自宅でインターネット回線を使えるという意味で、「光回線がある」または「Wi-Fiがある」という人は多いですよね。そのため、光回線とWi-Fiを混同してしまっている人もいるかもしれません。しかし、光回線とWi-Fiは別物です。

本記事では光回線とWi-Fiの違いについて説明し、選び方や導入方法、トラブルの解決方法などについても詳しく解説していきます。

光回線とは

光回線とは、光ファイバーケーブルを使用しているインターネット回線のことです。有線接続のため非常に安定しており、高速な通信が可能になります。

光回線を導入済みの場合には、近くの電線から光ファイバーケーブルが自宅内に引き込まれており、ONU(回線終端装置)が設置されています。LANケーブルを使用してONUとパソコンなどの端末を接続すると通信できる仕組みです。また光回線以外でインターネットを利用するための方法としては、ケーブルテレビ回線・モバイル回線などがあります。

Wi-Fiとは

Wi-Fiはインターネット回線の種類ではなく、無線でルーターとデバイスを接続する通信方式です。

光回線で使用するWi-Fiルーターやモバイル回線で使用するホームルーター、モバイルルーターなどにデバイスを接続する際にWi-Fiを使用しています。Wi-Fiの電波が届く範囲内にデバイスがあれば接続可能です。

光回線とWi-Fiの違い

光回線とWi-Fiは上記の通り、比較できるものではありません。ただ、Wi-Fiルーターを用いれば光回線をWi-FiによってスマホやPCのデバイスと接続することができます。

一方でモバイルルーターやホームルーターなど、モバイル回線も同様にWi-Fi接続することができます。つまり「光回線によるWi-Fi接続」と、「モバイルルーターやホームルーターによるWi-Fi接続」という意味合いにおいては比較することができ、それぞれにやや異なる面があります。

利用可能な場所

光回線で使用するWi-Fiは自宅やオフィスなど、光回線を固定で引いている場所でしか利用できません。これに対してモバイルルーターなら持ち運びできるため、屋外でも利用可能です。

ホームルーターの場合は、据え置きなので基本的には自宅やオフィス内でしか使用できません。通信事業者によっては、コンセントがある場所なら自宅外でも使用できる場合があります。

利用開始までの時間

光回線でWi-Fiを新規で利用開始するのにはかなり時間がかかります。時期にもよりますが、申し込みをしてから1ヶ月程度はかかるものと捉えていいでしょう。

引っ越しが多い時期だと2カ月から3カ月程度かかることもあります。

これに対して、モバイルルーターやホームルーターでWi-Fiを利用する場合には利用開始まで比較的時間がかかりません。

申し込みをしてから数日程度で端末が届き、簡単な設定をするだけですぐにデバイスを接続できます。

回線工事の有無

光回線の場合には新規で導入するには電柱から自宅内に光ファイバーケーブルを引き込み、光コンセントを設置する工事が必要になります。利用開始まで時間がかかるのも工事があるためです。

これに対して、モバイルルーターやホームルーターの場合には利用開始時に工事を行う必要はありません。

導入する際にはどうすればいいのか

光回線とWi-Fiの違いをふまえたうえで、実際に使用するにはどの種類の光回線にするのか決める必要があります。

光回線のほかモバイルルーターやホームルーターは、多くの会社がサービスを提供しているため会社選びが重要です。

ここからは、インターネット回線の会社やWi-Fiルーターの選び方、接続方法などについて解説していきます。

光回線やWi-Fiの選び方

インターネット回線を契約するときの選び方について見ていきましょう。

光回線の選び方

光回線を選ぶ際には、次のような点をチェックしておく必要があります。

料金

光回線の料金相場は戸建てタイプなら1カ月で4,000円から6,000円前後、マンションタイプなら3,000円から5,000円前後です。相場と比較してあまり高すぎないところを選びましょう。

ただし10ギガプランの場合には、1,000円から2,000円程度割高になります。たとえばビッグローブ光 10ギガ(2年プラン)では、集合住宅の場合1年目が実質300円、一戸建ての場合は実質1,308円から利用できます。(※2024年6月27日時点での特典適用の場合)

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スマホとのセット割の有無

光回線事業者の多くは、スマホとのセット割を実施しています。対象となるスマホのキャリアは会社によって異なるため、自分が現在利用しているスマホのキャリアに合わせて選ぶのがいいでしょう。

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キャッシュバックの有無

会社によってはキャッシュバックを行っています。光回線の場合には総額で数万円程度のキャッシュバックを受けられることもあるためかなりおトクです。

速度

現在の光回線は1Gbpsのプランが主流ですが、10Gbpsのプランを提供する会社も増えてきました。オンラインゲームや高画質動画を楽しむという方など、速度を重視したい場合には10Gbpsのプランを選ぶのがおすすめです。

