10ギガWi-Fiとは?メリット・デメリットから対応ルーターの選び方まで解説


けいろー
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近年、多くの通信事業者が提供を始めている、光回線の10ギガプラン。
「最大速度10Gbps(10ギガ)」という従来の約10倍もの超高速通信が可能(理論値)ということもあり、日頃から大容量のデータ通信を行う人やオンラインゲーマーのあいだで注目を集めているプランです。
ただし、10ギガプランを利用するには、専用のWi-Fiルーターが欠かせません。本記事では、次世代の快適なインターネット環境を実現する「10ギガWi-Fi」について解説します。
10ギガWi-Fiとは?

「10ギガWi-Fi」とは、文字通り「10ギガビット毎秒(10Gbps)」という圧倒的な通信速度に対応したWi-Fi環境のことを指します。このインターネット環境を実現するのが、近年普及しつつある光回線である10Gbpsのプランです。
従来、光回線といえば「1Gbps」という速度が一般的でした。理論値で考えると単純計算で10倍の数値になっているわけですが、まずは、この「10Gbps」という速度がどれほどのものなのか、そして現在の主流Wi-Fi規格と比較してどれだけ速いのかを見ていきましょう。
10ギガビット毎秒(10Gbps)とは?
「Gbps」とは「Giga bit per second(ギガビット毎秒)」の略で、1秒間に送受信できるデータ量を表す単位です。数値が大きければ大きいほど、通信速度が速いことを意味します。
この「10Gbps」という速度は、従来の1Gbpsの光回線と比較すると単純計算で10倍もの違いがあります。ただし、これはあくまでも理論値。実際の速度は利用環境や回線の混雑状況によって変動します。とはいえ、「最大10Gbps」というポテンシャルの高さは計り知れません。
オンラインゲームのアップデートや大容量ファイルの送受信もこれまでとは比較にならないほど短時間で完了するため、時間を有効活用できるようになるでしょう。
現在の主流Wi-Fi規格との速度比較
現在、一般的に利用されているWi-Fi規格には、主に「Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)」や「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」、そして最新規格である「Wi-Fi7(IEEE 802.11be)」があります。それぞれの理論上の最大通信速度は以下の通りです。
- Wi-Fi 5 (IEEE 802.11ac):最大約6.9Gbps
- Wi-Fi 6 (IEEE 802.11ax):最大約9.6Gbps
- Wi-Fi7(IEEE 802.11be):最大約36Gbps
ただ、これらのWi-Fi規格を導入するには、対応したデバイス・ルーター・ケーブル・回線が欠かせません。10ギガのWi-Fi環境を構築するためには、インターネット回線が10Gbpsであっても、対応するルーターがなければその速度を十分に活かすことができないのです。
なお、BIGLOBE光の10ギガルーターはWi-Fi 7にも対応しているので安心です。
▼Vol.3 1ギガと10ギガの回線スピードの違いをリアルな使い方で大検証
10ギガWi-Fiのメリット
では、10ギガWi-Fiを導入することで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは主なメリットとして、4つの観点から解説します。
メリット1「高速・安定した通信」

10ギガWi-Fiの最大のメリットは、何と言ってもその圧倒的な通信速度と安定性です。
通常のWebサイトの閲覧はもちろん、高画質な4K/8K動画のストリーミング再生やオンラインゲーム、ビデオ会議といった大容量のデータ通信を必要とするコンテンツも、遅延やカクつきを感じにくくなります。
中でも、ちょっとしたラグが勝敗を分けるオンラインゲームをプレイする人や、仕事で頻繁に大容量ファイルを扱う人にとっては、10ギガWi-Fiから得られる恩恵は大きいはずです。
メリット2「大容量データの送受信がスムーズ」
動画コンテンツの高画質化やソフトウェアの大容量化が進んでいる現在、「一度にどれだけのデータを送受信できるか」という通信量のニーズはますます高まりつつあります。
その需要にピンポイントで応えてくれるのが、10ギガWi-Fi。数十GB以上のゲームソフトのダウンロードや、高解像度の動画ファイルのアップロードなど、従来のWi-Fi環境では時間がかかっていた作業も大幅に短縮することができます。
これによって作業効率が向上するだけでなく、待ち時間によるストレスから解放されるのも嬉しいポイント。なんとなく「オンラインゲーマー向けのプラン」というイメージを10ギガプランに持っている人もいるかもしれませんが、テレワークで大容量のデータや動画ファイルを扱うクリエイターの方にも最適です。
メリット3「複数デバイス同時接続に強い」

