落雷や台風、あるいは電力不足などによって引き起こされることもある、停電。
特に夏場に停電を体験したことのある人は少なくないでしょうし、何らかの対策を講じているご家庭も多いのではないでしょうか。そこで浮かび上がってくるのが、「インターネットって、停電中も使えるの?」という疑問です。
現代社会においては、生活に欠かせないインフラとなっているインターネット。今回は特に「停電時に光回線は使えるのかどうか」という疑問を取り上げつつ、停電時に光回線でインターネットに接続する方法を解説していきます。
目次
停電時に光回線は使える?使えない?
結論から言うと、多くの場合、停電時は光回線が使えなくなります。
そもそも光回線は、光ファイバーケーブルを通じて光信号を送受信する通信方式です。その光信号を電気信号に変換し、パソコンやスマートフォンなどの端末に届けるためには、ルーターやONUといった専用機器が欠かせません。
これらの電子機器は、電力がなければ動作しません。そのため、停電によってルーターやONUが停止してしまうと、光回線を使った通信もできない、というわけです。
補足:光回線と接続してくれる装置「ルーター」「ONU」とは
「ルーター」は聞き覚えがある人も多いのではないでしょうか。
パソコンやスマートフォンといった複数の端末をインターネットに接続し、データのやり取りをコントロールする装置のことです。自宅でスマホを使うときは、Wi-Fiルーターと無線接続してインターネットを利用している人も多いのではないでしょうか。
一方の「ONU」は、普段はあまり見聞きすることのない単語かもしれません。
ONUは「光ネットワーク終端装置(Optical Network Unit)」の略で、光信号を電気信号に変換するだけでなく、光回線と加入者の宅内ネットワークを接続する役割も担っています。インターネット通信に使われる機器の構造を簡単にまとめると、「光ファイバー ⇔ ONU ⇔ ルーター ⇔ パソコンやスマートフォン」というイメージになりますね。
つまり、ONUとルーターがデータの橋渡しをしてくれているからこそ、私たちはパソコンやスマートフォンでインターネットに接続できているわけですね。ですので、停電によってこれらの機器が停止するとその仲介ができなくなるため、光信号を使ったインターネットや光電話も使えなくなってしまいます。
停電時でも光回線に接続する方法はある?
ここで注意したいのが、「停電時に使えなくなるのは、あくまでもルーターやONUといった電子機器である」ということ。物理的なケーブルである光回線自体は停電時も機能しているので、ルーターや端末が動きさえすればインターネットに接続することができます。
まとめると、「停電時にはONUやルーターといった電子機器が使えなくなるが、電力を供給する手段があれば、光回線を使ってインターネットに接続できる」というわけですね。
停電時はポータブル電源を使ってインターネットに接続しよう!
家庭でも用意できる非常用の電力供給手段といえば、まず思い浮かぶのが、ポータブル電源です。
大容量のバッテリーを搭載しているポータブル電源なら、さまざまな機器に電力を供給することが可能。家電や電子機器と接続し、停電時でもバッテリーの充電が尽きるまでは継続して給電できます。
このポータブル電源にルーターやONUを繋げれば、停電中でもインターネットを利用することが可能です。
バッテリー容量はどのくらいあればいい?ポータブル電源を選ぶ際の注意点
では、停電時の備えとしてポータブル電源を購入する場合、どのような点に注意して選べばいいのでしょうか。
注意点 1. 容量
白物家電やほかの電子機器と比べると、ルーターやONUは少ない消費電力で動作します。そのため、バッテリー容量の小さなポータブル電源でも問題なく使えるはずですが、長時間接続することを考えると、ある程度の容量が必要になるでしょう。定格出力については小さいものでも問題ありません。
簡単な試算として、消費電力はおおよそONUが10W以下、ルーターは製品にもよりますが20W〜45W程度が目安です。それぞれを5時間使用する場合、150Wh〜275Wh。10時間であれば300Wh〜550Wh程度と、光回線接続のためだけに使用する計算になります。
そこに、ほかの電子機器も接続することを考えると、それなりに容量の大きな製品を選びたいところ。ポータブル電源は容量が250Wh程度のものから、2,000Whを超えるものまでさまざまです。「停電時の非常用電源」としてインターネットに限らない使い方をするのであれば、接続する家電や連続使用時間を考慮しつつ、適切な容量のポータブル電源を選ぶようにしましょう。
注意点 2. 出力ポート
ポータブル電源に接続する出力ポートの種類と数も要チェック。
ACコンセントが複数あればほかの家電も接続できますし、USBが多ければスマートフォンの充電にも使えます。ルーターとONUに合った出力ポートが搭載されているか、ほかの電子機器を接続できる余裕があるか、といった点を確認しましょう。
注意点 3. 寿命
ポータブル電源が長く使えるかどうかも、選ぶ際の基準となります。フル充電して何回使えるかを「サイクル数」と呼び、この回数が多ければ多いほどバッテリーの寿命が長いので、購入する際は確認するようにしましょう。
ただし、あくまでも非常用として購入するのであれば、サイクル数はそこまでこだわらなくてもいいかもしれません。逆に、キャンプやイベントなど別の機会でも使う可能性があるようでしたら、サイクル数もチェックしつつ選ぶことをおすすめします。
適切な知識を身につけて、いざという時に備えよう
なんとなくインターネットには「電気で動くもの(接続するもの)」というイメージもあるため、「停電時でも光回線自体は機能している」と聞いて意外に感じた人もいるかもしれません。
実際のところは、停電すればONUやルーターが使えなくなるため、給電する手段がなければインターネットは使えません。逆に言えば「電力さえあれば光回線は使える」ということですので、自宅にポータブル電源がある場合は覚えておくようにしましょう。
今回は「自宅での停電」のケースを取り上げましたが、ポータブル電源は停電以外の災害時の備えにもなります。非常食や防災バッグの話題はしばしば見聞きしますが、非常時の電力問題についてはあまり考えたことがなかった方も多いかもしれません。必須というわけではありませんが、この機会に購入を検討してみてはいかがでしょうか。
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*1 IPv6に対応していないサービス/サイトはIPv4接続となります。
*2 最大通信速度は光回線タイプによって異なります。最大通信速度はお客さまのご利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。