高速かつ安定した通信が可能な光回線ですが、ネックになるのが「回線工事」の存在です。

もちろん、回線工事が不要なケースもありますし、工事自体はそこまで手間ではありません。ですが、場合によっては壁に穴をあける必要もあることから、契約をためらっている人も少なからずいるのではないでしょうか。

ですが、実は光回線の工事で穴あけが必要になるケースは稀。基本的には、既存の配管やダクトなどを利用して、穴をあけずに工事を完了できます。また、穴あけが必要な場合でも、そこまで大掛かりな工事になるわけではありません。

本記事では、光回線の工事の際に発生する可能性のある「穴あけ」に関して、不要なケースと必要なケースを解説します。

まずは工事不要で光回線を導入できるかどうかを確認しよう

光回線の工事で穴あけが必要かどうかは、お住まいの物件のタイプや配管の状況によって異なります。一般的には、集合住宅よりも戸建ての方が穴あけが必要になる可能性が高い傾向にあります。

いずれにしても、「すでに光回線が導入されている」もしくは「光コンセントが設置されている」ということでしたら、最低限の工事のみで、あるいは工事不要で光回線を導入できるかもしれません。ですので、まずは物件の状態を確認しましょう。

マンションで工事が不要になるケース

特に新しいマンションに関しては、電柱から共有部分まで光回線の引き込みがすでに行われていることも少なくありません。光回線導入済みのマンションは、共有部分から自室までの開通工事を実施するだけで光回線を利用できます。

さらに、光コンセントがすでに部屋の中に設置されている物件なら、専用機器を接続するだけで準備完了。穴をあける必要はなく、簡単に光回線を使い始めることができます。

戸建てで工事が不要になるケース

戸建て住宅に関しても、すでに光回線が導入されている場合や光コンセントが設置されている場合は、工事不要で導入できます。

一方で、光回線が導入されていない戸建ての場合は、マンションと違って共有部分がないため、電柱から自宅まで光ファイバーケーブルを引き込まなければなりません。その際に、壁に穴をあける必要があるケースもあります。

ただ、工事が必要な場合でも、壁に穴をあけずに光回線を導入する方法もあります。たとえば、電話線の配管やエアコンのダクトなどを利用して光ファイバーケーブルを引き込む方法ですね。詳しくは後述します。

光回線の工事で穴あけが必要になるのはなぜ? 3つの理由

回線工事においては、必ずしも「穴あけ」が行われるわけではありません。では、どのようなケースで壁に穴をあける必要が出てくるのでしょうか。ここではその3つの理由と、3種類の「穴」について説明します。

1. 光ファイバーケーブルを室内に引き込むため

まず必要になるのが、光ファイバーケーブルを室内に引き込むための穴。

配管やダクトを利用して引き込むこともできるのですが、それができない場合は、壁や床に穴をあけて光ファイバーケーブルを引き込まなければなりません。とはいえ、「穴」と言ってもそこまで大きいわけではなく、直径約10mm程度の小さな穴をあけることになります。

2. 光ファイバーケーブルを金具で固定するため

光ファイバーケーブルを室内に引き込むための「穴」以外にも、実はちょっとした「穴」が必要になります。これは、引き込んだケーブルを金具で固定するためのものです。

というのも、細くて柔らかい光ファイバーケーブルは、適切に固定しないと折れたり切れたりするおそれがあります。そのため、引き込んだケーブルを壁や天井に沿って金具で固定しなければなりません。この金具を取り付けるために、直径約5mm程度の小さな穴をあける必要がある、というわけです。

3. 光キャビネットを取り付けるため

もうひとつ必要になる「穴」が、光キャビネットを取り付けるためのものです。

光キャビネットとは、光回線の導入時に建物の壁に設置する、小さな白い箱のこと。電柱から引き込んだ光ケーブルと部屋の中のケーブルを中継する役割があり、箱の中に光ケーブルを収納しています。この箱を取り付けるために、壁に穴をあけてビス止めする必要があるわけですね。ここでは、直径約3~4mm程度の小さな穴を3箇所あけます。

光回線の工事で穴をあける場合の注意点

光回線の工事で穴あけが必要になる場合は、以下の2つのポイントに注意しましょう。

1. 追加の費用がかかる可能性がある

1つは、追加の費用がかかるケースがあること。穴あけで発生する費用は工事費に含まれていることが一般的ですが、業者やプランによっては別途料金が発生する場合もあります。

また、穴あけ工事をする場所や方法によっては、費用が変動する可能性も。外壁の素材や厚さ、穴の数や大きさ、穴をふさぐ方法といった物件の状況、あるいは業者によっても、穴あけ工事の費用は変わります。目安としては、3,000円~10,000円程度です。

ちなみに、光回線事業者によってはキャンペーンで工事費が割引されたり、無料になったりする場合もありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。

