普段あまり気にしていない方も多いかもしれませんが、実はプロバイダによってインターネットの利用環境や料金が異なります。現在利用中のプロバイダがあまり良くないと感じる場合には、別のプロバイダへの乗り換えを検討してみるといいかもしれません。ただ、どのようにして乗り換えるのかよくわからない人も多いでしょう。本記事ではプロバイダ乗り換えについて、手順や注意点などを中心に解説していきます。

プロバイダ乗り換えの基礎知識

プロバイダ乗り換えとは何か?

プロバイダ乗り換えとは、現在契約中のプロバイダを解約して、別のプロバイダを契約することです。

そもそもプロバイダは、インターネットのアクセスポイントを提供し、IPアドレスを割り当てる役割を果たしています。

現在利用中のプロバイダに対して不満がある場合には別のプロバイダへの乗り換えが可能です。また、特に不満はなくても、なんらかの事情で現在のプロバイダを利用できなくなって乗り換えが必要になることもあります。

乗り換えが必要な状況の具体例

現在利用中のプロバイダで特に問題がなければ、乗り換えの必要はありません。しかし、通信速度がこれまでよりも低下したり、料金が値上げされたりした場合など、乗り換えを検討する人が多いでしょう。

基本的に通信速度はプロバイダよりも接続回線の方が大きく影響しますが、安定性に関してはプロバイダによって差があるのも事実です。料金に関しては、プロバイダによる違いが大きいです。月額で数百円の違いでも数年単位で見れば軽視できません。

また、付帯サービスや割引サービスなどを理由にプロバイダの乗り換えを検討する人もいるでしょう。例えば、スマホとのセット割引があったり、乗り換えにあたってキャッシュバック等のキャンペーンがあるプロバイダに乗り換えることでよりお得に使いたいという方がいるのではないでしょうか。

プロバイダ乗り換えのメリットとデメリット

プロバイダの乗り換えをするのであれば、どのようなメリットとデメリットがあるのか把握しておくことが大切です。では、具体的なメリットとデメリットについて見ていきましょう。

プロバイダ乗り換えのメリット

プロバイダを乗り換えると通信速度の向上や、月額料金の削減などのメリットが得られる可能性があります。

現在利用中のプロバイダで、十分な速度が出ない場合には、サイズの大きいファイルを送受信する際には時間がかかってしまうでしょう。Webサイトの閲覧やアプリの使用などでの画面の切り替えもスムーズではありません。どうしても、ストレスに感じることも多いでしょう。プロバイダの乗り換えで、高速で安定した通信ができるようになれば、そのようなストレスがなくなります。

また、料金はプロバイダによって差があります。固定費の見直しをするならプロバイダの乗り換えを検討してみるのがいいでしょう。プロバイダを乗り換えるだけで大幅に節約できることもあります。

では、プロバイダの乗り換えで通信速度が向上する理由や月額料金を削減する方法について詳しく見ていきましょう。

通信速度が向上する理由

プロバイダの乗り換えで通信速度が向上するのは、プロバイダが保有している設備が関係しています。古い設備を利用しているプロバイダの場合には、設備の稼働が不安定になることもあります。

また、対応している接続方式の違いにより、通信速度に差が出ることもあります。光回線には「PPPoE方式」と「IPoE方式」がありますが、「IPoE方式」の方が新しい接続方式です。「IPoE方式」に対応しているプロバイダなら、利用者が多い時間帯でも混雑しにくく快適に通信できます。

月額料金を削減する方法

月額料金の安いプロバイダに乗り換えるのに加えて、キャンペーンなどを利用することでさらに安くなることもあります。

回線とセットになっているプロバイダだと、工事費用無料などの特典を設けているところが多いです。一定期間だけ月額料金が無料になるなどのキャンペーンもよく実施されています。また、2年や3年などで契約する場合には、月額料金が安くなるプロバイダも多いです。スマホとのセット割引なども、多くのプロバイダで実施しています。

プロバイダ乗り換えのデメリット

プロバイダの乗り換えを検討するにあたって、メリットだけでなくデメリットも認識しておくことが大切です。例えば、乗り換えの際一時的にインターネットが利用できなくなったり、初期費用が発生したりする場合があります。

一時的にインターネットが利用できなくなってしまうのは、契約期間に空白が生じてしまう場合です。旧プロバイダとの契約期間が終了後に乗り換え先のプロバイダとの契約期間が始まる場合には注意しましょう。乗り換え先のプロバイダとの契約を済ませてから、現在利用中のプロバイダを解約するのが無難です。

