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無料版「Spotify」を徹底解剖!使い方やメリット・デメリット

数ある定額制の音楽ストリーミングサービス。その中でも世界での“草分け的存在”といえるのが「Spotify」です。

 

今回はSpotifyを実際に使って確かめた、基本的な機能、サービスとしての特徴(メリット・デメリット)を紹介します。 好みや使い勝手など、さまざまな点で “自分に合う音楽ストリーミングサービス” を見つけるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

Spotifyはどんなサービス?

Spotify(スポティファイ)は、インターネット上に用意された楽曲ライブラリから音楽が再生できる音楽ストリーミングサービスです。楽曲データをスマホなどのデバイスに保存せず、ネットを通じて通信しながら再生します。

Spotifyが日本で正式リリースされたのは2016年。当時はすでに、Google Play Music(現YouTube Music)やApple Musicをはじめとする他の音楽ストリーミングサービスが日本上陸を果たしていました。ただし世界的に見ると、サービス開始がより早かったのはSpotify。本国・スウェーデンでのサービス開始時期は2008年です。

 

Spotifyのライブラリには数千万以上の音楽やコンテンツが登録されています(2023年3月時点)。日本上陸からすでに年数も経過し、海外発のサービスながら、邦楽の楽曲も多くラインナップされています。

 

日本でのサービス開始当初は招待制でした。しかしその後に運用が変更され、現在はユーザー登録(アカウント登録)を済ませればすぐに利用を開始できます。対応デバイスはスマホ、タブレット、パソコン、ビデオゲーム機、一部のAIスピーカーやスマートウォッチなど。AndroidデバイスやiPhone、iPadではアプリを通じて利用します。パソコンはアプリでも、ブラウザからでも、利用可能です。

基本となる楽しみ方を紹介

まずはSpotifyの基本的な使い方から確認してみましょう。主となる機能は「検索」と「マイライブラリ」の2つです。  

楽曲やアーティスト、番組を探して楽しむ「検索」

楽曲やアーティスト、アルバム、ポッドキャスト番組など、具体的に聴きたいものが決まっている場合には「検索」を使います。検索バーにキーワードを入力すると、関連する情報が表示されます。有名アーティストの場合には、楽曲やアルバムのほか、Spotify側であらかじめ作成されたプレイリストなども検索結果に出てきます。

 

音楽のジャンル、年代別、新曲(ニューリリース)など、ざっくりとした条件指定で聴くものを選ぶことも可能です。こちらの切り口は様々。はじめのうちは気になったものから覗いてみましょう。それだけでも十分に楽しめるボリュームです。

 

「検索」で見つけたお目当ての楽曲、あるいは実際に聴いてみて気に入った楽曲。このようなものがあれば、お気に入り登録、あるいはプレイリストに追加しておきましょう。アーティスト自体が好き!という場合にはフォローしておくのもオススメです。こうすることで、次に紹介する「マイライブラリ」から簡単に呼び出せるようになります。

 

また、お気に入り登録やフォローという操作は、Spotifyに「こういう曲(アーティスト)が好み」と伝える意思表示も兼ねています。積み重ねることで、Spotifyが“あなた好み”と判断したプレイリストが表示されやすくなったり、一部のプレイリストに“あなた好み”な楽曲が反映されやすくなったりします。

お気に入りに素早くアクセスできる「マイライブラリ」

「マイライブラリ」にはお気に入り登録した楽曲やアーティスト、アルバム、プレイリスト、ポッドキャスト番組が表示されます。表示するコンテンツをフィルターで絞り込むことも可能です。毎回「検索」せずとも、“いつもの”はここから素早くアクセスできます。

他音楽サービスと比べてのメリット・デメリット

Spotifyの基本となる機能を確認したところで、実際に数週間ほど、使い込んでみることに。 続いては使い込む中で感じたSpotifyの特徴(メリット・デメリット)を合わせて4つ紹介します。

メリット①:無料から楽しめる

Spotifyのメリットとしてまず取り上げたいのが「無料からでも楽しめる」こと。無料から楽しめる音楽ストリーミングサービス自体は他にもあります。ただその多くは「再生回数や再生時間が決まっている」「登録から一定期間のみ無料で使える」といった“利用制限”付き。実質的に使える時間が限られています。

 

一方で、Spotifyには再生回数や再生時間、利用期間などの制限はナシ。音楽を再生するだけなら、ずっと無料で楽しめるのです。

 

