新しいiPhoneのAI機能「AppleIntelligence」が2025年4月から日本でも使えるようになります。写真を探したり、メールの返信を考えたり、Siriと会話したり、毎日のちょっとした困りごとを解決してくれる便利な機能です。
どんなことができるのか、具体的に見ていきましょう。
目次
Apple Intelligenceで何ができる?
写真探しが新しくなる
「たくさんある写真から探したい1枚を見つけるのって、けっこう面倒……」
AppleIntelligenceなら、普段の言葉で写真を探せるようになります。「公園で犬と遊んでる写真を見せて」と言うだけで、該当する写真を見つけ出してくれます。ビデオの中の一場面も探せるので、「運動会で徒競走をしているシーン」といった指定もOK。面倒な整理をしなくても、思い出の1枚がすぐに見つかります。
▲写真アプリのメモリー機能では、言葉の説明から写真を探してきて、即席でアルバムや映像を作成できます
メール管理がスマートに
「大事なメールを見逃したくないけど、たくさん届くからチェックできない……」
ランチの誘いや搭乗券など、すぐに確認が必要なメールは受信トレイの一番上に自動で表示されます。長いメールのやり取りも、内容を要約して表示してくれるので、急いでいるときも重要なポイントをパッと確認できます。
返信するときは、メールの内容に合わせた返信候補が表示されます。質問への回答漏れがないかもチェックしてくれるので、慌ただしい朝でもメール対応がスムーズです。
▲メールアプリでは内容が要約し、優先的にチェックしたいメールが上に表示されます
もっと賢くなるSiri
「Siriって、ちょっと融通が利かないなって思っていました」
便利な音声アシスタントですが、そんな声を聞くことも少なくありません。
でも、AppleIntelligence以降のSiriは違います。たとえば「Hey Siri、えっと、ママのフライトって何時に着くんだっけ?」と聞くと、メールやメッセージからフライト情報を探し出して、リアルタイムの到着時刻を教えてくれます。言葉につまっても、「えっと」や「〜だっけ」という話し言葉があっても、ちゃんと理解してくれるんです。
画面の情報も理解できるようになります。友だちから新しい住所のメッセージが届いたら、「この住所を連絡先に追加して」と言うだけでOK。電車の中など、声を出しにくい場所では文字で入力することもできます。
▲Siriはスマホの操作についての質問に答えられるようになり、声の命令でスマホを操作できるようになります
AIツールとの連携
AppleIntelligenceは、ChatGPTをはじめとする外部のAIツールと連携して、さらに便利な機能を提供します。
まず第1段階として、3つの場面でChatGPTが利用できるようになります。Siriに複雑な質問をすると、ChatGPTの知識を活用してより詳しい回答が得られます。たとえば旅行プランやレシピについて相談することも。文章を書くときは、「作文ツール」でChatGPTに文章を考えてもらったり、文章に合った画像を作ってもらうことができます。カメラを使うときは、撮影した物について詳しい情報を教えてくれます。庭に合う植物を探すときなども便利そうです。
プライバシーも考慮されています。ChatGPTを使う前には必ずユーザーに確認を取り、IPアドレスは匿名化されます。ChatGPTのアカウントを持っている人は連携することもできますが、アカウントがなくても無料で使えます。
その後、商品を探すためのGoogle検索や、特定の分野に特化した専門AIツールとの連携も予定されています。外部ツールの使用はすべてユーザー自身が管理でき、いつ使うか、どの情報を共有するかは、あなたが決めることができます。
まだまだある、AppleIntelligenceでできるようになること
主要な機能を紹介してきましたが、その他にもこんな機能があります。
- 大切な通知を見逃さない:グループチャットが活発な時など、複数の通知をまとめて要約表示
- 通話内容を文字で確認:通話を録音して文字に起こし、重要なポイントを自動で要約
- 思い出ムービーを簡単作成:「海でのバカンス」など説明を入力するだけで、AIが最適な写真を選んでムービーに
- 写真の見た目を改善:撮影時の雰囲気を保ちながら、写真から不要な要素を削除できる「クリーンアップ」機能
- オリジナル絵文字を作成:「サーフボードに乗っている犬」など、説明するだけでユニークな絵文字が作れる「ジェン文字」機能
- 画像で遊べる新アプリ:「Image Playground」で想像的な画像を簡単に作成
なぜ2025年4月まで待つの?
実は、iPhoneの言語設定を英語(米国)にすれば2024年10月末から使えたのですが、日本語での提供開始までにはもう少し時間が必要なんです。
なぜ半年も時間がかかるのでしょうか。それは、各国の言語に合わせて丁寧に調整する必要があるからです。特に日本語は英語とは文法も表現も大きく異なります。例えば「ちょっと」「なんか」「〜かな」といった、日本語特有のニュアンスをSiriがきちんと理解できるように、しっかりとテストする時間が必要なんです。
つまり、現時点では日本語非対応ですが、対応機種であればiPhoneを英語設定にすることで、今すぐAppleIntelligenceを使うことができます。
▲2024年11月現在Apple Intelligenceは日本語非対応ですが、英語設定にするとすぐに使うことができます
iPhoneの買い替えを考えている方へ
ここまでAppleIntelligenceについて説明してきましたが、ここで重要なお知らせです。実は、iPhoneの中でもAppleIntelligenceが使えるのは限られた機種だけです。具体的には以下の機種が対象です。
- iPhone 16シリーズ
- iPhone 15 Pro
- iPhone 15 Pro Max
次の買い替えのタイミングで「iPhone 14や15を安く買おうと思っていたけど、大丈夫かな?」と心配される方もいるでしょう。残念ながら、AppleIntelligenceが使いたいということであれば、それはNGです。ソフトウェアのアップデートでは対応できません。AppleIntelligenceには、最新のチップが持つ高い処理能力が必要なためです。
対応機種の中でも特におすすめなのが、2024年秋に発売された「iPhone 16」です。最新のA18チップを搭載し、カメラコントロールボタンも備えているため、AppleIntelligenceの機能を最大限に活用できます。例えば、カメラで撮影した物について、その場でAIに質問したり、商品を検索したりといった新しい使い方が可能になります。
▲今からApple Inteligence に備えるなら「カメラコントロールボタン」を搭載したiPhone 16シリーズがおすすめです
また、iPad(A17 ProまたはM1以降搭載)やMac(M1以降搭載)でも利用できますが、こちらも同じく最新のチップを搭載した機種が必要です。
iPhone買い替えのタイミングを考えている方は、この点もぜひ検討材料に入れてください。2025年4月の提供開始に向けて、今からじっくり計画を立てられるはずです。