スマホは1人1台――数年前まではそれが当たり前でしたが、会社から支給されるから、スマホが好きだから、用途に応じて使い分けしたい、などの理由で複数台持ち歩く人も珍しくなくなりました。
メールやスケジュールの確認などは、意識しなくてもGoogleやiCloud、人によってはYahoo!といったクラウドサービスのおかげで、どのスマホからでもできるようになっています。
困るのは、スマホ決済(バーコード決済とも。○○Payと呼ばれるもの)を使っている場合です。お金が絡んでくることもあり、セキュリティー上、同一アカウントでの複数端末からの利用を禁じているところが多いからです。
そのような中、2021年1月26日にPayPayは公式に複数端末で同一アカウントのPayPayを利用可能にしたことを発表しました。どうしてそれができるようになったのでしょうか。またそれによってユーザーが得られるメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
目次
そもそも、PayPayとは
PayPayは、ソフトバンクグループ、ソフトバンク、ヤフーの3社による共同出資会社PayPayが運営しているスマホ決済サービスです。クレジットカードのような後払い方式ではなく、チャージされた残高から支払うので、先払い方式(プリペイド型)といえます。
FeliCa(いわゆるおサイフケータイ)機能は不要。スマホに画面とカメラがついていればどの端末でも使えることや、クレジットカード不要ではじめられることなどから、若年層でも使いやすい決済手段となっています。利用には、専用アプリが必要です。
PayPayアプリをインストールしたら、アカウントを作り、指定された方法でログイン。1つまたは複数のクレジットカードや銀行口座と紐付けてPayPay残高にチャージしたり、セブン銀行やローソン銀行のATMを使って現金チャージしたりしておきます。なお、クレジットカードを利用した場合、クレジットカード会社へ“後払い”することから、初期設定では各カードからのチャージ上限額が5,000円と定められています。
PayPayにお金がチャージされたら、そこから支払えるようになります。PayPayアプリを開いて、レジで決済用QRコードを見せるか、アプリ内でカメラを立ち上げてレジ横のQRコードを読み取り、金額を入力するかして、決済。手元のスマホアプリから「PayPay!」という音声が流れたら決済完了です。
PayPayを複数端末で使えるように
PayPayは複数端末での利用が可能です。
危なくないの?
PayPayのアカウントは、(1)電話番号、(2)Yahoo! JAPAN ID、(3)ソフトバンク・ワイモバイルで登録できます。
(2)(3)の方法で登録する場合でも、携帯電話番号を紐付けて、その番号へのSMS認証を行わなければいけませんし、登録したときに使ったもの(マスターとなるスマホ)とは別のスマホから、そのPayPayアカウントでログインする場合でも、登録時に紐付けた携帯電話番号のSMS認証が必要です。
つまり、第三者が何らかの方法でYahoo! JAPAN IDもしくはソフトバンク・ワイモバイルアカウントに不正アクセスできたとしても、マスターとなるスマホが手元になければ、登録済みPayPayアカウントにログインできず、使えない、というわけです。
万が一にでも、何らかの方法でSMS認証を突破したとしても、「PayPayにログインしました。心当たりがない場合はログイン履歴をご確認ください」とアプリ内で通知されます。その通知をタップすれば、即座に「ログイン管理」画面へ移動でき、怪しい端末がないかを確認できるのです。
もし、心当たりのない端末が表示されているようであれば、「すべてのデバイスからログアウト」「パスワードを変更する」ボタンをタップして、自分のPayPayアカウントから強制的にログアウトさせられます。
実は補償サービスもある
また、PayPayでは不正利用の被害に遭ってしまった人向けに補償サービスを提供しています。スマホをなくしてしまっている間に使われてしまった、フィッシング詐欺で使われてしまった、という場合でも全額補償を謳っていますので、安心して使えますね。
参照サイト:PayPayの安全への取り組み
複数端末で使えることのメリット
1人で複数台のスマホを持つことも珍しくない時代。「コンビニ内で手にしていたスマホに、スマホ決済サービスアプリをインストールしておらず、慌ててバッグの中をゴソゴソと探した」「スマホを持って出てきたものの、スマホ決済サービスがインストールされていないものを持ってきてしまった」など、1台のスマホでしか使えないスマホ決済サービスでは不便なシーンがあることでしょう。
でも、PayPayのように、複数端末で同一アカウントにログインできるスマホ決済サービスであれば、そういったときでも慌てずスマートに対応できます。
お金が絡むサービスのため、念には念を入れた対策が求められますが、サービス提供側でも手厚い対策を行っているので、ナーバスになりすぎず、便利なものは便利に使いたいところです。