽を聴いたり、動画を視聴したりする際には、この下り速度のほうが重要になってきます。

光回線の平均速度はどのくらい?快適に感じられる速度は?

では、普段の生活でインターネットを利用するにあたって、快適に感じられる回線速度はどのくらいが目安になるのでしょうか。

先ほど説明したように、CMなどで見かける「最大10Gbps」はあくまでも理論値。通常の速度は10Gbpsを下回っている場合が多いです。しかも回線速度はサービスや地域、時間帯や環境によっても変動するため、一概に「このくらいが平均である」とは断言できません。

実際、光回線サービスの比較サイトをいくつか参照してみると「180〜200Mbps」とも「200〜300Mbps」とも言われています。

快適に感じられる速度の目安をチェック!

日常生活におけるインターネット利用に際して、実は「快適」だと感じられる速度はさほど高くはありません。一般的には以下の速度が目安になっています。

  • サイト閲覧やメール:10Mbps以上
  • 動画視聴(HD画質):20Mbps以上
  • 動画視聴(4K画質):50Mbps以上

普通にニュースサイトやSNSを閲覧するだけなら10Mbps程度でも問題なく表示されますし、4K動画の視聴に関しても、50Mbpsも出ていれば読み込みで引っかかることはありません(4K画質の推奨速度について「20Mbps以上」と表記のある動画サイトもあります)。

オンラインゲームなども含めた日常的な用途で、ストレスなくインターネットを利用できる回線速度としては、もう少し余裕を持って「下り80~100Mbps」がひとつの目安になるでしょうか。100Mbpsも出ていたら、十分に「高速」だと言ってしまっていいでしょう。

回線別の一般的な最大速度はどれくらい?

高速通信が特徴の光回線ですが、一方で、光回線以外のインターネット回線はどのくらいの通信速度が出るのでしょうか。個々の通信環境や端末にもよりますが、一般論としては以下のようにまとめられます。

  • ホームルーター:4.2Gbps
  • モバイルWi-Fi:3.5Gbps
  • ADSL:50Mbps

自宅の光回線の速度を調べるには?

ここまで通信速度について説明してきましたが、「うちのインターネットはどのくらいの速度が出るんだろう?」と疑問に思った人もいるかもしれません。

実は、利用している光回線の速度は簡単に調べることができます。そこで使うのが、「スピードテスト」と呼ばれるサイト。ここでは、その代表的なサイトをご紹介します。

方法①「インターネット速度テスト(Google)」

手元のスマホやパソコンで今すぐにでも通信速度を調べたい場合は、「スピードテスト」または「速度テスト」とGoogleに打ち込んで検索してみてください。

すると、検索結果のトップに「インターネット速度テスト」という項目が表示されます。そこで「速度テストを実行」を選ぶと、30秒程度で測定。使用している端末の通信速度が表示されます。

方法②「Fast.com」

スピードテスト」「速度測定」などと検索するとほかにもいくつかのページがヒットしますが、有名なサイトの1つが「Fast.com」です。

アクセスするとすぐに測定が始まり、下り速度の結果が表示されます。さらに「詳細を表示」をクリックすると、上り速度を含む詳細な情報を知ることも可能です。

方法③「USEN GATE 02」

USEN GATE 02」もメジャーなスピードテストサイトの1つです。

「測定開始」を押すと測定が始まり、下り速度・上り速度・Ping値などを表示。その下の「用途別回線スピード判定結果」の見出しを見ると、「動画閲覧」や「ゲーム」といった用途ごとに、その通信速度で快適に利用できるかどうかも判定してくれます。

光回線の速度が遅い!考えられる3つの原因と対策

実際に光回線の速度を調べて、上記のような数値が出ていれば、インターネットを使っていて「遅い」と感じることはそうそうないはず。しかし一方で、通信速度はさまざまな要因によって変動するため、体感的に「遅い」と感じられる場面もあります。

あるいは、そもそも「光回線なのに10Mbps程度の速度しか出ていない」というケースもあるかもしれません。はたまた、普段は快適でもたまに速度が遅くなることがあり、原因を突き止めたいと考えている人もいるのではないかと思います。

光回線であるにもかかわらず速度が遅い(遅くなることがある)場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。ここでは、考えられる主な3つの原因と、それぞれの対策を紹介します。

1. パソコンやスマートフォンなど、デバイス自体に問題がある

まず考えられる原因としては、インターネットに接続しているパソコンやスマートフォンといった、デバイスの問題です。

大前提として、古いデバイスは高速通信に対応していない可能性があります。また、端末自体が比較的新しいものだとしても、メモリやストレージが不足していると回線速度が落ちることがあります。

ほかに考えられる可能性としては、パソコンがウイルスやマルウェアに感染しているケース。目に見えて通信速度が低下したり、端末の動作が遅くなったりしていたら要注意です。

対策:端末の買い替え/ファイル整理/ウイルス駆除

デバイス自体が古い場合は、思い切って新しい端末に買い替えてしまうのがおすすめです。一方、デバイスは比較的新しいものの、メモリやストレージが不足している場合は、不要なファイルやアプリを削除すると改善されるかもしれません。

