Wi-Fiルーターはインターネットを利用するほとんどの家庭で使用されていますが、通常はいったん設置したら常時起動しておきます。けっこう電気代がかかっているのではないかと気になっている人も多いでしょう。使わない間は電源を切っておくべきなのか迷っている人もいるかもしれません。本記事では、ルーターの電気代や節電方法などを解説していきます。
目次
スペック別のルーターの消費電力
ルーターの消費電力はスペックによって差があります。基本的に多機能でスペックが高いほど、消費電力も高めです。具体的な消費電力はメーカーの公式ページや通販サイトのページ、商品パッケージなどに表記されています。
バッファローのルーターを例に取ると、エントリーモデルの「WCR-1166DHPL/N」は、最大9.1W。この機種はWi-Fi 5までしか対応していません。
Wi-Fi 6E対応で有線の最大通信速度が2.5Gbpsの「WSR-5400XE6」は、最大16.2Wです。
さらにスペックが高く、10ギガ回線にも対応している「WXR9300BE6P」は、最大23.5Wです。この機種は、有線の最大通信速度は10GbpsでWi-Fi 7にも対応しています。
上記から、同一メーカーであっても9.1W〜23.5Wとスペックによって消費電力量に開きがあることがおわかりいただけると思います。
消費電力から電気代を計算する方法
消費電力だけでは具体的にどれくらい電気代がかかっているか、イメージしづらいですよね。
電気代は消費電力に使用時間と電力料金単価をかけることで計算できます。計算式で表すと次の通りです。
消費電力(kW)×使用時間(時間)×電力料金単価(円/kWh)
消費電力は通常Wで表記されていますが、1,000で割ればkWに換算できます。
ただし、メーカー公称の消費電力は最大値です。実際に消費している電力は最大値よりもやや低い場合もあります。
ルーターの電気代
前述の計算式に当てはめてルーターの電気代を計算してみましょう。電力料金単価は電力会社やプランによって異なりますが、ここでは30円/kWhと仮定します。
「WCR-1166DHPL/N」の消費電力は9.1Wのため、kWに換算すると0.0091kWです。計算式に当てはめると、1日の電気代は6.552円と計算できます。
0.0091kW×24時間×30円/kWh=6.552円
上記の金額の30倍で1ヶ月分、さらに12倍で1年分の電気代を計算できます。他の2機種も同様に計算すると、電気代は次の表の通りです。
機種名 | 消費電力 | 1日の電気代 | 1ヵ月間の電気代 | 1年間の電気代 |
WCR-1166DHPL/N | 9.1W | 6.55円 | 196.56円 | 2358.72円 |
WSR-5400XE6 | 16.2W | 11.66円 | 349.92円 | 4199.04円 |
WXR9300BE6P | 23.5W | 16.92円 | 507.60円 | 6091.20円 |
使わない間は電源をOFFにした方がいい?
ルーターの電気代は1日分だけで見ると決して高くはありませんが、1年分で見てみると意外と大きく感じられるかもしれません。使わない間は電源をOFFにしようと考える人もいるでしょう。しかし、次のような理由からルーターを使わない間に電源をOFFにするのは、あまりおすすめできません。
毎回電源のON/OFFを切り替えるのは不便
ルーターは電源をOFFからONに切り替えた後、デバイスを接続して通信できるようになるまで1分程度かかります。毎回ONとOFFを切り替えていると使いたいときにすぐに使えないため不便です。
操作していないときでも通信を行っている
スマホやタブレット端末などは、操作しているとき以外にもデータの処理やアップデートなどで通信していることがよくあります。使わないときに電源をOFFにしてしまうと、そのような処理が適切に行われません。その結果、セキュリティリスクが高くなったり、一部のアプリに不具合が生じたりする可能性があります。
大半のルーターは常時稼働を想定して設計されている
大半のルーターは電源ボタンが付いておらず、コンセントが差し込まれていれば稼働し続けます。これは、常時稼働させておくことを想定しているためです。つまり、使わないときには電源をOFFにして使うときだけONに切り替えるような使い方は想定していないということです。頻繁に電源のON/OFFを切り替えることで負担がかかり、寿命を縮めてしまう可能性もあります。
ルーターの電気代を節約する方法
ルーターの電源を毎回OFFにしなくても節電は可能です。主に次のような方法があります。
節電モード付きのルーターを使用する
ルーターの機種によっては節電モードを利用できることもあります。通信状況に応じて電波の強さや通信速度などを調整したり、特定の時間帯だけ通信を行わないようにしたりするというものです。
使用環境に合ったルーターを選ぶ
基本的にハイスペックなルーターは消費電力も高めです。ルーターを選ぶ際に、使用環境に合った機種を選ぶだけでも、節電できる場合があります 。例えば、一人暮らしであれば接続するデバイスの数も少ないため、エントリーモデルのルーターで十分なケースが多いです。
家族が多い家庭などスペックが必要な環境なら、ハイスペックなルーターでも問題ありません。
ルーターの電気代でよくある質問
ルーターの電気代に関してよくある質問とその回答を見ていきましょう。
ルーターの1ヶ月の電気代はいくらですか?
ルーターの1ヶ月の電気代はエントリーモデルの機種なら200円前後です。スペックに比例して電気代も高くなります。10Gbps回線対応などのハイスペックな機種なら1ヶ月の電気代は500円程度です。
ルーターのコンセントを抜くと節電になりますか?
ルーターのコンセントを抜いている間は電力を消費しないため確かに節電にはなります。しかし、使うときだけコンセントを差し込んで使わないときは抜いておくのはかなり面倒なため、おすすめはできません。
ルーターには寿命はありますか?
ルーターの寿命は4〜5年程度です。長く使用していると内部が少しずつ劣化してきて、十分な通信速度が出なくなったり、接続が不安定になったりしていきます。購入から5年以上経過していて、不具合が目立つようであれば、買い換えを検討してみましょう。
まとめ
ルーターの電気代は1日あたり数円から十数円程度で、スペックに比例して高くなります。エントリーモデルだと1年間でも2,000円程度ですが、ハイスペックモデルだと5,000〜6,000円程度かかります。通常の家電製品と違って常時稼働を想定しているため、こまめに電源をOFFにするのはおすすめできません。電気代が気になる場合には、節電モード付きの機種や使用環境に合った機種を選ぶようにしましょう。
ルーターと併せて回線も見直したい場合には、高速で安定しているビッグローブ光がおすすめです。1Gbpsプランだけでなく、ハイスペックなルーターの性能を十分に活かせる10Gbpsプランも利用できますので、ぜひご検討ください。