10ギガ回線なら家族同時使用でも乱れないオンライン会議ができる-09
(提供BIGLOBE)


渡辺まりか
- 本記事は作成時点の内容です。
最近話題の光回線10ギガタイプ(提供BIGLOBE)を、IT系ライターが実際に契約して使ってみました。その体験談を綴るシリーズです。
リモートワークは、今や当たり前の働き方になりつつあります。
リモートワークにつきものなのが、オンラインミーティング。会社から補助してもらってインターネット回線を見直した、という話もよく聞きます。
とはいえ、家族の誰かがYouTubeやAmazon Prime Videoなどの動画を見ていると、通信速度がグッと遅くなり、相手の声がプツプツ切れるし、相手から聞き直されることも多い、映像が止まってしまうといった経験をしたことがあるかもしれません。
特に夏休みなどの長期休暇では、お子さんが家でネットを楽しんでいる時間帯は恐怖に感じることでしょう。「ちょっと今、大事な話をしているから、動画を見ないで!」と言いたくもなるものです。
では、10ギガ回線でも同じような状況になってしまうのでしょうか。実際に、編集部員と平日の午後にオンラインミーティングを行い、回線によってどれほどの違いが生じるのかを検証してみました。
検証環境
使用した端末は「ONEXPLAYER X1 mini」です。CPUにAMD Ryzen 7 8840Uを搭載しており、ディスプレイのリフレッシュレートは144Hz。ゲーミングミニPCなので、そこそこ高いスペックを持っています。
スピーカーフォンは、企業でも導入される高音質の「Jabra Speak2 75」を使いました。また、Webカメラは、解像度640×480と、あまり高くないものを使いました。相手にどのように見えているのか気になるところです。
なお、オンラインミーティングツールは「Zoom」を使いました。ビューは、発言者が拡大表示されるスピーカービューを利用します。
10ギガ回線と1ギガ回線で違いが生じるかを確認するため、ミーティング中にSSID(アクセスポイント)を何度か切り替えました。無線LANルーターのスペックは、以下の表を参考にしてください。
BIGLOBE光 10ギガ | 他社1ギガ光回線 | |
---|---|---|
無線LANルーター | TP-Link Deco BE85 | E-WMTA2.4 |
対応Wi-Fi規格 | Wi-Fi 7 | Wi-Fi 6 |
対応周波数帯 | 2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯 | 2.4GHz帯/5GHz帯 |
伝送速度 | 22Gbps | 最大2.4Gbps |
オンラインミーティング開始
10ギガ回線を試す
まず、10ギガ回線に接続して合計4人で会話をしました。筆者以外の他の3人の回線は、それぞれ10ギガ回線、1ギガ回線、スマートフォンキャリア回線です。
スマートフォンから接続している人の声のみ、まれに途切れることがあったものの、映像自体は滑らかで美しく、「4K映像の撮れるWebカメラを使っているのかな?」と思うほどでした。
画面の向こう側にいる編集部員からの感想を聞いたところ、「映像がカクつくことはなく、ピクセル感もなくなめらか。音声が非常にクリアで、この音質のまま動画配信や音声配信をしたら、聞く側にとっても気持ちいいかもしれない!」との声をもらえました。
1ギガ回線を試す
つづいて、1ギガ回線の検証です。
切り替え時に一瞬だけ映像が止まりましたがミーティング自体は続行できました。