また、お得なキャンペーンにばかり目が行って初期費用に関しては見過ごされてしまうことが少なくありません。キャンペーンがお得な内容でも初期費用を考慮すると、あまりお得でない場合もあります。

では、一時的にインターネット接続が中断されることで起こりうるリスクと初期費用について詳しく見ていきましょう。

一時的な接続中断のリスク

インターネット接続が一時的に中断されてしまうと、その間は不便を強いられてしまいます。

その間だけスマホでテザリングをすれば良いと思うかもしれませんが、パソコンを使用すると考えると面倒も増えますし、スマホの通信容量の消費も多くなってしまいます。普段なら問題なく足りていても、パソコンで接続するとあっという間に足りなくなる可能性が高いです。光回線よりも速度が出ないことでストレスに感じることもあるかもしれません。1日や2日程度であればなんとかなるかもしれませんが、1週間以上続くと現実的ではないでしょう。

初期費用が発生する可能性

プロバイダのみを乗り換えるのであれば、初期費用は基本的にかかりません。しかし、プロバイダと併せて回線事業者も乗り換えると、初期費用が発生する可能性があります。初期費用は主に契約料と工事費用です。

契約料は数千円程度でそれほど高い金額ではありませんが、工事費用は20,000~40,000円程度かかります。キャンペーンなどで工事費用が実質無料になる場合でも、いったんは支払いが必要なケースが多いです。

プロバイダ乗り換えの手順

プロバイダを乗り換えるときの手順について、NTTのフレッツ光から各プロバイダが提供している「コラボ光」へ乗り換える場合を例に説明していきます。

  • コラボ光とは、NTT東日本、NTT西日本から提供されているフレッツ光回線を各プロバイダ事業者が借り受け、プロバイダ独自のサービスを組み合わせて提供する光回線のサービスのことです。

新しいプロバイダを選ぶ際のポイント

最初に乗り換え先のプロバイダをどこにするのか決める必要があります。現在利用中のプロバイダに対してどのような点が不満なのか明確にした上で、満足できるプロバイダを選ぶことが大切です。

通信速度や料金プラン、サポート体制などを中心にチェックしておきましょう。

通信速度に関しては、最大通信速度ではなく口コミやスピードテストサイトなどの情報を元に実測値をチェックしておくのがポイントです。料金プランに関しては、割引サービスなども含めた金額で比較しましょう。サポート体制に関しては、サポートの方法や対応可能な曜日・時間帯などがプロバイダによって差があります。サポートを利用する機会が多い人は、土日や遅い時間帯でも対応してもらえるところを選ぶのがいいでしょう。

乗り換えに必要な転用承諾番号の取得手順

NTTのフレッツ光を利用していて、プロバイダ業者が提供する「コラボ光」へ乗り換えることを「転用」といいます。転用ならこれまでの光回線は乗り換え後もそのまま使用できるため、工事不要で乗り換えが可能です。

転用の際には転用承諾番号という11桁の英数字が必要になります。

通常はNTT(NTT東日本、NTT西日本)のWebサイトから転用承諾番号を取得可能で、電話でも受け付けています。

転用承諾番号がないと転用での乗り換えができません。また、転用承諾番号には15日の有効期限が設定されていますが、手続きの関係上早めの乗り換えがおすすめです。有効期限を過ぎてしまったら、転用承諾番号を取得し直さなければなりません。

新プロバイダへの申し込み手続き

乗り換え先のプロバイダに申し込みをする際には、そのプロバイダが提供している「コラボ光」の公式サイトにアクセスしましょう。新規申し込みなどの項目に入ると、申し込みフォームがあり、必要事項を入力すると申し込みできます。転用承諾番号の入力欄も申し込みフォーム内に設けられていることが多いです。プロバイダによっては、申し込みフォームに行く前後に転用承諾番号の入力を求められる場合もあります。

申し込みフォームに入力する情報は、住所や氏名、生年月日、電話番号などです。なお、原則として本人確認書類は不要です。未成年や、自動転送電話オプションをつける(犯罪防止のため)場合を除き本人確認をしていないケースがほとんどです。

旧プロバイダの解約手続きの流れ

乗り換え先のプロバイダとの契約手続きが完了したら、これまで利用していたプロバイダの解約手続きを行います。このとき、どちらのプロバイダも利用できない期間ができてしまわないように注意が必要です。

