10ギガ回線をムダにしない! 最大速度を引き出すルーターとLANケーブルの選び方-15
(BIGLOBE提供)
渡辺まりか
- 本記事は作成時点の内容です。
最近話題の光回線10ギガタイプ(BIGLOBE提供)を、IT系ライターが実際に契約して使ってみました。その体験談を綴るシリーズです。
せっかく高速なインターネット回線に切り替えたのに、思ったような通信速度が出ない……そう感じたことはありませんか?
その原因は、意外なところに潜んでいるのかもしれません。特に、長年使い続けている無線LANルーターやLANケーブルがあるならなおさらです。
本稿では、古い無線LANルーターやLANケーブルが通信速度にどの程度影響を与えるのかを検証します。
検証環境の紹介
まずは、検証にどのような機器を使ったのかを紹介します。
無線LANルーターの名称と規格、LANケーブルの規格、利用した端末の名称と規格です。なお、筆者宅には高速LANポートを搭載するパソコンがありません。
そのため、「UGREEN 有線LAN アダプター 5Gbps Type C LAN 変換アダプター」を利用して、40Gbpsデータ転送の行えるUSB4ポートに接続するという手法を取りました。
| 使用機器名称 | 無線規格 | 有線規格 |
|---|---|---|
| TP-Link Deco BE85 | Wi-Fi 7 2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯 | WAN/LANで10Gbps×2、2.5Gbps×2 |
| CAT6Aケーブル | 10Gbps | |
| TP-Link Archer C80 | Wi-Fi 5 2.4GHz帯/5GHz帯 | WANで1Gbps、LANで1Gbps×4 |
| CAT.5ケーブル | 1Gbps |
| 機種名 | Wi-Fi規格 | 有線規格 |
|---|---|---|
| 1回目 | Wi-Fi 6E | USB4(40Gbps) |
測定ツールは、Ookla「Speedtest」です。計測結果を一覧で残せるので、重宝しています。それぞれ5回測定し、その平均を結果として取り出しました。
検証した結果は?
まずは、BIGLOBE光の契約時に購入もできる新しい無線LANルーターであるTP-Link Deco BE85(以下、Deco BE85)を使い、無線LAN接続した場合の結果です。
こちらは平均速度がダウンロードで1516.77Mbps、アップロードで1671.81Mbpsとなりました。
Deco BE85にCAT.6Aケーブルを接続して有線LAN接続した場合の速度は、平均でダウンロードが4145.68Mbps、アップロードが3374.80Mbpsでした。やはり有線だと格段に速くなることがわかります。
では、古い方の無線LANルーターであるTP-Link Archer C80(以下、Archer C80)や、新しい方の無線LANルーターに古いケーブルを使った場合ではどうだったでしょうか。
無線LAN接続での平均がダウンロードで587.43Mbps、アップロードが662.45Mbps、CAT.5ケーブルを使った有線LAN接続ではダウンロードが915.14Mbps、アップロードが893.46Mbpsでした。
新しい無線LANルーターにCAT.5ケーブルと擬似的に1000BASE-T LANポート(最大1Gbpsのデータ転送速度)を再現するためのドッキングステーションを使って有線接続をした場合では、ダウンロードが927.28Mbps、アップロードが893.46Mbpsとなりました。
結果は、下記グラフにもまとめました。
▲Deco=TP-Link Deco BE85/Archer=TP-Link Archer C80
- あくまで筆者の環境で検証した結果であり、利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などによって速度は変わります。
当然ともいえますが、「10ギガ対応ルーター」と「CAT6AのLANケーブル」の組み合わせがダントツに速度が出ています。さらに、ルーター、LANケーブルのどちらかが古い(10ギガ回線非推奨)のものだと、回線自体は10ギガ回線を使っていても、実測で1Gbpsを超えることはありませんでした。
測定結果から分かったこと
上記の結果から、10ギガ回線を敷設していても、古い無線LANルーター及び古いLANケーブルがボトルネックとなり、思うような速度が出ないことが明らかになりました。
また、有線LANルーターとして使っても、そもそもWANポートが10ギガに非対応ですし、LANポートが1Gbpsしか出せないので、速度を出せません。せっかく10ギガ回線を敷設したのに、期待した速度を出せないというわけです。
新しい無線LANルーターを使っていても、ケーブルがCAT.5であったり、パソコンのLANポートが1000BASE-Tなど10Gbpsに非対応のものでは、期待する速度で通信できないことがはっきりしました。
【徹底解説】10Gbps(10ギガ)LANケーブルとは?選び方から種類、活用方法まで
まとめ
今回の検証では、「古いルーターやLANケーブルでは本当に速度が出ないのか」という疑問に対する明確な回答を得ることができました。
高速なインターネット回線の性能を最大限に引き出すためには、高速回線を契約して敷設するだけでなく、無線LANルーターやLANケーブルといったネットワーク周辺機器も、回線速度に対応したものにアップグレードすることが不可欠です。
特に、10ギガ回線を契約している場合、対応した機器へと刷新することで、初めてその真価を実感することでしょう。
BIGLOBE光なら、申し込み時に10ギガ回線に対応する無線LANルーターを同時購入、もしくはレンタルすることが可能です。どの機器が対応しているか調査して自分で購入する必要がありません。回線だけでなく、ネットワーク機器も新しいものにして、快適なインターネット環境を手に入れたいものですね。
BIGLOBE光なら対応機器もあわせて買える!
実は、今回の検証のために、古い無線LANルーターを使おうと考えたのですが、4年前の最新機種だったにもかかわらず、自動的にインターネット接続情報を読み取れるIPv6接続に対応していないということが判明しました。
仕事柄、ある程度知識がある筆者でも失敗してしまうほどインターネット接続機器の選定はシビアです。
しかし、BIGLOBE光であれば、申し込みの際に対応機器もあわせて選べます。工事日に、つながるかどうかドキドキする必要がないので、オススメですよ。

Contributor 渡辺まりか

