ただしWebサイトの閲覧やSNSなどの用途なら1Gbpsのプランで事足りることが多いです。動画視聴もフルHDくらいまでの画質ならほとんど変わらないでしょう。

モバイルルーター・ホームルーターの選び方

モバイルルーターやホームルーターを選ぶ際には、次のような点をチェックしておきましょう。

利用可能な通信容量

モバイルルーターやホームルーターは、スマホのように1ヶ月で利用可能な通信容量が決まっている場合があります。ストレスなく使えるように、普段の用途と照らして容量が充分なところを選びましょう。WiMAXのように容量が無制限のところもあります。

端末の扱い

モバイルルーターやホームルーターを利用する際には、専用の端末が必要です。サービスを利用開始する際に端末を購入またはレンタルをします。

購入の場合には、代金を確認しておきましょう。会社によって0円や1円のところもあれば20,000円から30,000円程度かかるところもあり差が大きいです。

速度

5Gの回線を使用できる会社なら、高速な通信が可能です。4GやLTEの回線だけを使用する会社の場合には、やや遅く感じられることもあるかもしれません。

自宅で光回線を導入するには

自宅で光回線を導入する際には、申し込みをしてから必要に応じて工事を行います。工事が済めば、Wi-Fiルーターを接続してインターネットを利用できるようになります。

光回線の申し込みをする

光回線のサービスを提供している会社にサービスの利用申し込みをしましょう。公式サイトに設置されている申し込みフォームなどから申し込めます。

その際、光コラボ事業者に申し込めば、回線事業者へ別途申し込みをする必要はありません。光コラボは、光回線とプロバイダをまとめて展開しているからです。

回線事業者に申し込みをするのであれば、別途プロバイダへの申し込みが必要になります。

光回線の工事を行う

光回線の申し込みをする際に、工事が必要であれば、工事の日程を調整します。工事当日は立ち会いが必要になるため、在宅できる日時を指定しましょう。

工事自体にかかる時間は1時間から2時間程度です。年度末など繁忙期は工事の日程がなかなか取れないこともあるので、余裕をもって申し込みするようにしましょう。

Wi-Fiルーターの設定を行う

Wi-Fiルーターそのものは、回線事業者からレンタルできる場合もあります。一方でそうでない場合にはあらかじめ自分で購入しておく必要があります。工事完了後、LANケーブルでONUとWi-Fiルーターを接続しましょう。そのWi-Fiルーターにスマホやパソコンなどのデバイスを接続します。

Wi-Fiルーターの選び方

Wi-Fiルーターを購入する際には、次のような基準で選びましょう。

光回線の速度に合わせて選ぶ

光回線の契約速度とWi-Fiルーターのスペックの組み合わせによっては、それぞれの性能を充分に発揮できない可能性があります。まず契約中の光回線の速度を確認してみましょう。

セキュリティ規格で選ぶ

Wi-Fiの通信は暗号化されていますが、古いセキュリティ規格を使用している機種だと解読されてしまう可能性があります。これからWi-Fiルーターを購入するのであれば、最新のセキュリティ規格であるWPA3に対応している機種を選びましょう。