ウイルスやマルウェアに感染していることがわかったら、早々に駆除してしまいましょう。そのうえでセキュリティソフトを導入し、定期的にスキャンする習慣を持つようにするのがおすすめです。

2. ルーターやモデムなどの周辺機器に問題がある

パソコンやスマートフォン自体ではなく、それらデバイスとインターネット回線をつなぐ周辺機器に問題がある、という可能性もあります。たとえば、以下のようなケースですね。

  • ルーターやモデムの設置場所が適切でない
  • 周辺機器のファームウェアが最新でない
  • LANケーブルや電源コードなどの配線に不具合がある

対策:周辺機器の設置場所や設定を見直す

ルーターやモデムが問題になっていると推測される場合は、設置場所や設定を見直してみてください。具体的な対策については下記記事でまとめており、原因についても個別に解説しています。

ホームルーターはどこに置く?避けるべき場所を解説
家のWi-Fiが遅くなる原因は?対策も合わせて解説!

3. 回線そのものに不具合がある

何の前触れもなくインターネットにつながらなくなった、あるいは普段は快適に使えているのに急に速度が遅くなった場合は、回線そのものに問題がある可能性があります。

通信障害が発生していたり、光回線サービス全体がメンテナンス中だったり、といったケースですね。光回線事業者の公式サイトやSNSなどで情報を発信しているはずですので、インターネットに接続できる端末から確認してみましょう。

また、時間帯によっては、回線が混雑することで一時的に通信速度が低下する場合もあります。

対策:復旧を待つ/時間帯をずらす/別の光回線に乗り換える

通信障害やメンテナンスが原因の場合は、復旧を待つしかありません。

一方で、特定の時間帯にのみ通信速度が遅くなるようでしたら、混雑が原因だと考えられます。利用する時間帯をずらすか、もしも頻繁に混雑するようでしたら、別の光回線サービスに乗り換えてしまうのもひとつの手です。

光回線の速度を改善するには?

ここまでに説明した対策を試してみても速度が改善しない場合は、地域や住宅などの環境要因が原因である可能性があります。

どれだけ「高速通信」を謳っているサービスであっても、ありとあらゆる環境でその真価を発揮できるわけではありません。こればかりは合う合わないがありますので、別の方法を検討しましょう。

改善策1「メッシュWi-Fiを導入する」

自宅の回線速度を改善するための切り口としては、「メッシュWi-Fi」という仕組みを利用する方法があります。

メッシュWi-Fiとは、複数の無線LAN機器が網目状につながり合って、広いエリアをWi-Fiでカバーできるシステム。複数のWi-Fiユニットを屋内に設置し、Wi-Fiの電波を広く行き渡らせることで、通信の安定性を高めることができます。

このメッシュWi-Fiには、以下のような特徴とメリットがあります。

  • 電波の届きにくい場所もカバーできる
  • 自動接続&切り替えで常に安定した通信ができる
  • 設定や管理が簡単で手間がかからない
  • スマート家電と連携できる製品もある

ちなみに、下記記事ではメッシュWi-Fiの詳しい仕組みと、実際に導入してみた感想をまとめていますので、気になる方はあわせてご覧になってみてください。

メッシュWi-FiをPCに有線接続をしてみたら無線時よりどれだけ速まる?
ビッグローブ光のメッシュWi-Fi対応ルーター、特典も!

改善策2「光回線のプランやプロバイダを見直す」

根本的な改善策として挙げられるのが、光回線のプランやプロバイダの見直しです。現在契約しているプランやプロバイダについて以下のような点を確認しつつ、問題が解消されるプランやサービスがないか比較検討してみましょう。

  • IPv6などの高速通信技術に対応しているか
  • 安定性や混雑のしやすさについて口コミで指摘があるか
  • プロバイダのサポートやサービスが充実しているか

別のプロバイダに乗り換える際には、キャッシュバックや工事費無料などのキャンペーンの有無も要チェック。場合によっては、月々の費用を今よりも節約できます。

まとめ

「bps」という単位で表現される通信速度ですが、普段遣いに際しては、50~100Mbpsも出ていれば十分に快適に感じられるはずです。自宅の回線速度はスピードテストのページで簡単に調べることができるので、気になる方は今から上で紹介したサイトなどにアクセスして調べてみてください。

もしそこで通信速度が遅いことがわかったら、デバイス本体や周辺機器、あるいは回線そのものに不具合が発生している可能性があります。その場合、今回ご紹介した改善策を試してみてください。それでも改善されない場合は、光回線の乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。

光回線の速度を上げるなら、IPv6対応のビッグローブ光がおすすめ!

光回線の「速度」にまつわる基礎知識に始まり、通信速度が遅くなる原因と対策などをまとめてきました。複数の切り口から取り上げましたが、根本的な改善策としては、やはり光回線サービスの乗り換えが選択肢に挙がってきます。

現在はさまざまな通信事業者が光回線サービスを提供していますが、乗り換え先のひとつとしておすすめしたいのが、「ビッグローブ光」です。最新の「IPv6」という接続方式に対応しており、工事費が実質無料になるキャンペーンも展開しています。よかったらこの機会にご検討ください。