最近話題の光回線10ギガプラン(BIGLOBE提供)を、IT系ライターが実際に契約するところからやってみた体験談を綴るシリーズです。

ビッグローブ光10ギガ回線を契約し、回線工事が無事に終わってから10日ほど経ちました。ベストエフォート型回線では「最大で10Gbpsのデータ通信ができる理論上の数値」なので、本当に10Gbpsという通信速度が出るわけではありません。

では、通信速度のリアルはどのようになっているのでしょうか。

幸い、もともと利用していた1ギガ回線も継続契約中なので、スピードテストしてみることにしました。
その他、スピードテストの他、ゲームのダウンロードにかかった時間や、動画のアップロードにかかった時間などがどれほどのもので、1ギガ光回線とビッグローブ光10ギガで、どれだけの差が出るのか、リアルな数値を検証してみます。

圧倒的な差が出たスピードテスト

10ギガ回線と1ギガ回線での検証環境は以下の通りです。なお、今回は通常利用を想定してWi-Fiでのみ検証しているので、各無線LANルーターのWi-Fi周辺情報のみ記載しています。

他社1ギガ光回線ビッグローブ光10ギガ
無線LANルーターE-WMTA2.4TP-Link Deco BE85
対応Wi-Fi規格Wi-Fi 6Wi-Fi 7
対応周波数帯2.4GHz帯/5GHz帯2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯
伝送速度最大2.4Gbps22Gbps

1ギガ回線のスピードテストに使ったスマートフォンはWi-Fi 6に対応しているGalaxy S23 Ultra、アプリはOokla「Speedtest for Android」です。

続いてビッグローブ光10ギガ回線のテスト。 ここでは、1ギガ回線と同じ端末(Galaxy S23 Ultra)とWi-Fi 7に対応しているGalaxy S25の2種類を使用して回線の速度を検証してみました。

ダウンロードとアップロードの単位は「Mbps」で、レイテンシー(遅延)の単位は「ミリ秒」です。レイテンシーは数値が低いほど遅延が少ないので、回線は優良ということになります。

★ダウンロード(数値が大きいほど回線は優良)

1ギガ回線10ギガ回線10ギガ回線
(Wi-Fi 7)
平均457.8 Mbps1,769.2 Mbps3,321.6 Mbps
1回目582 Mbps1,598 Mbps3,515 Mbps
2回目558 Mbps1,813 Mbps3,439 Mbps
3回目278 Mbps1,833 Mbps3,122 Mbps
4回目317 Mbps1,775 Mbps3,111 Mbps
5回目554 Mbps1,827 Mbps3,421 Mbps

★アップロード(数値が大きいほど回線は優良)

1ギガ回線10ギガ回線10ギガ回線
(Wi-Fi 7)
平均258.2 Mbps1,378.8 Mbps2,086.8 Mbps
1回目290 Mbps1,164 Mbps1,213 Mbps
2回目296 Mbps1,455 Mbps2,681 Mbps
3回目204 Mbps1,533 Mbps2,465 Mbps
4回目203 Mbps1,119 Mbps2,863 Mbps
5回目298 Mbps1,603 Mbps1,212 Mbps

★レイテンシー(数値が小さいほど回線は優良)

1ギガ回線10ギガ回線10ギガ回線
(Wi-Fi 7)
平均10 ミリ秒7.6 ミリ秒7 ミリ秒
1回目10 ミリ秒8 ミリ秒7 ミリ秒
2回目10 ミリ秒7 ミリ秒6 ミリ秒
3回目10 ミリ秒8 ミリ秒7 ミリ秒
4回目12 ミリ秒8 ミリ秒7 ミリ秒
5回目8 ミリ秒7 ミリ秒8 ミリ秒

検証の結果、ダウンロード速度の平均は1ギガが457.8→10ギガが1769.2と、3倍以上の速度差が出ていることがわかります。 さらにWi-Fi 7に対応しているGalaxy S25では、より差がついて3321.6という平均速度が出ました。

レイテンシーの数値は、Wi-Fi 6でもWi-Fi 7でも大差ありませんが、通信速度は平均で3321.6と、大幅にアップしていることがわかります。平均速度で比較すると、ビッグローブ光10ギガ×Wi-Fi 7規格では、ダウンロードで約7倍、アップロードで約8倍の速度差となりました。

今回の検証では、ビッグローブ光10ギガ回線が大きなアドバンテージを取りましたが、時間帯やルーターと接続中の端末の数などで速度にばらつきがあることを念のため書き添えておきます。

ゲームなどのコンテンツダウンロードに有利!

