カメラが二つ並んでいるスマートフォンを見たことはありませんか?今、「デュアルカメラ」(デュアルレンズ、ダブルレンズカメラとも呼ばれます)のスマートフォンが増えてきています。
「カメラが二つあると性能が良さそうに見えるけど……なにがいいの?」とお思いの方もいるでしょう。実は、一口にデュアルカメラといっても、その使い方にはいくつかのバリエーションがあります。
目次
そもそもなぜ「デュアルカメラ」が増えてるの?
ここ数年、ものすごい勢いで性能が向上してきたスマホのカメラ。撮影するシーンによっては、一眼レフカメラに劣らないような写真が撮れる機種も登場しています。
しかし、スマホのカメラにも限界があります。多くの機能が詰まったスマホの中で、カメラにあたる部分は指先ほどの大きさのパーツしかありません。
大きなレンズを使える一眼レフカメラなどと比べると、ズームができなかったり、光を取り込む量が足りなかったりというように、いくつかの弱点があります。
その弱点を克服するために登場したのが「デュアルカメラ」です。二つのレンズとデジタル写真の技術を組み合わせて使うことで、それまでのスマホでは撮れなかった写真を作り出すという発想です。
以下では、デュアルカメラの使い方の例を紹介します。
こんなにあった「デュアルカメラ」の使い方
(1)ズームしても綺麗な写真を作る
iPhoneシリーズやGalaxyシリーズなど、高級な機種の多くではこの使い方を採用しています。
普通のレンズと、遠くのものを引き寄せるように撮る「ズームレンズ」の二つを装備して、切り替えて使えるようにしたものです。2倍に拡大してもくっきりとした写真が撮れるのが特徴。
機種によってはデジタル処理も活用して、3倍以上のズームでもきれいに映るとうたっているものもあります。
(2)広い範囲を撮る
(1)の方式と似ていますが、普通のレンズに加えて、より広い風景を撮る「超広角レンズ」を装備するスマホもあります。
超広角レンズで風景を撮ると、目で見たときより広い範囲を圧縮したような写真ができます。風景をダイナミックに写しとったり、パーティーなど大人数を写真に収めたりと、普通のカメラにはない撮り方が楽しめます。
SIMフリースマホでは、ASUS製の「ZenFone 5」がこの方式を採用。「V20 Pro」などLG製のスマートフォンもこの方式です。
(3)くっきりとした写真になる
HUAWEIの高級機種などで採用されているのが、デュアルカメラの一つ「モノクロ(白黒画像)専用」のセンサーを搭載する方式です。よりくっきりとした写真を撮ることができます。
モノクロ専用のカメラセンサーは、光の明暗を詳しく記録できるという特徴があります。撮影時にはカラーとモノクロで同時に撮影し、モノクロで記録された光量の情報をもとにカラー画像を補正します。
こうして合成された写真は、色味がはっきりとした仕上がりとなります。また、暗い所での撮影に強く、目で見るよりも明るい写真を撮れるスマホもあります。
SIMフリースマホでは、「HUAWEI P20」や「HUAWEI Mate 10 Pro」などがこの方式を採用しています。また、(1)と(3)の両方の方式を取り入れた“トリプルカメラ”のスマートフォン「HUAWEI P20 Pro」も発売されています。
(4)「ボケ」を追加できる
iPhoneやHUAWEI製スマートフォンの「ポートレートモード」と呼ばれる機能では写真の「ボケ」を追加できます。デュアルカメラ搭載の多くのモデルにこの機能が備わっています。
背景など、撮りたいもの以外をぼかしたものを「ボケ」と言います。このボケを作りだすには、一眼レフカメラなど大きなレンズが必要で、スマホのカメラで作りだすことは技術的に難しいとされています。
デュアルカメラを使うと、この「ボケ」に近い表現を写真に追加できます。人間の目がモノがある位置を認識できるように、二つのカメラを並べてその画像を分析すると、撮影したモノまでの距離が分かります。この距離の情報をもとに、背景の部分のボケのような加工を施すというものです。
この機能はiPhoneやHUAWEI P20などの高級モデルも対応していますが、「HUAWEI P20 Lite」や、モトローラの「Moto G6 Plus」といったお手頃な価格のSIMフリースマホでも使えます。
まだまだあるデュアルカメラの使い方
シャープの「AQUOS R2」は、デュアルカメラの片方を「動画専用のカメラ」にしています。動画を撮りながら、高画質な写真も同時に残せるという使い方です。
ASUSの「ZenFone 4 Selfie」は、(2)の「超広角レンズ」をインカメラに搭載。自分撮り(セルフィー)を、大人数でも撮れるようにしています。
一口に「デュアルカメラ」と言ってもその使い方はさまざま。「このスマホはデュアルカメラでは何ができるの?」と調べてみるのがデュアルカメラのスマホを使いこなす近道かもしれません。
※本記事の内容は、2018年10月25日現在の情報です。