2021年夏に発売されて人気を集めたソニーの「Xperia 10 III」。そのSIMフリーモデル「Xperia 10 III Lite」がBIGLOBEモバイルで発売となりました。
価格は44,880円(税込)。”格安スマホ”を名乗るには少しお高いと思う人もいるかもしれません。実際の機能面や使い勝手を、スペック表や実機を使いながら検証します。
目次
【デザイン】持ちやすさとディスプレイに注目
「Xperia 10 III Lite」は重さが約169g、サイズは約6.0インチ。巨大化が進む最近のスマホの中では比較的コンパクトで、持ちやすいのが特徴です。
カラー展開は「ブラック」と「ホワイト」。今回のレビューでは「ブラック」を使用しました。漆黒のブラックではなく、グレーがかった光沢のあるブラックです。
高さは約154mm、幅は約68mm、厚さは約8.3mmと細長いデザイン。幅が広くないので片手で操作がしやすい一方、横置きして動画を見る際には「超巨大スマホ」には迫力という点で一歩劣るかもしれません。
しかし、本機の大きなアドバンテージは有機ELディスプレイを搭載している点にあります。
有機ELを使用したスマホは最近では珍しくもありませんが、そこは世界のソニーです。
ブラビア®で培った映像技術、HDR対応による高コントラストなど、ソニーの高い技術ノウハウを詰め込んで作られた「Xperia 10 III Lite」は他機種とは一味違った鮮やかな色彩表現を実現。映画や動画アートなどでも美しい世界観を余すところなく表現します。
実際に動画視聴やWeb上の写真を見てみました。普段使っているスマホと比べても発色が良く、鮮やかに出ているのがわかるかと思います。
▲左がXperia 10 III Lite、右は筆者の私有スマホ。どちらもディスプレイの明るさは最大に設定。
また細長いスマホは画面の左右に黒枠が入るのが気に入らないという人が多いと思いますが、本機はそれがないため*没入感という点でもメリットがあります。(*アスペクト比21:9の映像作品の場合)
さらにXperiaシリーズのノッチやパンチホールのないデザインは本機にも踏襲されており、視界を遮るものがないのもかなり魅力です。
▲ノッチがある端末だと、この部分が地味に気になるんですよね…
生体認証は指紋に対応で顔認証は非対応。電源ボタン一体型で精度・スピード共に非常にスムーズでまったく問題ありません。
指紋登録は5つまで追加でき、同じ指で複数登録すれば認証の精度がさらにあがります。
▲指紋認証兼電源ボタンは真ん中
【スペック】バッテリー持ちとオーディオに強い
「Xperia 10 III Lite」のスペックを表にしました。
OS | Android™ 11 |
サイズ | 高さ約154mm x 幅約68mm x 厚さ約8.3mm |
重さ | 約169g |
ディスプレイ | 約6.0インチ ,有機EL トリルミナス®ディスプレイ for mobile |
解像度 | 2,520×1,080ドット (フルHD+) |
プロセッサ | Qualcomm® Snapdragon™ 690 5G Mobile Platform オクタコア(2GHz+1.7GHz) |
メインメモリ | 6GB |
ストレージ | 64GB |
バッテリー容量 | 4,500mAh |
カメラ |
アウトカメラ:約1,200万画素+約800万画素+約800万画素 インカメラ:約800万画素 |
本体カラー | ブラック、ホワイト |
BIGLOBEモバイル価格 | 44,880円(税込) |
メイン機にふさわしい、長く使える安定モデル
先で紹介した通り重さ約169gと持ちやすく、サイズ的にもコンパクトなモデルですが4,500mAhのバッテリーを搭載しています。
さらにバッテリーの負荷を軽減する「いたわり充電」や「充電最適化技術」を採用し、バッテリーの劣化を最小限に抑えています。
筆者も5年ほど前にXperiaシリーズの端末を使用していましたが、他のAndroid端末と比較して(個人の体感で統計をとったわけではありませんが)バッテリーの持ちがいい・劣化スピードが遅く3年以上メイン機として使用していたことがありました。
経済的な理由などで、長く同じスマホを使い続けたい人にはXperiaシリーズはおすすめですよ!
オーディオもソニーの技術を集約
オーディオ機能にもソニーの技術がしっかり生かされています。
CDを超える高音質のハイレゾに対応し、まるでその場にいるかのように楽器の演奏やボーカルの音声を繊細に、かつ臨場感ありありで表現してくれます。
さらにソニー独自の「DSEE Ultimate」にも注目。この機能をオンにすることで、音楽配信サービスのストリーミングやYouTubeのサウンドなどの圧縮音源をAIがハイレゾ相当の高音質にアップスケーリングしてくれます。
▲「設定」から変更可能。ハイレゾ対応のヘッドホン(別売り)が必要です。
eSIM/防塵防水/おサイフケータイ対応
さらに最高クラスにあたるIPX8/IP6X等級の防水性能にIP6X等級の防塵性能、おサイフケータイ、eSIMなどの機能もしっかりカバーしているのが本機の嬉しいポイントです。
本体のストレージが64GBとちょっと心許ない気もしますが、microSD追加で対応できます。
【カメラ】超広角+望遠搭載のトリプルカメラ
カメラ機能はトリプル構成+インカメラ。
アウトカメラは約1,200万画素の広角カメラ(27mm)、約800万画素の超広角カメラ(16mm)、約800万画素の望遠カメラ(54mm)。倍率はカメラアプリから直接変更できます。
▲上から超広角レンズ、広角レンズ、望遠レンズ。カメラの上にはLEDライト、右手にはFeliCa
プレミアムおまかせオートをオンにすればシーンを自動判別してくれます。
実際に撮影したものを見比べてみましょう。サイズは記事掲載用にリサイズ済みです。
超広角カメラで撮影
広角カメラで撮影
望遠カメラで撮影
プレミアムおまかせモード「マクロ」で撮影
カメラ性能は、個性が光るというものではありませんが過不足なく十分な出来です。
特に広角カメラはホワイトバランスが良いですね。
広角カメラには若干画質の面で劣るものの超広角と望遠の両方を備えており、操作性がシンプルで扱いやすいのも美点です。さまざまなシチュエーションで活躍してくれそうですね。
動画撮影は4K/60p対応です。
動画については解像度が粗く、ノイズも出やすい印象でした。
撮影日は小雨のぱらつく曇りで、日中でも暗かったのが要因かもしれません。夜景・暗所での撮影はさほど強くないと考えていいでしょう。
Xperia 10 III Liteのメリットとデメリットまとめ
実機を使ってレビューしてきましたが、最後に「Xperia 10 III Lite」のメリットとデメリットを箇条書きにしてまとめてみましょう。
メリット
- ソニーのディスプレイ・オーディオ技術を遺憾なく発揮
- 片手で操作できるサイズ感
- 防水・防塵、おサイフケータイ機能など搭載
- バッテリー持ちがよく長く使える
- 超広角と望遠を搭載したカメラ機能
- eSIMに対応
デメリット
- ストレージが64GBと少なめ
- 高速駆動ディスプレイ非対応
- スピーカーはモノラル
- 暗所撮影に不向き
競合モデルに搭載されている高速駆動ディスプレイの対応がなかったり、ストレージ容量が少なめだったりとデメリットがゼロではないものの、多くの人にとって使いやすく便利な端末であることは確実。
長く使えることも鑑みると、44,880円という金額はかなりコスパがいいのではと感じます。
機種変更で迷っている方、候補の一つとしておすすめできる一台です。