スマートフォン、パソコン、タブレット、スマートスピーカー、IoT家電など、現代の家庭では多くのデバイスがWi-Fiに接続されています。ある程度の数までなら従来のWi-Fi環境でも対応できていましたが、複数のデバイスを同時に使用していて、通信が不安定になった経験がある人もいるかもしれません。
その点、速度が速いだけでなく、通信帯域も広い10ギガWi-Fiなら、多くのデバイスを同時に接続しても速度が落ちにくく、安定した通信を期待できます。スマートホーム化を進めている人や、家族の多いご家庭に適したWi-Fi環境だと言えるでしょう。
メリット4「将来的な高速化への対応」
インターネットの世界は日々進化しており、今後もコンテンツの大容量化が進むことで、高速通信を必要とするサービスの登場が予想されます。このような将来的なインターネット環境の変化に先んじて対応できるのも、10ギガWi-Fiを導入するメリットでしょう。
現時点ではオーバースペックに感じるかもしれませんが、前述の「コンテンツの大容量化」など、すでに現在進行中の変化もあります。ゆくゆくは10ギガWi-Fiが標準になっていく可能性もありますし、一度導入してしまえば、長期的に快適なインターネット環境を維持できます。そのような意味では、将来を見据えた投資とも考えられます。
10ギガWi-Fiルーターの選び方
先ほども軽く触れましたが、10ギガプランを契約しただけでは、その性能を最大限に引き出すことはできません。
中でも重要なのが、Wi-Fiルーター選びです。10ギガに対応したWi-Fiルーターを選ぶ際のチェックポイントを以下にまとめましたので、製品選びの参考にしてみてください。
対応規格 | 最新のWi-Fi 7 (IEEE 802.11be)がおすすめ。必ずWi-Fi 6 (IEEE 802.11ax) 以上の規格に対応しているかどうかを確認しましょう。 | |
最大通信速度 | ルーターが対応している、Wi-Fiの理論上の最大通信速度もチェックポイントです。 | |
ポート数 | 10Gbps対応のWAN/LANポートの有無を確認。ポート数は有線接続したい機器の数を考慮してチェックしてください。 | |
アンテナ数とビームフォーミング機能 | ルーターに搭載されているアンテナの数は、Wi-Fiの電波が届く範囲や安定性に影響します。アンテナ数が多いほど広範囲をカバーできます。 また、ビームフォーミング機能に対応したルーターなら、接続デバイスの位置を検知し、その方向に集中的に電波を送ることで、通信の安定性と速度を向上させられます。 | |
同時接続可能台数 | 家庭内で使っているデバイスの数にあわせて、同時接続可能数の多い製品を選びましょう。将来的にデバイスが増える可能性も考慮して、余裕のあるモデルを選ぶと安心です。 | |
セキュリティ機能 | 最新のWi-Fiセキュリティ規格である「WPA3」に対応しているかを確認しましょう。お子様がいるご家庭では、有害サイトへのアクセスを制限するペアレンタルコントロール機能も役に立ちます。 | |
付加機能 | 利用目的にあわせて、必要な機能が搭載されたモデルを選びましょう。複数のルーターを連携させて、家全体を網羅的にカバーする「メッシュWi-Fi機能」、外出先から自宅のネットワークに安全にアクセスできる「VPN機能」、特定のゲームの通信を優先する「ゲーミング機能」などがあります。 | |
価格 | 10ギガWi-Fiルーターは高機能なモデルほど価格が高くなる傾向にあります。必ずしも最上位モデルを選ぶ必要はありませんので、予算と必要な機能を考慮して選びましょう。 |
10Gbpsのプランはどんな人におすすめ?

高速通信が可能な10Gbpsのプランですが、その必要性に関しては疑問の声もあります。
実際のところ、現在の光回線でも十分に事足りている場合、わざわざプランを乗り換える必要はあるのでしょうか? ここからは「こんな人におすすめ!」という3つのパターンを紹介しつつ、10Gbpsのプランの特徴もあわせて説明します。
1. オンラインゲームプレイヤー
まず真っ先に挙がるのが、日常的にオンラインゲームをプレイしている人ですね。10Gbpsのプランの恩恵を確実に得られるユーザー層であり、このプラン自体、ゲーマーのあいだで話題になりやすい印象もあります。
なぜ10Gbpsのプランがゲーマーにとって魅力的に映るのかといえば、対戦型のオンラインゲームでは、通信速度が非常に重要だから。
中でも、瞬時の操作が勝敗を分けるFPSや格闘ゲームにおいては、通信ラグは死活問題です。通信速度が速ければ速いほど自分の操作もゲーム上に速く反映されるため、対戦内でうまく立ち回りやすくなります。シンプルに「速ければ速いほど良い」というわけですね。
加えて、最新のオンラインゲームはゲーム自体も大容量になっており、光回線でもダウンロードに時間がかかります。その点、10Gbpsのプランならゲームのインストールやアップデートも高速でできて、すぐに遊ぶことが可能。いち早く最新のゲームに触れたい人にとっては、それも嬉しいポイントだといえるでしょう。
2. 大勢がインターネットに接続している家族

