2024年3月末に提供終了した、日本のADSLサービス。光回線がインターネット利用の主流となっている近年、ADSLの需要は減少しておりすでに新規受付も停止していました。

それが2024年の3月をもって、ついに「完全終了」したのです。

ADSLのサービス終了によって、電話回線はどうなるのか。また、現在もADSLを利用している人は、サービス終了に伴いどのような準備が必要になるのか。

この記事では、ADSLの終了に関する周辺情報と、電話回線の今後の選択肢について解説します。

そもそも「ADSL」って?なぜ終了したの?

ADSLとは、電話回線を利用してインターネットに接続する技術のこと。「Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者線)」の略称です。

日本においては2000年代前半に普及し、国内におけるインターネット利用を後押ししてきました。しかし2000年代後半になると、より高速通信が可能な光回線の需要が拡大しました。

利用者数が減少したことでサービスの廃止が検討されるようになり、2024年3月に「完全終了」となりました。かなり簡略化した説明ではありますが、以上が簡単な流れとなります。

ADSLがサービスを終了する理由としては、主に以下の2つがあげられます。

1. 回線の老朽化

電話回線を利用して通信を行うADSLですが、回線の老朽化の問題が以前から指摘されていました。ADSLで用いる「電話回線」それ自体は、一般のインターネット利用が広がる以前、もう何十年も前から使われ続けていたからです。

そのような状況を鑑みて、NTTも電話回線のデジタル化を発表しました。家庭で利用される固定電話は、インターネット回線を用いたIP網への移行が進みつつあります。アナログ回線であるADSLは、その役目を終えたのです。

2. 技術の進歩

2000年代こそ「高速通信」を謳っていたADSLですが、光回線の普及に伴い、2010年代以降はその立ち位置を光回線に取って代わられていました。ADSLの最大速度は約50Mbpsでしたが、現在主流の光回線は最大約1Gbps。

最近では最大約10Gbpsの通信速度を利用できる光回線も目にするようになりました。技術の進歩に伴い、今となっては文字通り「桁違い」の通信速度が当たり前になってしまっているわけです。

モバイル回線の技術の進歩も目覚ましく、ADSLは時代の流れについていけなくなったのが現状です。

ADSLの終了によって、固定電話の契約はどうなるの?

では、2024年3月31日のADSLのサービス終了によって、固定電話の扱いはどうなったのでしょうか。

若干ややこしく感じるかもしれませんが、ADSLがなくなっても「固定電話」がなくなったわけではありません。あくまでも「ADSLを利用したインターネット回線サービスの終了」であり、電話回線としてADSLを利用していなければ、これまで同様に使い続けることができます。

また、先ほど「NTTが電話回線をデジタル化する」と説明しましたが、これによって新しく工事が必要になるわけではありません。これは一言で説明すると、「NTTが『電話』のシステムをアナログからデジタルに変更する」というもの。

要するに「中身」が変わるだけですので、一般家庭では特に何かをする必要はありません。電話番号も変更なく使うことができます。

ただしADSLを用いてインターネット回線に接続していた人はインターネットが、ADSLを電話回線として使っていた人は電話が、それぞれ使えなくなりました。

そこで新たに光回線を検討するほか、回線事業者を変更しようと思った人も多くいるでしょう。

おすすめは光回線&光電話のセット!

インターネット回線の乗り換え先としては、光回線のほかにもモバイルWi-Fiやホームルーターが、電話回線の乗り換え先としては、光電話とIP電話がありますが、ここでは「光回線と光電話のセット」をおすすめします。

この場合、インターネット回線と電話回線をまとめて契約することになりますので、支払い先を一箇所にまとめられる点もメリットだといえます。

IP電話とは異なり、使っていた電話番号をそのまま引き継ぐことができるのもポイントですね。

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乗り換え先の選択肢の1つとして、検討してみてはいかがでしょうか。