Wi-Fiルーターの「ルーターモード」「ブリッジモード」「中継モード」って何?
けいろー
インターネットに接続するために必要な、Wi-Fiルーター。初期設定を終えたあとはほとんど操作することもなく、常に起動した状態で放置している人も多いかもしれません。
普段は何ができるのかあまり意識することのない存在ですが、実はルーターには複数の「モード」があることはご存知でしょうか。本記事では、ルーターの「ルーターモード」「ブリッジモード」「中継モード」について解説します。
そもそも「ルーター」って何?
Wi-Fiルーターは、インターネットに接続するために必要な機器の一種です。
異なるネットワーク同士を繋ぎ合わせたり、データを送受信する際に最適な経路を選択してくれたり、IPアドレスによって端末同士が適切に通信できるようにしたり、ファイアウォールでネットワークを保護したり。実はさまざまな役割を担っている働き者です。
初期設定さえしてしまえば自動でこのような役割を果たしてくれるため、普段はほとんどさわる機会がない人も多いのではないでしょうか。ですが、ルーターには実は複数の「モード」があり、それぞれに別の機能を担うことができるのです。
ここではその代表的なモードとして、「ルーターモード」「ブリッジモード」「中継モード」について紹介します。
ルーターモード(RTモード)とは
ルーターモードは、Wi-Fiルーターの最もスタンダードなモードです。
その名の通り「ルーター」としての基本的な役割を果たしてくれるモードであり、自宅内の端末とインターネット回線を仲介してくれます。特に設定をいじっていなければ、おそらく、あなたの家のルーターもこのモードが有効になっているのではないでしょうか。
ルーターがなければ、普通は1つの端末からしかインターネットに接続できません。ルーターをONUやモデムと接続することによって、複数のデバイスから同時にインターネットを利用でき、また、Wi-Fiによる無線通信も可能になっているわけです。
ブリッジモード(APモード)とは
ブリッジモードは、ルーター機能を無効にして使うモード。「アクセスポイントモード(APモード)」と呼ばれることもあります。
「端末とインターネットを仲介するためのルーターなのに、その『ルーター』としての機能をOFFにするって、どういうこと?」と疑問に感じた人もいるのではないでしょうか。もちろん、ブリッジモードのルーターは何もしていないわけではありません。
ブリッジモードは、無線通信を中継する「アクセスポイント」としてルーターを機能させるためのモードです。詳しくは後述しますが、ルーター機能を持ったONUを使っている場合は、このモードにしたほうが安定したネットワーク環境を構築できる可能性があります。
中継機モード(WBモード)とは
中継機モードは、Wi-Fiルーターを中継機として使うためのモード。「ワイヤレスブリッジモード(WBモード)」と呼ばれることもあります。
ブリッジモードと似ているようにも見えますが、このモードは、別のルーター(親機)から受け取った電波を、文字通り「中継」するための子機で使用します。
ルーターと端末のあいだにもう1台、このモードのルーターを設置することで、電波の届く範囲を広げるようなイメージですね。たとえば、1階のリビングから2階の個室まで電波が届きにくいときに、その中間に中継機モードのルーターを設置する、といった用途が考えられます。
ブリッジモードについて
ここからは、紹介した3つのモードの中では特殊に見える、「ブリッジモード」について詳しく見ていきましょう。ルーター機能を無効にし、Wi-Fiルーターを単なる通信機器として使うモードですが、どのような時に使うのでしょうか。
ブリッジモードが活用できるのはどんな場面?
説明を聞いたかぎりでは、使い所がわからなくても不思議ではないブリッジモード。このモードを活用できる場面としては、以下のようなケースが考えられます。
- 上位に設置されているONUなどの機器にルーター機能がある場合
- 電波の届く範囲を広げたい場合
まず挙げられるのが、ルーターよりも上位に設置されているONUや、プロバイダから提供された機器にルーター機能が搭載されているケースです。
ONU(光回線終端装置)とは、光ファイバーを通じて送られてくる光信号をデジタル信号に変換してくれる装置のこと。簡単に言えば「データ変換機」の一種ですが、光信号/デジタル信号を変換するだけでなく、ルーターの機能を持っているONUがあるのです。
では、ルーター機能を持っているONUと、Wi-Fiルーターを接続すると、どうなるか。
インターネットには問題なく接続できますが、2つの機器が同時にルーターとして稼働している状態になります。すると、二重にルーターが動作することで電波干渉が発生したり、ネットワークが複雑になったり、ファイアウォールなどの設定も二重に行う必要が出てきたりして、本来の通信速度を発揮できなくなる可能性があるわけです。
そこで便利なのが、ブリッジモード。
ルーターとしての役割は上位の機器(ONUなど)に譲りつつ、自身は電波の「橋渡し」役として徹してもらうようなイメージですね。これによってネットワークがシンプルになり、ファイアウォールやポート開放などの設定も一元化できます。
ブリッジモードを使う際の注意点は?
このような活用シーンが考えられるブリッジモードですが、有効化する際には以下の点に注意してください。
- 上位に設置されている機器にルーター機能があることを確認する
- 上位に設置されている機器のファイアウォールやポート開放などの設定を行う
そもそも、上位に設定されているONUなどの機器にルーター機能がなければ、あえてブリッジモードを使う理由はありません。
ONUにルーター機能が搭載されているか、あるいは上位にある別の機器がルーターとして稼働しているかどうかを確認してから、ブリッジモードをONにしましょう。そのうえで、ファイアウォールやポート開放の設定は、ルーターとして動作している機器で行います。
ブリッジモードの設定方法
ブリッジモードの設定方法は、Wi-Fiルーターの機種によって異なります。一般的な設定方法は以下のような手順で行われますが、詳しくはそのルーターのマニュアルやサポートサイトをご覧ください。
- Wi-Fiルーターの電源を切る
- Wi-Fiルーターのモード切り替えスイッチをブリッジモードにする
- Wi-Fiルーターの電源を入れる
- Wi-Fiルーターの管理画面からSSIDやパスワードなどの無線設定を行う
この機会にルーターのモードを見直してみよう
以上、Wi-Fiルーターの3つのモードについて説明してきました。
普段はあまり意識しない機器ではありますが、ルーターの適切な使い方を知ることで通信の安定性を高められる可能性があります。
特に複数のルーターを使っている環境では、ブリッジモードが有効活用できる場面もあるかもしれません。この機会に、通信環境とあわせて、ルーターのモードを見直してみてはいかがでしょうか。
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