1人での利用なら、基本的にはいつでも高速通信が可能な光回線。ですが、複数人の家族で同時に、それも大容量のデータの送受信を行うと、通信速度が低下してしまうことがしばしばあります。その問題を解決できる可能性があるのが、10Gbpsのプランです。
もちろん、従来の光回線も複数人での接続に対応していますが、それにもやはり限度があります。近年は映像の高画質化やゲームの大容量化も進んでおり、全体的にデータ通信量がかさむ傾向にあるため、光回線の通常プランではまかないきれないケースがあります。また、スマホやPC、スマート家電など、Wi-Fiに接続する機器自体が増えていることもその傾向を助長しています。
そこで選択肢として挙がるのが、超高速&大容量のデータ通信に対応した10Gbpsのプラン。「なんだか最近、通信速度が落ちているような……」と感じている人は、家庭での通信量と速度を計測してみても良いかもしれません。もし速度や安定性が足りてないようでしたら、10Gbpsのプランを検討してみましょう。
3. インターネットヘビーユーザー
最後に、純粋に「めちゃくちゃインターネットを使っている人」にも10Gbpsのプランはおすすめです。
この「めちゃくちゃ使っている」というのは、長時間にわたってネットサーフィンやSNSを楽しんでいる人に限りません。4K以上の高画質な動画コンテンツを頻繁に見る人や、先ほどのようなオンラインゲームプレイヤーも当てはまります。
ショート動画がトレンドになっている昨今ですが、他方では、4320pの超高画質映像に対応しているサービスも増えつつあります。ただ、超高画質ゆえにデータの受信が追いついておらず、途中で読み込みが発生し、映像をサクサク楽しめない問題も指摘されていました。10Gbpsのプランなら、その問題も解決が期待できます。
さらに付け加えると、インターネット上でのデータの通信量は年々上昇しており、今後もまだまだ増えると予想されています。今以上に大容量のデータ通信が必要になる将来を見越して、今のうちに10Gbpsのプランを検討しておくのも1つの手だといえるでしょう。
10Gbpsのプランにする必要のないケースは?注意事項もチェック!

ここまで、10Gbpsのプランのメリットを享受できるケースを説明してきましたが、一方で、このプランは万人向けではありません。当然、10Gbpsのプランに乗り換える必要のない人など、おすすめできないケースもあります。
また、10Gbpsのプランをおすすめできるケースでも、あらかじめ注意しておきたいポイントがあります。どのような問題や注意点があるのか、あわせて見ていきましょう。
1. 現在の光回線でも事足りている人は不要!

当然といえば当然ですが、現在の光回線でも十分に高速だと感じていて、速度にストレスがまったくない人は、今すぐに乗り換える必要はありません。
先ほどの「こんな人におすすめ!」のパターンに当てはまるのであれば話は別ですが、オンラインゲームを遊んでおらず、大家族というわけでもなく、人並み程度にしかインターネットを使っていないのでしたら、一般的な光回線でも十分です。今後どこかのタイミングで必要になるまでは、様子見の姿勢でもOKです。
2. どこでも使えるわけじゃない!提供エリアをチェックしよう

日本全国に普及している光回線ですが、実は10Gbpsのプランの対応エリアはまだまだ限定的です。同様のプラン自体は複数の事業者が提供していますが、いずれのサービスに関しても、全国どこでも利用できるわけではありません。
乗り換えようと考えていた人も、サービスの公式サイトにアクセスして、提供エリアと条件をあらかじめ確認するようにしましょう。
また、パソコンやルーターなどの機器も「10Gbps対応」のものを選ぶ必要があります。その点も事前におさえておきましょう。
3. 月額料金がやや高め

10Gbpsのプランは、通常プランとは異なる超高速プランですので、料金も少々お高め。
事業者によっても異なりますが、一般的な光回線サービスのプランと比べて、だいたい500〜2,000円ほど割高な料金設定になっています。月額料金としては6,000〜7,000円前後になりますので、なるべく通信費を節約したい人にはあまりおすすめできません。
BIGLOBE光も10ギガタイプがおすすめ!
以上、10Gbpsのプランについて説明してきましたが、一言でまとめるなら「おすすめできる人もいるが、おすすめできない人もいる」といったところでしょうか。少なくとも、簡単に「意味ない」のような結論に至る存在ではありません。
人並み程度にしかインターネットを使わない人は不要に感じるでしょうし、一方で、ヘビーユーザーやオンラインゲーマーにとっては待望のプランといえます。また、今はまだコアなユーザー向けのプランだとしても、今後どこかのタイミングで需要が高まる可能性もありますので、選択肢の1つとして知っておいて損はありません。
実際、10Gbpsのプランを提供する事業者は近年増えており、BIGLOBE光でも「BIGLOBE光 10ギガ」が人気となっています。さまざまな特典企画を常時実施しておりますので、この記事を読んで少しでも気になった方は、乗り換え先の選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
ますます広がる、10ギガWi-Fiのニーズ
本文でも書きましたが、コンテンツの大容量化は今まさに進行中の変化ですし、10ギガWi-Fiのニーズは今後ますます高まっていくことでしょう。10ギガプランを取り扱う事業者が増えているのも、ユーザーからの需要が高まっていることの表れではないでしょうか。
将来を見越して、そろそろ検討する段階に入ってもいいかもしれません。ここまで記事を読んでくださった方は、この機会に乗り換えを考えてみてはいかがでしょうか。
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