各自が発声するとフォーカスされる人物が切り替わっていきます。小さい表示のときには分かりづらいのですが、スピーカービューで発言者が大きく表示されると、10ギガ回線で接続していたときと比べ、画像が粗いと感じられました。また、時折動きが止まって、その直後に早回しのように表示されることもありました。
これは、Bluetooth接続したイヤフォンで、データが途中で詰まり、音声が一気に流れてくるのに似ているなぁと感じました。
1ギガ回線しか使ったことがなければ、あるいはこの検証のはじめに10ギガ回線を利用しなければ、全く気にならないレベルではありますが、10ギガ回線接続を体験した後では、ザラザラとした感じが気になってしまいました。
編集部員からは、「わずかだけれど動きがカクカクしている」、「電話で話しているような声、とまではいかないけれど、1枚の膜がお互いの間にあるような声質、割れている音声になった」という感想を得ました。
オンラインミーティング中に誰かが動画を見始めたらどうなるのか
普段は学校に行っているお子さんたちも家で過ごすことが増える夏休み。動画を見る、ゲームをする、オンライン学習をする、などさまざまな理由でインターネットに接続することでしょう。
では、そのようなときにオンラインミーティングの画質や音質は何かしらの影響を受けるのでしょうか。別の端末(Fire Max 11)で、動画(Amazon Prime Video)を流して検証していきましょう。
1ギガ回線で同時接続
まずは1ギガ回線で、オンラインミーティングをしながら動画をすぐそばで流してみます。
筆者側からは、大きく表示される発言者の画像の粗さが1段階上がったように感じられました。ピクセルが目立ち始めたのです。
また、スマートフォンから参加していた編集部員の声の途切れ方も、わずかですが増えました。先方がモバイル回線を使っていたこともあり、最初から途切れて聞こえることがありましたが、それが微増した、という印象です。
画面の向こう側にいる編集部員からは、同時接続を始めてから「動きがカクカクする、粗さが目につくようになった」という感想をもらいました。
10ギガ回線で同時接続
オンラインミーティングをしている端末の接続先を10ギガ回線に戻し、先ほどと同じようにFire Max 11も10ギガ回線に接続して動画を流します。

筆者側から見た映像や声は、動画を流していないときとほとんど変わりません。そこで、さらに別の端末でYouTubeを流すことにしました。
その場合でも、映像がカクつく、一時的でも止まる、音声が途切れる、というような症状は見られませんでした。
編集部員に聞いてみたところ、「動画を見ているということに気づかなかった」とのことでした。
1ギガ&10ギガでオンライン会議、実際どうだった?
ここまで1ギガ、10ギガそれぞれでのオンライン会議をレポートしてきましたが、参加したメンバーそれぞれの雑感をまとめてみました。
1ギガ回線 | 10ギガ回線 | |
---|---|---|
通常のオンライン会議 | ・わずかだけれど動きがカクカクしている ・ピクセル感(ザラつき感)がある ・電話で話しているような声、とまではいかないけれど、1枚の膜がお互いの間にあるような声質、割れている音声になった | ・映像のカクつきは感じられずなめらか ・映像の解像度が高い ・音声が非常にクリア |
オンライン会議+動画再生 | ・映像のカクつきが目立ち始めた ・粗さが目立つようになった ・先方の回線によっては途切れがちになった | ・オンライン会議をしているのとは別の2台の端末で動画を再生していても変化が見られなかった ・(先方が)動画を見始めたことに気づかなかった |
会議の映像も心も美しく
1ギガの光回線を契約して約7年。これまで筆者はオンラインミーティングやオンライン取材、インタビューなどで不足を感じることがほとんどありませんでした。
そのため、「10ギガ回線にしたからといって、映像や音声の品質に、そこまで差が出るのだろうか」と懐疑的でもありました。
しかし、今回、編集部員の協力の元、回線を何度か切り替えて検証した結果、自分から見える映像や聞こえる声に違いがあること、またPCの向こう側では、筆者が感じている以上の違いが生まれているということを知りました。
その差が顕著になったのは、別の端末で同じ回線を使い、動画を視聴(実際には誰も見ていないので、流しているだけですが)している間でした。最大1Gbpsという帯域を複数の端末で分け合うのですから、品質が低下するのも当然です。
仕事中、騒がしく話しかけてくる子どもたちを部屋から追い出したと思ったら、今度は自室で動画を見始めて回線速度が下がり、「ちょっと今、仕事しているんだから動画を見ていないで!」とイライラするとしたら、親にとっても子にとっても悪影響を及ぼすでしょう。
しかし、10ギガ回線なら、たとえ他の端末が動画配信のために700Mbpsで通信をしたとしても、9300Mbpsの余裕があります(あくまでも理論値です)。家族の数人が、それぞれ別の端末で動画を見たり、オンライン学習をしたり、オンラインゲームをしたりしても、オンラインミーティングの品質が低下するということがないので、おおらかな心で過ごせるのです。
美しく滑らかな映像、聞き取りやすいクリアな音質、そして家の中で誰かが通信帯域を圧迫するようなことはないという穏やかな心――10ギガ回線があれば、これらすべてを手に入れられるということを改めて認識する検証となりました。

Contributor 渡辺まりか