2. 賃貸で穴をあける場合は許可をもらう

もう1つは、大家さんや管理会社からの「許可」ですね。

当然といえば当然ではありますが、賃貸物件で工事を行う際には、事前に話を通して許可をもらっておきましょう。許可なく穴あけを行うと、退去時に修繕費用が発生したり、場合によっては損害賠償を請求されたりする可能性もあります。

ですので、穴あけ工事が発生する場合は、必ず事前に大家さんや管理会社に相談してください。 許可をもらう際には、「光回線の工事で穴あけが必要な理由」「穴をあける場所や方法」「穴の大きさや数」などを伝えると、スムーズに話が進むかもしれません。

光回線の工事で穴あけが不要になる3つのケース

ここからは、光回線の工事で穴あけが不要になるケースを紹介していきます。言い換えれば、「壁に穴をあけずに光ファイバーケーブルを引き込む方法」ですね。

1. 配管設備から光回線を引き込む

配管設備を通して光ファイバーケーブルを引き込める場合、穴あけ工事は必要ありません。

ここで言う「配管設備」とは、電話線やガス管といった配線や配管類が通っている部分を指します。ここまでの説明にもありましたが、光ファイバーケーブルは細く柔らかいため、既存の配管の隙間を使って部屋の中に引き込むことができるのです。

配管設備を使ってケーブルを引き込めないケース

ただし、配管設備の状態によっては、光ファイバーケーブルの通り道として使えないケースもあります。ここではその3つのケースを見ていきましょう。

A. さびや汚れで配管が詰まっている

配管設備の内部がさびや汚れで詰まっていると、光ファイバーケーブルを通せません。配管を掃除するか、別のルートを探す必要があります。掃除によって隙間が確保できそうな場合は、専用のブラシやワイヤーなどを使って配管内のさびや汚れを取り除きましょう。

B. 配管の内部に通せる隙間がない

配管の内部がほかの配線でいっぱいで、光ファイバーケーブルを通せないケースもあります。不要な配線・配管を取り外すことで隙間を確保する方法もありますが、電話線やガス管などの重要なものは取り外せませんので、何に使われているのかを確認しましょう。

C. 配管の出入り口に障害物がある

最後は配管の内部ではなく、「外」の問題です。配管の出入り口に障害物があると、光ファイバーケーブルを通せません。移動可能な荷物であれば対処は簡単ですが、コンクリートやレンガなどの固定されたものが出入り口にある場合は難しいため、別のルートを探しましょう。

2. エアコンダクトから光回線を引き込む

配管設備以外には、エアコンダクトから光ファイバーケーブルを引き込む方法もあります。

エアコンダクトとは、エアコンの室外機と室内機をつなぐ配管のこと。この配管に沿う形でも、光ファイバーケーブルを室内に引き込むことができます。配管設備が使えない場合に選択肢としてあがるのが、このエアコンダクトを使った方法です。

エアコンダクトを使ってケーブルを引き込めないケース

エアコンダクトを使った方法も、場合によっては利用できないことがあります。その主なケースが以下の2点です。

A. 天井埋め込み型のエアコンを利用している場合

天井埋め込み型のエアコンを利用している場合は、エアコンダクトの構造上、外から光ケーブルを引き込むことができません。配管設備を利用するか、別のルートを考えましょう。

B. 電柱とエアコンダクトが離れている場合

電柱とエアコンダクトの距離が離れていると、光ケーブルの長さが足りなくなる可能性があります。また、位置関係によっては壁沿いに配線することが困難なケースもあり、その場合は工事担当者から穴あけを提案されるかもしれません。

3. ドアや窓の隙間を通す

配管設備もエアコンダクトも使えない場合は、「ドアや窓の隙間から光ケーブルを通す」という方法もあります。細く柔らかい光ファイバーケーブルは、いろいろな「隙間」を使えば意外と引き込めなくはありません。

もちろん、ドアや窓を利用する場合はケーブルが傷つく可能性もありますし、ケーブルをそのまま通すため、室内の見栄えも悪くなるかもしれません。この方法に限った話ではありませんが、ケーブルの取り扱いに関しては業者と相談しつつ決めることをおすすめします。

担当者と相談しつつ、最適な方法で光回線を設置しよう

光回線の工事で穴あけが必要かどうかは、宅内調査で確認し、判断されます。

本記事で取り上げたような選択肢もあることを覚えておけば、工事担当者との相談もしやすくなるはず。また、キャンペーンを利用すれば工事費用がおさえられる可能性もありますので、そのような点も考慮しつつ検討してみてください。

実際に工事費が実質無料になるサービスとしては、たとえば「ビッグローブ光」があります。通信の安定性とリーズナブルな価格設定に定評があり、プランのわかりやすさも大きな魅力。ほかにも複数の特典を取り揃えていますので、選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。