Spotifyには(対応楽曲であれば)再生中の楽曲の歌詞を表示する機能も用意されていますが、この機能も無料プランから利用可能です。

 

Spotify無料版と有料版の違い

 

もちろん、無料プランと有料プランではできることに違いがあります。

 

無料プランには「シャッフル再生しかできない」「曲送り(スキップ)に『1時間6回まで』の回数制限がある」「曲戻しはできない」「スマホでは聴きたい楽曲の指名再生ができない」「曲と曲の間に広告が入る」などの“機能制限”が付いています。

 

好きな曲を検索し、お気に入りに追加して再生しようとすると、自動的にシャッフル再生されるうえ、スキップできる回数にも上限があるので、あとは流れてくる曲を聴くしかない、ということになります。

 

ユーザーの意図に完全に沿った操作ができない無料プランは「ラジオ」に近いイメージですね。これは見方を変えると、ラジオのように「BGMとして音楽を流しておければOK」な人は無料プランでも十分事足りる可能性がある、ともいえるでしょう。

 

ちなみにお気に入りのアーティストをフォローしたり、好きな楽曲をお気に入り登録したり、といった操作は可能です。こうした操作にて、自動生成されるプレイリストに“あなたの好み”を伝えていくことはできますが、シャッフル再生自体を避けることはできません。

 

有料プランでは前述の“機能制限”がなくなります。使うデバイスを問わず、聴きたい楽曲やアルバム、アーティストを自由に指名して再生できます。再生もシャッフルなしで楽しめます。曲送り・曲戻しといった操作にも制限はありませんし、広告も流れません。音質をより高品質に設定することも可能です。

 

さらにオフライン再生機能も追加されます。楽曲をあらかじめスマホなどの端末に保存し、通信なしで再生できる機能です。Wi-Fi環境で楽曲をダウンロードしておけば、スマホのデータ通信を節約したり、飛行機内など通信機能が使えない環境で音楽を聴いたり、といった楽しみ方が可能になります。  

 

無料プランから試す中でサービス自体が気に入った。あるいは、より便利に使ってみたいと感じた。こうした場合には、有料プランへの加入を検討してみるのもよいでしょう。

メリット②:新作に強い

2つめのメリットは「新作に強い」こと。とくに洋楽で顕著にみられる傾向ですが、新作が発売日(作品によっては発売前)から全曲フル試聴できるケースも珍しくはありません。

 

さらに「Spotify上で聴ける新作が多い=プレイリストにも新作が登場してくる」ともいえます。つまり、Spotifyを使っていると自然と新曲を耳にする機会も増える、というわけです。 最新のトレンドを追いかけたい人にもSpotifyはオススメです。 

メリット③:デバイス間での同期が強力

スマホにタブレット、パソコンも……と複数のデバイスを使っている場合には、Spotifyの「デバイス間での同期機能」もメリットとなること、間違いありません。

 

同じアカウントでログインされたデバイスであれば、マイライブラリやプレイリストの中身、さらには再生中の楽曲データまでも自動同期される仕組みになっているのです。試しに2台のスマホで同時にSpotifyを開いてみた様子が下の写真。音楽を再生しているのは左の端末ですが、アプリを開いただけの右の端末でも「他のデバイスで音楽が再生中であること」が認識されています。

例えば、自宅のパソコンで再生していた音楽を外出前にスマホへ同期。あとはスマホを持って出かければ、外出中に“さっきの続き”から音楽を楽しめます。

 

また「Spotify Connect」と呼ばれる機能を使うと、手元のデバイスで、他のデバイス上での再生を“遠隔操作”することも可能です。Spotify Connectは同じWi-Fiネットワークに接続されており、かつ同じアカウントでSpotifyにログインされたデバイス間で使える機能。

 

普通なら再生するデバイスを変更する場合は「今使っているデバイスで音楽を停止する操作」と「これから使うデバイスで音楽を再生する操作」の2手間が必要です。でもSpotify Connectを使うと1つの操作(1手間)で再生先デバイスを切り替えできます。

 

これらの同期機能は慣れると、もはや手放せないものになってしまいます。

デメリット:手元の楽曲はアップロード&プレイリスト追加不可

ここまでがSpotifyに感じたメリット。一方で、他の音楽ストリーミングサービスと比べてみるとデメリットもあります。それはズバリ「Spotifyのライブラリにない楽曲は再生できないこと」です。

 