VODで視聴可能な動画や、PCでプレイするクラウドゲーム、スマートフォン向けゲームなどがどんどんリッチになってきています。

高画質だったり、コマ数が多く動きが滑らかだったり、エフェクトが豪華だったりするのはありがたいのですが、ダウンロードするのに時間がかかるのが難点です。

しかし我が家に引いたのはビッグローブ光10ギガ回線。大容量ゲームを短時間でダウンロードできるのでは?と期待できます。とはいえ、スピードテストと実利用では同じ回線速度が出るわけではありません。それは、ゲームサーバーやクラウドサービスサーバーの混み具合や回線の強さが異なるからです。

ではリアルな結果はどうなったでしょうか。

たまたま自宅にストレージ容量のみ異なる同じ仕様のAndroid搭載ポータブルゲーム機「AYANEO Pocket S」(Snapdragon G3x Gen 2、メモリ16GB搭載)が2台あったので、同時にダウンロードをスタートしてみました。

以下の動画はゲーム本体をダウンロードした後、およそ27GBの追加データをダウンロードしている様子です。10倍速で視聴できるよう加工してあります。

結果は、ダウンロードが完了するまでの時間がビッグローブ光10ギガ回線では17分9秒、1ギガ回線では21分19秒となり、3分50秒の差が生じました。

アップロードももちろん速い

最近では、スマートフォンで写真や動画を撮ることが当たり前になりました。GoogleフォトやiCloud、DropboxやOneDriveなどを契約している人でも、写真や動画のアップロードは自宅などWi-Fi環境下で行うのではないでしょうか。

帰宅してすぐに編集を行いたいのであれば、アップロード速度は速いほうが良いですよね。

というわけで、1.08GBの動画をアップロードするのに、どれほどの差が出るのかを検証してみました。時間がかかるのでアップロード中は8倍速に動画を加工してあります。

Galaxy S25を使い、1ギガ回線とビッグローブ光10ギガ回線で1.08GBの動画をアップロードするのにかかった時間は、前者が5分4秒、後者で3分58秒となり、1分6秒の差が出る結果となりました。複数の動画や数百枚の写真を撮ったのであれば、アップロード時間にさらに差が生まれることでしょう。

テレワークをしているのであれば、ファイルをアップロードすることがあるかもしれません。業務内容によっては、ダウンロードやアップロードにかかる時間が長いと、他の作業が手につかないこともあるのではないでしょうか。少なくとも、筆者はそうです。

では、2.64GBの動画をPCを使い、OneDriveにアップロードするのにどれだけの時間がかかるでしょうか。

検証に使ったPCは「ONEXPLAYER 2」(CPU:AMD Ryzen 7 6800U、メモリ:16GB、無線LAN規格:Wi-Fi 6)。2年以上前に発売された少し古いタイプの端末です。

1ギガ回線、10ギガ回線、ともにWi-Fi 6で接続していますが動画のような結果になりました。なお、こちらも8倍速にしてあります。

2.64GBのデータをアップロードするのに、ビッグローブ光10ギガ回線では3分12秒で完了しましたが、1ギガ回線では4分24秒、差は1分12秒という結果になりました。

まとめ

ビッグローブ光を含め、ほとんどの事業者のインターネット回線は「ベストエフォート型」のため、最大速度をマークすることはありませんが、少なくとも1ギガ回線で1Gbpsより速い通信は行えません。

月額利用料にそれほど差がないのであれば、10ギガ回線にしておいたほうが、QOL(生活の質)がグンと上がると改めて感じさせられる検証結果となりました。