使用デバイスとWi-Fiの接続方法

次に、デバイスをWi-Fiに接続するときの手順について見ていきましょう。

iPhone・iPadの接続方法

設定アプリから「Wi-Fi」の項目に入りましょう。

「Wi-Fi」のスイッチをオンにすると、電波が届いているWi-FiのSSIDが一覧になって表示されるので、そこから自分のWi-Fiルーターを選択します。

パスワードの入力を求められ、入力すれば接続されます。

自動接続にチェックを入れておけば、次回以降は電波が届く範囲に入ると自動的に接続可能です。

また、SSIDやパスワードは、ルーター本体の底部や取扱説明書などに記載されていることが多いです。

Android(スマホ・タブレット)の接続方法

Androidの場合も、iPhoneやiPadとほとんど同じです。設定アプリから「Wi-Fi」の項目に入り、スイッチをオンにしましょう。

それから、自分のWi-FiルーターのSSIDを選択しパスワードを入力すると接続されます。

iPhoneやiPadと同様に次回以降は自動接続が可能です。

PC(Windows)の接続方法

Windows PCの場合には、左下にあるWindowsマークから歯車マークをクリックしましょう。

設定画面が開くので「ネットワークとインターネット」「Wi-Fi」へと進み、スイッチをオンにして「利用可能なネットワークの表示」をクリックします。

SSIDが一覧になって表示されるため、その中から自分のWi-Fiルーターを選び、接続をクリックしてパスワードを入力すると接続されます。

iPhoneやAndroidと同様にチェックを入れておくと次回以降は自動接続が可能です。

PC(MAC OS)の接続方法

MAC OSの場合には画面上のメニューバーの中にあるWi-Fiマークをクリックし、Wi-Fiのスイッチをオンにしましょう。

電波が届いているWi-FiのSSIDが一覧になって表示されるため、自分のWi-Fiルーターを選択してパスワードを入力すると接続されます。

Wi-Fiの利用シーン

ここまではWi-Fiの選び方や導入方法について触れてきましたが、Wi-Fiを導入できればあらゆるシーンで便利に利用できます。

PCやスマホ・タブレットを使用する際にWi-Fiを利用することはもちろん、IoT家電を使用する際にもWi-Fiが活躍します。

それぞれ詳しくみていきましょう。

PCやスマホ、タブレット端末の使用

自宅でPCを使用するときに、Wi-Fiがあれば無線で接続できます。

複数の端末を同時に接続できるため便利です。

スマホやセルラーモデルのタブレット端末も、自宅ではWi-Fiに接続して使用すれば、通信容量を消費しません。

IoT家電の使用

最近ではインターネットに接続して使用できるIoT家電が増えています。そしてIoT家電を使用するならWi-Fiは必須です。

Wi-Fiに接続することで、スマホから操作できるようになるIoT家電などもあります。

Wi-Fiが繋がらないときに確認したいこと

インターネット回線を契約してデバイスをWi-Fiに接続しようとしても、うまく繋がらないこともあるかもしれません。

その場合には、設定を間違っているケースが多いです。まずはSSIDやパスワードが間違っていないかどうか確認しましょう。

Wi-Fiの設定画面には、電波が届いているWi-FiルーターのSSIDが全て表示されるため、間違えて別のルーターを選択している可能性もあります。

光回線でWi-Fiルーターを使用する場合には、LANケーブルがきちんと差し込まれているかどうか確認しましょう。それと併せてモードの確認も必要です。

AP(アクセスポイント)モードやブリッジモードになっている場合には、RT(ルーター)モードに切り替えましょう。切り替えスイッチはルーターの背面などに付いている機種が多いです。付いていない機種の場合には管理画面で切り替えできます。

Wi-Fiの速度が遅いときの理由と対処法

Wi-Fiにデバイスを接続したものの、速度が遅いと感じるときもあるかもしれません。そのような場合に考えられる理由と対処法を見ていきましょう。

光回線で速度が遅くなる理由

光回線でWi-Fiを使用していても速度が遅いなら、電波干渉を起こしている可能性があります。特に電子レンジやテレビなどがルーターやデバイスの近くにあると電波干渉を起こしやすいです。

また複数のデバイスを接続している場合には、そのうちのどれかで大容量の通信を行うと他のデバイスで速度が遅くなることがあります。光回線とはいえ、利用可能な帯域は限られており、大容量の通信を行っているときには帯域が圧迫されるためです。

モバイル回線のWi-Fiで速度が遅くなる理由

モバイルルーターやホームルーターの場合にも、光回線のWi-Fiと同様の理由に加えて、モバイル回線の電波状況により遅くなることもあります。

平日の夜や土日の昼間など、回線が混雑しやすい時間帯だと遅くなりやすいです。また通信容量が決まっているプランを利用している場合には、使い切っている可能性もあります。

通常、通信容量を使い切ると低速での通信しかできなくなるためです。

速度を改善するための対処法

光回線でWi-Fiの速度が遅いときには、ルーターの設置場所を工夫しましょう。電子レンジやテレビから離れた場所に置けば改善できることもあります。

またWi-Fiルーターにデバイスを接続する際の周波数帯が2.4Ghz帯になっている場合には、5.0Ghz帯に変更してみましょう。

2.4Ghz帯は他の無線機器でもよく使用されており、電波干渉を起こしやすい特徴を持ちます。これに対して5.0GhzはWi-Fi以外の用途ではほとんど使われていないため、電波干渉を起こしにくく通信が安定しやすいです。

また大容量の通信を行う用途や、速度を重視する用途で使用する場合には、できるだけ時間をずらすようにしましょう。たとえばクラウドストレージにサイズの大きいファイルをアップロードしているときに、別のデバイスで動きの激しいオンラインゲームをするのは避けた方が無難です。

光回線とWi-Fiを上手に使いこなそう

光回線は光ファイバーケーブルで通信を行う固定回線です。

Wi-Fiは、ルーターにデバイスを無線で接続する通信方式を指します。両者は別物ですが、Wi-Fiルーターがあれば、光回線でWi-Fiを使用できます。光回線とWi-Fiの違いを理解した上で、上手に使いこなしましょう。

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