今後、小・中学生でもスマホを持つことが当たり前になると予想されるなかで、子どもたちにどのような影響があるのか。
特に学習面は気になるところです。保護者として子どもにスマホを持たせていいものか、ぜひこの機会に一緒に考えてみましょう。
目次
小学校でもスマホ持ち込み解禁に!?
まずは実際にどれくらいの割合の子どもがスマホを保有しているのか。そして、現状に対して政府はどのような見解で、対策を検討しているのか確認していきましょう。
小学生の約4割がモバイル端末を保有
2019年3月、「モバイル社会研究所」は関東1都6県在住の小・中学生を対象にした、モバイル端末(ケータイとスマホを含む)の所有率の調査結果を発表しました。
小1〜2…21%(3%)
小3〜4…40%(14%)
小5〜6…45%(18%)
中1〜3…65%(63%)
※()はスマホの所有率。
小学生のスマホ所有率は1から2割程度とまだ少ないものの、モバイル端末全体ではおよそ4割。それが、中学生になるころにはスマホだけで6割を超えます。
文科省がスマホ持ち込みを再検討
すでに多くの小・中学生がケータイとスマホを含めたモバイル端末を所有しているわけですが、この現状に対して政府はどのような見解を示しているのでしょうか。
文部科学省ではこれまで小・中学校へのモバイル端末の持ち込みは「原則禁止」としていたものの、2019年2月にはこの見解を再検討することを発表しました。
これはスマホが小・中学生の間で当たり前となりつつあること。
そして、教育現場でもモバイル端末の活用が検討され始めたことがひとつの要因と考えられます。
教育面から考えるメリット・デメリット
政府でさえ小・中学校へのスマホの持ち込みに寛容になりつつあるわけですが、それでも保護者としては子どもに持たせても大丈夫なのかは悩みどころです。
では、スマホを子どもに持たせるとどのような影響があるのか。世間ではさまざまな影響が議論されているので、ここでは教育面に絞って考察してみましょう。
学習のスピード感が加速
これまで学習で分からないことがあれば教科書を振り返ったり、辞書を引いたり。それでも分からないときには親や兄弟、先生に聞いたりするのが当たり前でした。
それが、今ではスマホで簡単に検索したり、質問したりできる。YouTubeなどには単元ごとの解説動画も流れていますし、各教科に対応した勉強アプリもリリースされています。
以前と比べて学習の選択肢は広がり、スピード感は加速しているわけです。
自分で考えるチカラの低下
スマホを活用することで、分からないことを気軽に、そして素早く調べられるのは教育面の大きなメリットと言えるでしょう。
しかし、同時にデメリットでもあります。
というのも、自分で考えなくても答えに簡単に辿り着けるということは、少し考えれば分かるはずの問題でさえ考えることを放棄してしまう可能性があるわけです。
また、スマホではさまざまなサイトやゲーム、動画などの誘惑があります。もし小・中学校への持ち込みが可能となったとして、授業中に触ってしまう生徒が出ないとも限りません。
しかし、これらデメリットは、子どもにスマホをわたす段階でルールを決めたり、機種に利用制限をかけたりすることで、ある程度は回避できるはずです。
家庭ごとに上手な活用法を見つけよう
スマホは上手に活用できれば生活面でも、学習面でもメリットが大きいのは確か。
今後は小・中学生も当たり前のように所有する時代になっていくでしょう。
しかし、スマホをもつことで子どもには良くも悪くもさまざまな影響があります。
子どもにスマホを与えるのなら、保護者としてそれら影響を把握することは重要です。
我が子にどのように与え、使用させるのがいいのか。子どものスマホ所有が当たり前になり、小・中学校への持ち込みが全面的に許可される前に、家族で一度ぜひ考えてみてください。