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富士通arrows M03レビュー|使い心地は?

富士通arrows M03レビュー|使い心地は?

富士通が2016年7月に発売した“国産”SIMフリースマートフォン「arrows M03」。

国内メーカーが開発する安心と従来のSIMフリースマホでは珍しい国内向けの機能・仕様が、SIMフリースマホへ機種変更を考える人にとって新たな選択肢となりました。

今回はこの富士通のarrows M03(以下、M03)の特徴や魅力について、実際に使ってみて感じたポイントを押さえつつ、紹介していきます。

同梱品には日本メーカーらしい気遣いが

2017年3月時点においては、約3万円で購入できるM03。キャリアから販売される機種と比べると価格こそ半分以下ですが、同梱物には最低限必要なものが揃っています。

パッケージに入っているもの一式がこちら。M03本体のほか、充電器、充電ケーブル、説明書、予備のSIMカードトレイが含まれています。

海外メーカーのSIMフリースマホと比べて印象的なのが、読み込みにも耐えうるしっかりとしたつくりの説明書。中身もこまかく丁寧で、はじめてのスマホに不安を感じている人でも安心です。

 

また予備のSIMカードトレイが付属することも、国内メーカーならではでしょうね。

M03ではSIMカードをプラスチックのトレイに乗せて差し込みますが、このトレイはかなり小さく、紛失してしまう可能性も十分に考えられるもの。

頻繁に抜き差しするものでないとはいえ、リスクを想定して予備品があらかじめ同梱されていることは、国内メーカーならではの配慮といえますね。

丸みを帯び持ちやすい、金属製の側面

M03に用意されたカラーバリエーションはブラック、ホワイト、ピンクの3色(※一部のMVNOで取扱いされる限定色を除く)。今回紹介するのはホワイトです。

外装の素材はガラスと金属、そして樹脂。本体は四角に近い形状で、ここに5インチと手頃なサイズのディスプレイを搭載します。

背面はガラスの光沢を活かしたシンプルなデザインで、中央に富士通のシンボルマークに含まれるインフィニティマーク(∞)が配置されています。

なお中央上部には、SIMフリースマホとしては珍しいおサイフケータイ機能も搭載しますよ。

四角に近い形状は一見持ちにくそうですが、側面の丸みがこの印象を和らげます。

左右の側面に用いたアルミフレームには「アルマイト処理」といわれる特殊加工を施すことで、高級感を残しつつも、摩耗への耐性も考えられています。

手に取りやすい価格でありつつ、安っぽさは感じさせない。落ち着きもあり、年齢性別を問わず幅広い方に気に入っていただけるデザインに仕上がっていますよ。

性能はやや頼りないが、それ以上に機能が満載

スマートフォンを快適に使う上で欠かせないポイントのひとつといえば、プロセッサやメモリ(RAM)、ストレージ(ROM)といった基礎スペック。M03が搭載するプロセッサはクアッドコア(4コア)モデルで、ここに2GBのメモリ、16GBのストレージを備えます。

 

スマホを性能別に低い方から「ローエンド」「ミドルレンジ」「ハイエンド」と分類するなら、M03が位置するのはローエンド~ミドルレンジのあたり。正直、処理能力は高いとはいえません。

とはいえ、ネットの閲覧やメール、動画視聴、SNS程度であれば、さほどストレスを感じることもなく使えます。

一方でゲームなど、高い処理能力が必要となるアプリを快適に楽しむには、物足りなさを感じますね。「せっかくのスマホだから、ゲームも含めて使い倒したい!」なんて希望がある場合は、M03以外の機種を検討してみるほうがよいかもしれません。

しかしM03には、それに代わる魅力も多く用意されています。

賢い日本語変換

ひとつめは文字入力。

とくにこれまでガラケーでの物理キー(テンキー)操作に慣れ親しんできた場合、操作や文字の入力方法が変わる点は心配ですよね。

M03も文字の入力方法(操作)は他のスマホと大きく代わりませんが、搭載する文字入力ソフトが「Supre ATOK ULTIAS(スーパーエイトックウルティアス)」と呼ばれる、賢い日本語変換を特徴とするものになっています。

日本語変換の精度はかなり高いため、慣れない操作で感じるストレスの要因はひとつ減るはずです。

防塵・防水機能も高レベル

また国内メーカーの富士通だけに、SIMフリースマホであっても、日本国内で人気の機能にも敏感。まず欠かせないものといえば防水ですね。

M03では底面にあるUSB端子にキャップが付いていませんが、この状態でもIP6xの防塵(ぼうじん)、およびIPx5/x8相当の防水性能を誇ります。

防水については、規格上だと「継続的に水没しても内部に浸水しない(IPx8)」となり、かなりしっかりとした設計です。

“浸水しない”と“水中でも使える(操作できる)”が別の話であることには注意が必要ですが、日常生活のレベル+αで見積もっても、水濡れが原因で故障するケースはかなり限られることでしょう。