YouTube MusicやApple Musicなど他の音楽ストリーミングサービスには、自分の手元にある楽曲データ(mp3形式やaac形式のファイル)をアップロードし、各サービス上でストリーミング再生できる機能があります。こうした楽曲データのアップロード機能を使うと、サービスにもともと登録されている楽曲と、自分の手元にしかない楽曲をミックスしたプレイリストも作れます。この機能がSpotifyにはないのです。

 

もしSpotifyのライブラリにはない楽曲を聴きたい場合は、他のサービスやアプリを使って再生するしか方法がない、ということになります。 手元にある楽曲をMIXして自分好みのプレイリストを作りたい場合などにも、他のサービスを使う(あるいはSpotifyと併用する)ことを検討してみましょう。

無料プランと有料プランの比較

Spotifyのメリット・デメリットを一通りおさえたところで、最後に有料プランについて、もう少しだけ詳しく触れておきます。

 

2023年4月現在、Spotifyの有料プラン「Spotify Premium」は4種類用意されています。

 

  • “標準プラン”の「Standard」(月額980円・税込)
  • 同居カップル向け(2名用)の「Duo」(月額1,280円・税込)
  • 最大6名の同居家族で使える「Family」(月額1,580円・税込)
  • 学生専用の“学割プラン”「Student」(月額480円・税込)

 

4つの有料プランいずれにおいても、「広告なしで音楽が聴ける」「ネットがない環境でも楽しめる(=オフライン再生が利用できる)」「好きな曲を自由に楽しめる(=オンデマンド再生できる)」というメリットは共通です。

 

加えて、“同居”という条件を満たせばカップルや家族で割安に使えたり、学生なら学割適用で安く使えたり、という追加のメリットが受けられるものになっています。

 

無料プランと有料プラン(4プラン)の特徴のうち、最低限おさえておきたい内容を表でまとめておきます。

 

◆◆◆比較表◆◆◆

プラン名 月額料金 (税込) 発行アカウント 機能 備考
無料 1つ ・広告付き
・ポッドキャストのみオフライン再生可
・スマホでは再生楽曲は指定不可 (PC、タブレット、ゲーム機では指定可)
 
Standard 980円 1つ ・広告なし
・コンテンツを問わずオフライン再生可
・デバイスを問わず再生楽曲を指定可
 
Duo 1,280円 2つ ・広告なし
・コンテンツを問わずオフライン再生可
・デバイスを問わず再生楽曲を指定可
・申込時に「同一住所に居住」の確認あり
Family 1,580円 最大 6つ ・広告なし
・コンテンツを問わずオフライン再生可
・デバイスを問わず再生楽曲を指定可
・子供用アプリ(Spotify Kids)利用可 (簡易デザイン/ペアレントコントロール対応)
 
・申込時に「同一住所に居住」の確認あり
Student 480円 1つ ・広告なし
・コンテンツを問わずオフライン再生可
・デバイスを問わず再生楽曲を指定可
・申込時に「在学中」証明の情報提出が必要

Spotify Premium Family限定機能「Spotify Kids」

家族向けのSpotify Premium Family限定機能として「Spotify Kids」というものも用意されています。

 

Spotify Kidsは子供向けにデザインされたSpotify。再生できるコンテンツの範囲をキッズ・ファミリー向けに選別されたものだけに制限できる機能です。

 

利用する際は専用アプリ(Spotify Kidsアプリ)を使います。子供が使うスマホにこの専用アプリをインストール。子供向けにアカウントを作成して年齢設定をおこなえば、設定した年齢が対象年齢として扱われ、再生可能コンテンツが調整できます。

まとめ

無料から楽しめる音楽ストリーミングサービス「Spotify」。あらためてポイントを整理しておきます。

 

  • Spotify(スポティファイ)は北欧発の音楽ストリーミングサービス
  • 2023年3月時点で数千万以上の音楽やコンテンツが登録されている
  • 機能は限定されるが、無料でも“利用制限なし”で使える
  • 手持ち楽曲はアップロードできない

 

対応するデバイスが幅広いSpotify。手元にコレクションとして持っている楽曲データが多い場合を除けば「音楽ストリーミングサービスはSpotify一択」といってよいかもしれません。そのくらいに多くの魅力を備えたサービスです。

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*1 IPv6に対応していないサービス/サイトはIPv4接続となります。

*2 最大通信速度は光回線タイプによって異なります。最大通信速度はお客さまのご利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。

 

Contributor

まきはら とよかず

1986年生まれ。仙台在住。スマホなどに関心が強く、趣味で海外製品の個人輸入も。ややマニアなガジェット系ブログ「そうすけブログ.com」も更新中。

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