近頃は2020の数字を目にすることが増え、街で外国人観光客を見かけることも多くなってきましたね。
今までよりもさらに外国人観光客と会話をする機会が増えそうだけど、会話となると躊躇してしまう……そう思っている人は少なくないのでは?
それを裏付けるように、多くの家電量販店には外国語翻訳機のコーナーができて、手にとって試しているお客さんもよく見かけます。3万円前後の機種が人気のようですが、朗報があります。スマートフォンを持っているなら、翻訳機は不要。そんな無料の高性能アプリをご紹介します。
目次
無料でも優秀!VoiceTra(ボイストラ)はこんなアプリ
今回ご紹介するのは“VoiceTra”という翻訳アプリ。自分の国の言葉で音声入力ができ、相手の言葉で音声出力してくれる。そんな、通訳の代わりをしてくれる無料アプリです。
無料といっても広告が現れたり内部課金があったりするのでは?と思われるかもしれませんが、安心してください。このアプリは次にご紹介する国立の研究組織が作ったものなので、広告も課金もありません。
国立の研究機関が開発
VoiceTraを開発したのは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)という、情報通信分野を専門とする我が国唯一の公的な研究機関。このアプリは、NICTが個人の旅行者の使用を想定して作った研究用アプリで、研究目的のサーバーが使われています。
研究のために配布されているアプリなので、翻訳の誤りなどがあったときは、報告をして改善に協力してくださいね。
そんな素性のアプリですが、機能面ではなかなかの高性能。なんと31カ国に対応しており、一般的な海外旅行であれば、まず間違いなく必要な言葉が見つかると思います。
まずは英語で試してみた
使い方は簡単です。
まず、アプリを立ち上げて音声入力を促す表示がされたら、マイクボタンを押して日本語で話します。
ここでは外国人と会話することを想定して「あなたの言語で話してください」と話してみました。話し終わるとほぼ同時に、翻訳された英語が表示されます。
英文の右横のスピーカーのボタンを押すと、流暢な英語がスピーカーから流れます。実際に使うときは、相手に画面を見せながら使えば間違いないでしょう。
相手の言語は「←ここをタップして言語変更」をタップすると選べます。相手が何語を話すのかわからないときはこのボタンを押して、相手に選んでもらうのがよいでしょう。
選択が終わったら「OK」を押します。
次は、相手に話してもらいます。
左下に表示された相手の言語を押すと、オレンジの画面になり、相手の言語で音声入力を促すメッセージが表示されます。マイクボタンが「押して!押して!」という感じで動いていますので、相手に押してもらうとよいでしょう。
相手が自分の言語で話すと、日本語で話したときと同じように、今度は相手の言葉が日本語に翻訳されて表示されます。
ここまでくればひと安心。日本語入力に切り替えて、相手の質問に答えます。
タイ語やベトナム語?ぜんぜん知らない言葉でも大丈夫!
まずは英語で翻訳を試してみました。学校で勉強した英語なので、自分で話した言葉が正しく相手の言葉に翻訳されているかはある程度わかりました。
しかし、相手の話す言葉が見たことも聞いたこともない、まったくちんぷんかんぷんな言葉だったら、どうすればよいのでしょう?
こんな不安を解消してくれるのが「翻訳の意味はこれです」に表示される日本語。
これは、一旦相手の言葉に翻訳されたセンテンスを、アプリがもう一度日本語に翻訳しなおしてくれる機能です。
ここに表示された日本語センテンスの意味が、自分の話したものと違いがなければ、翻訳された相手の国の言語も、あまり違和感なく翻訳されているということがわかりますね。
実践の心構え「なんとしても相手の言葉を知る」
自分が海外旅行に行って使う場合は、このアプリはとてもスムーズに使えると思います。なぜなら、翻訳するべき相手の言葉が分かっているからです。
まず「私はこの国の言葉が話せないので、この機械で翻訳をします」と話して、その翻訳結果を相手に見せて(聞かせて)から、会話をはじめればよいのです。
それとは逆に今回の記事は、日本にやってくる外国人との会話を想像して書いています。この場合、会話をはじめるのはかなり難しくなります。なぜなら、相手の言葉がわからないからです。
そのため、先に書いた使い方の紹介では、最初に「あなたの言語で話してください」という言葉を英語で伝えます。例えば、交差点で困ったような素振りの外国人を見かけたときは、「May I heip you?」と自分の声で話しかけてから、スマートフォンを見せることになるでしょう。この場合も、相手が最低限の英語を理解できることを前提にしています。
では、相手が英語を知らない場合はどうすればよいでしょう?その場合は、人間同士だから心は通じるということを信じて、言語選択画面を先に見せて、ジェスチャーや英語や日本語や可能な限りの表現で、相手に自分の言語を選んでもらうしかないでしょう。
相手の言葉さえわかれば、相手の言葉で書かれた「使い方」を見せることもできます。時間さえ許せば、かなり内容の濃いコミュニケーションもできます。
VoiceTraのホームページにヒントがいっぱい
アプリの操作はわかっても、実際の会話となると“翻訳アプリを使ったおしゃべりの練習”をしておきたいところです。
コツは、日本語では省略しがちな“主語”をきちんと入れることです。「あなたはこの道を真っすぐ歩いてください」「私は地図を調べます。あなたは少し待ってください」といった感じです。
このアプリの詳しい使い方やヒントが、NICTのサポートサイトで公開されています。実際の会話例の動画などもありますので、使用する前に見ておくことをおすすめします。
<参考サイト>
VoiceTraサポートページ – NICT