筆者は北海道の札幌在住です。ここ数年で、北海道にくる外国人旅行客がとても増えました。街中で見かけるのならまだわかりますが、ときには、なぜこんなところにまで? というくらい、地方や住宅地で見かけることもしばしばです。
もはや観光地として不動の人気を誇る北海道ですが、冬にいらっしゃる方のお目当てといえば、やっぱり雪ですよね。
極上のパウダースノーでスキーやスノーボードを楽しむもよし、毎年札幌市で開催される「さっぽろ雪まつり」なんかも大迫力の雪像が人気です。
そんな冬の北海道の魅力である雪なのですが、実際に経験してみないとわからない落とし穴があるのも事実。というのも、多くの旅行者が利用しているあの便利アイテムが、雪国では逆に不便極まりないアイテムに様変わりしてしまうことがあるのです。
目次
積もった雪の上でスーツケースを引くのは地獄
長期旅行の際に多くの方が「スーツケース」を利用すると思います。筆者は毎日札幌駅付近を通るのですが、新千歳空港から来たであろう旅行客の人たちが、このスーツケースを手にしているのをよく目にします。
しかしこのスーツケース、ひとたび雪が降ってしまうと、引っ張るのが地獄に感じるほど雪の抵抗を受けてしまうのです。
スーツケースのホイールは小さく、車高が低い
たいていのスーツケースは、ホイールが小さく、自ずと車高も低い仕様です。ゆえに、雪が降ってしまうとスーツケースの腹部に雪を溜めながら走ることになります。
本当にうっすら降っただけですぐ溶けるような雪であれば問題ありませんが、北海道の冬の雪がそんなに優しいわけがありません。
地面はデコボコ、そして段差のオンパレード
また、冬真っ只中になってくると写真の段差のような光景がしばしば目に入ります。これは雪が踏み固められてできた氷の地面です。
雪かきに熱心なテナントビルは写真の右下のようにコンクリートが露出しますが、そうでないテナントビルが隣り合うことでこのような段差が発生するのです。
さらには、写真左上を閉める氷の地面を見ておわかりの通り、足元はデコボコです。こんな地面、スーツケースがあってもなくても歩くだけでもヒヤヒヤしてしまいます。
スーツケース以外の選択肢とは?
基本的にスーツケースをやめる以外ありません。
おすすめは「バックパック」です。最近は、ホイールがついたバックパックなんかもよく見かけます。悪路のときのみ背中に背負い、平らな地面のときはホイールに頼ってひっぱることができる1台2役のものです。
バックパックの利点は両手がフリーになる、だけじゃない
バックパックには良い点が2つあります。
1つめは、両手がフリーになること。不慣れな雪道では転ぶ可能性が高く、両手が空くことで万一転んだときに手をつきやすくなります。
特に、旅先ではホテルを探したり、交通手段を調べたりするのに、スマホを触ると思います。そのためにも、両手が空いていたほうが何かと操作しやすいですよね。
そして2つめ、これはバックパック派の人にはすでにあるあるだと思いますが、実は背中が寒くないのです。
バックパックを背負うことで背中が外気に触れないため、何も背負っていないときよりも幾分温かく過ごすことができます。
どうしようもなければ「タクシー」を上手に使おう
バックパックなんて持っていないという方はタクシーに頼りましょう。札幌は地下の通路が充実していますが、それでも外に出ることなく宿泊先に直結でアクセスできるホテルは相当限られます。
大雪だったり、スーツケースが進まないポイントがあるのならば、潔くタクシーに頼ってしまうのが手だと思います。
北海道旅行での本当の意味でのマストアイテムは?
最後に、そんな旅行者のみなさんを毎日目撃する筆者が、冬の北海道旅行での本当に必要なアイテムを3つご紹介します。
1.スマホ対応手袋
気温が氷点下になることも普通です。そんな中でスマホを5分と触っていればみるみるうちに手が凍えてしまいます。スマホの操作に対応した手袋は、冬の北海道では必需品となるでしょう。
2.モバイルバッテリー
極寒の地ではスマホが「寒さ落ち」する可能性があります。実際に冬の北海道でiPhoneを利用しすると、わずか14分で電源が落ちてしまった実録レポートもありますので、ぜひ参考にしてください。
たとえ寒い国への旅行でなくても、モバイルバッテリーはあると便利です。
3.カイロ(複数個所に貼る)
着込んでいても外に長時間いれば寒くなってきます。特に旅行者の場合は、外へ出歩く時間が多いと思いますので、簡単に暖をとれるカイロは必須アイテム。つま先や腰など、いろんな箇所に複数貼るのがおすすめです。
雪景色、と聞くと真っ白で幻想的な世界が頭に浮かびますが、実際に生活したり現地で過ごすと現実はそう生易しいものではありません。
でも、事前に対策をしておくことで、楽しく快適に過ごすことだってできます。こうしてくればよかった! と現地に来てから後悔しないよう、事前の対策はしっかりしてから旅行へ出かけてくださいね。