落としても安心!衝撃などにも強い

また防塵防水に加え、米国防総省が定める軍用品調達規格“ミル規格(Military Standard”)の14項目にも準拠しています。衝撃や振動、湿気といった障害、あるいは高温、低温といった環境で使用しても耐えられる設計ということです。

耐衝撃性を高める工夫のひとつが、ディスプレイ周囲を囲む縁の高さ。よく観察すると、ディスプレイのカバーガラスよりも、周囲の縁のほうがやや高さのある設計になっています。

こうすることで、ディスプレイ面を下にして置いても、画面が接地することはありません。万が一手から落としてしまった場合においても、画面に直接衝撃がかかる可能性は減ります。

スマホなのに!? 付属している色々

またガラケーであれば付いていて当たり前であったストラップホールも装備。

本体の耐久性を高めて“落とした場合”に備えるだけでなく、“落とすことを予防する”工夫も盛り込まれています。

他にも、本体側面(右上)にはワンセグ受信用のアンテナも内蔵。

最近のスマホは、ほとんどがワンセグ視聴時には外付けのアンテナを取り付ける必要アリです。しかしM03の場合は、内蔵アンテナを伸ばすだけで、いつでもテレビが見られますよ。

さらに地味なことですが、音量を下げるボタンを長押しすると、簡単にマナーモードへ切り替えることも可能です。これも多くのスマートフォンには用意されていない機能ですね。

性能・機能面について整理すると、M03は、基本的な性能自体はさほど高くはありません。

一方で、おサイフケータイや防水、ワンセグ、ストラップホールといった国内で人気のある機能は多く備えている多機能な1台といえます。

シーンを選ばず扱いやすいカメラはGood

最後は毎日使う人もいるであろう「カメラ」をチェック。

M03は背面に1,300万画素のメインカメラ、前面に500万画素のサブカメラを搭載します。いずれにも共通するのは、使っているレンズが広角仕様になっていることで、遠くまで後退せずとも、より広い範囲をおさめやすくなっています。

 

ここからはメインカメラについて、実際に撮影した写真を例に見ていきましょう。

こちらは晴れた日中に撮影した1枚。正面上に太陽のある“逆光”に近い状況です。

手前にある信号機はよく見ればランプの色も確認できる、という程度に黒く潰れかかってしまいました。一方、その奥にあるビルと看板、そして後方の空には雲も確認できますね。

自動設定で撮影しても、非常に扱いやすいカメラだと感じました。

 

こちらは日中、やや曇った日に撮影した1枚。

曇天というややイジワルな環境で撮影したため、背景の空は広範囲で白飛びしてしまいました。ただしその1点を除けば、全体的にはほぼ目で見たとおり、非常に忠実に記録できた1枚です。

 

こちらは晴れた日中に撮影した植物。

背中側に太陽がある“順光”の状況で、葉にも日光があたり、ツヤツヤと光っていました。その様子も非常にキレイに描写できましたよ。

またいろいろ撮り試してみる中、特に魅力を感じたのは鮮やかな色の被写体を撮影するケース。

上の写真ではマリーゴールドの橙色をとてもキレイに記録できました。花びらの中央から縁にかけてのグラデーションも見て取れますね。

またここまで接近しての撮影でもピントが合うことも、M03のカメラの特徴といえそうです。

 

次は食べ物。こちらは屋内で撮影したサンドイッチです。

パンでちょうど影ができ、具はやや暗く写りましたが、パンの美味しそうな色味、挟まったじゃがいもの皮のシワなど細かい部分もキレイに写っています。

 

料理をもう1枚。これは窓から光の差し込む、屋内で撮影したものです。

逆光に近い状況になり、ややパスタ自体が暗く写ってしまった印象。それでも“メシマズ”といわれる嫌な青みはなく、撮影時の光の当たり方だけ意識すれば、しっかり撮影できます。

 

カメラの感想をまとめると、撮影シーンを問わず、手軽に扱いやすいバランス型だと感じました。

もちろん価格が倍以上もするハイエンド機と比較すれば性能や機能で劣る点はあるものの、難しい設定をせずとも、気軽に、キレイに撮りやすい仕上りといえますね。

さいごに

ガラスと金属を用いた高級感あるボディに、国内向けとして人気の高い機能をこれでもか、と盛り込んだM03。約3万円という価格を考えても、魅力は十分に感じられる1台でしょう。

同じ価格帯で他社製品に目をやると、機能を絞る代わりに基本性能がより高くなっているモデルも多く存在します。そのため、自分がスマホに求めるポイントは何なのかをしっかり考えてみることがオススメです。

 

もちろんポイントをしっかり整理した上で、おサイフケータイなどの付加機能があることを優先したいのであれば、このM03はコスパに長ける1台としてぜひ候補にしてみてほしい機種になっていますよ。

 

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Contributor

まきはら とよかず

1986年生まれ。仙台在住。スマホなどに関心が強く、趣味で海外製品の個人輸入も。ややマニアなガジェット系ブログ「そうすけブログ.com」も更新中。

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