乗り換え先のプロバイダの利用開始日を確認した上で、旧プロバイダの解約日を調整するようにしましょう。

解約手続きは、プロバイダによってさまざまです。手続き方法については、事前に旧プロバイダの公式サイトで確認しておきましょう。

新プロバイダでの接続設定方法

プロバイダの乗り換えをすると、新たに接続設定が必要になります。有線接続の場合は、難しい設定はありません。ONU(回線終端装置)やホームゲートウェイとパソコンなどの接続機器をLANケーブルでつなげれば、インターネットへ接続できます。Wi-Fiによる無線接続の場合は、無線LANルーターを準備してください。接続したいSSIDを選択し、パスワード(セキュリティキー)を入力すれば、接続できます。通常、SSIDおよびセキュリティキーは無線LANルーター本体に記載されています。

プロバイダを乗り換えるときの注意点

プロバイダを契約する際には一定の契約期間が決められており、乗り換えの際にも注意しなければならない点があります。

契約期間と違約金についての確認

プロバイダの契約期間は「最低利用期間」や「定期利用プラン」として、それぞれ規約は違いますが2年と設定されているところが多く、長い場合だと3年です。契約期間満了後もそのまま利用を続けたい場合には、契約を更新します。契約期間満了のタイミングでプロバイダを乗り換える場合には、更新しなければいいだけのため、特に問題ありません。しかし、契約期間満了前に乗り換える際には違約金が発生することもあるため注意が必要です。キャンペーンを利用して回線の工事費用が無料になったり安くなったりした場合には、その分の費用を請求されることもあります。

現在利用中のプロバイダの契約期間(利用期間)がいつまでなのか確認しておきましょう。公式サイトにログインするとマイページなどで確認できることが多いです。電話やメールなどで問い合わせても確認できます。

乗り換え時期の選定方法

プロバイダを乗り換える際の時期は、違約金が発生しないことと、インターネットを利用できない期間が発生しないことの2点を考慮するのがポイントです。それと併せて、乗り換え先のプロバイダでキャンペーンを実施しているかどうかも考慮するといいでしょう。

次の契約更新がいつなのか調べた上で、それまでに乗り換え先のプロバイダを決めておく必要があります。乗り換え先のプロバイダが決まったら、キャンペーン情報をチェックしておきましょう。プロバイダによっては頻繁にキャンペーンを実施していることもあります。違約金なしで乗り換えできる期間にキャンペーンを実施していれば、ベストな乗り換えタイミングです。

プロバイダ乗り換え時のチェックリスト

プロバイダの乗り換えで失敗してしまわないように、次のような点を事前にチェックしておきましょう。

乗り換え前に確認すべき事項

プロバイダを乗り換える目的は、インターネット環境を現在よりも快適にすることや料金を安くすることなどでしょう。プロバイダの乗り換えで本当にそのような目的を果たせるかどうか今一度確認してみることが大事です。

現在のプロバイダの契約内容を改めて確認してみましょう。乗り換え先の候補となるプロバイダと料金や速度、付帯サービスなどを比較し、現在よりも有利になるかどうかが選定基準として重要です。速度に関しては最大通信速度だけでなく実測値も比較してみましょう。

乗り換え後に取り組むべきタスク

プロバイダを乗り換えた後は、利用できるようにするため設定を済ませる必要があります。接続設定に関しては前述の通り、パソコンの設定画面で行います。プロバイダを乗り換えると現在のメールアドレスが使用できなくなる点にも注意が必要です。乗り換え先のプロバイダで新たなメールアドレスが付与されるため、メールソフトで使えるように設定しましょう。

メールソフトによってやや手順は異なりますが、基本的にプロバイダから郵送される書類に記載されている項目を入力するだけです。主に受信メールサーバーやアカウントの種類、ユーザー名、パスワード、送信メールサーバーなどの項目を入力します。入力項目はプロバイダの公式サイトでも確認可能です。

まとめ

プロバイダの乗り換えは、主に通信速度の向上やコストの削減などを目的として行います。基本的に乗り換え先のプロバイダと契約して利用開始日が決まってから、現在のプロバイダを解約するという流れです。違約金が発生しないように、現在のプロバイダの契約期間などを確認した上で乗り換えるようにしましょう。

また、プロバイダの乗り換えなら「ビッグローブ光」がおすすめです。高速で安定しており、コラボ光にも対応しています。auとUQ mobileのスマホとのセット割引も利用可能です。ぜひビッグローブ光の利用を検討してみてください。