▲工事は屋内だけで終わりません

最近話題の光回線10ギガプラン(BIGLOBE提供)を、IT系ライターが実際に契約するところからやってみた体験談を綴るシリーズです。

前回は、自宅回線のスピードに不満が出てきたことからビッグローブ光10ギガプランを検討した結果、申し込んで開通工事を待つだけ、というところまでお伝えしました。

そしてついに開通工事日がやってきて、開通に成功しましたので、その様子をリポートします。工事前や工事日に注意しておきたいポイント、また工事スタッフから教えてもらった「スムーズに開通工事を行うコツ」なども紹介していきますよ。

工事前からサポートバッチリ

前回の記事で、書類や工事日の確認などがSMS(ショートメッセージサービス)で届くということをお伝えしました。

最初のメールから数日後、工事が近づくとさらに同様の内容のSMSが届き、ハガキが届き、さらに「立会をお願いします」という電話もかかってきます。SMSでは工事日の告知と立会依頼という一方的なコミュニケーションになってしまいますが、電話では、工事してもらうにあたり、抱いている不安や疑問について質問することもできます。

▲工事日のお知らせとともに、立会を依頼するメールが届きます

普段、電話がかかってくるのをあまり好まない筆者でも、このようなサポートはありがたいと感じました。

おかげで、掃除をしながら工事日を穏やかに迎えることができました。

ファーストステップは宅内工事

筆者宅の工事の時間帯は「午後」に決定しています。午後というのは、午後1時から5時の間。時間に幅があっても、「確実に午後であること」、「訪問時刻の目処がついた時点で電話をかけてくれること」がわかっているので、午前中にしておかねばならない用事を済ませておきます。

やがて何時頃に到着するかという電話が、ビッグローブ光契約時に登録した携帯電話番号にかかってきて、その少し後に工事スタッフがやってきました。スタッフの許可を得て工事作業に密着します。

光ケーブルを出し入れする場所は、前回、他社回線契約時の工事をしたときに把握しています。その部屋へ案内すると、手際よく壁の光コンセントカバーを外し、持ってきた光ケーブルをどんどん挿入していきます。

▲むき出しになったコンセントと光コンセント。右下に「光」という文字が見えます

▲赤いケーブルが光ケーブル。どんどん挿入していきます

実はこの光コンセントから下、壁の内側には専用の配線パイプが通っています。光ケーブルを挿し込んでいくと、パイプの中を通って外壁に取り付けられている「入線口」(光ケーブルの他、TV線、電力線、電話線などを屋内に引き込む箇所に設置してある防雨カバー)まで到達します。それを確認したら、屋外作業へと移ります。

配線パイプの通り道に注意!

ここで想定外の事態が生じます。いくら挿し込んでも、屋内からの光ケーブルが入線口に到達しないのです。

よく調べてみたところ、配線パイプが別の部屋の壁を迂回していることが判明。その部屋でも作業してもらい、無事に屋外へ出すことができましたが、片付けていない部屋だったので恥ずかしく思いましたし、把握しているつもりでできていなかったことから、手間と時間を工事スタッフに掛けさせてしまい申し訳ないなと感じてしまいました。

事前に配線図を確認しておけば良かったと後悔しました。

屋外作業は大掛かり!

なんとか無事に外壁の入線口から出ることができた光ケーブル。風などで揺れて破断しないよう、外壁にしっかりとビスで固定します。

▲なお、光ケーブルは断線しないよう上側に光ファイバーの入った線を、下側にビニールだけの線という2本構造になっており、上と下の線には隙間が空いています

外壁に添わせた光ケーブルを、今度は自宅前にある電線に屋外線引留具を使って合流させます。正確にいえば、接続するわけではないので這わせるといったイメージです。壁から電線までの距離が遠くなればなるほど力のいる作業になるので、大変そうです。

▲外壁での処理を終えた2本の光ケーブルを手に、電線へ近づいていきます

▲屋外線引留具を設置し終えたところです

▲ケーブルを屋外線引留具に通していきます

自宅から出てきた光ケーブルを、無事に電線に合流させられたら、次は電柱まで移動します。

そこには「光クロージャー」と呼ばれる黒い箱があります。これは、NTT局舎からの光ファイバーケーブルと屋内への引込線の接続部を保護する箱で、内側には複数の接続点を収納するトレイが格納されています。

▲光クロージャー

電柱での作業は、自宅から出てきた光ケーブル(NTT側から見れば自宅への引込線)を、この光クロージャー内の接続点へ接続するというものです。そのために、箱を開け、接続作業をし、再度元通り箱を閉めます。

▲光クロージャーの箱をしっかり閉じて、屋外作業は完了です

外壁へのビス止め作業は脚立の利用で済みますが、電線や電柱に関連した作業は高所作業車を使って作業します。一般的な乗用車より大きく、移動にも時間がかかるので、一軒家で工事を予定しているのであれば、事前に両隣へのあいさつが欠かせないなと感じました。

屋内で光回線終端装置をアクティベーション

工事の最終工程は屋内で行います。配線パイプ内に挿し込んでいた光ケーブルの先端に、光回線終端装置(以下、ONU)と接続するためのプラグを取り付け、データ通信できているかどうかをチェックします。

次いで、ONUを箱から取り出して動作チェックをし、外箱のコードを専用ソフトで読み取り、ONUをアクティベーションします。

プロバイダーのBIGLOBEが開通を確認し、データ通信できるようになるまで30分ほどかかるとのこと。ルーターの有無、設定の可不可について質問されましたが、すでに無線LANルーターがあること、自分たちで設定できることを伝え、工事作業は完了となりました。

無線LANルーターの設定はアプリでサクサク

用意した無線LANルーターは、「TP-Link Deco BE85」。Wi-Fi 7、WAN/LANともに10Gbpsに対応した超高速データ通信のできるタイプです。こちらはBIGLOBE光の10ギガ回線契約時、同時申し込みで購入することができます。

▲パッケージ内容。本体の他は、LANケーブル、ACアダプター、初期化用ピン、クイックガイドという構成です。ただ、付属するLANケーブルがCAT 6(最大伝送速度1Gbps)なので、ONUとは別に用意しておいたCAT 7(最大伝送速度10Gbps)を使います

▲TP-Link Deco BE85のLANポートは、いずれもWAN/LANに対応。速度を気にしなければ、どれに挿しても同じなので悩まずに済みます

クイックスタートガイドのQRコードから「TP-Link Deco」専用アプリをスマートフォンにインストールし、手順に沿って進めていきます。

▲ステップバイステップガイドがあるので、難なくセットアップできます

▲接続後、Wi-Fiの設定をしています。これにはSSIDの設定とパスワード設定が含まれます

▲無事に設定が完了して、10ギガの高速インターネットを使えるようになりました

接続がうまくいかない場合は、TP-Link Deco BE85とONUの電源とLANケーブルを抜いて、5分ほど経ってから再起動させるとうまくいきますよ。

工事作業をスムーズに行ってもらうコツは?

工事スタッフの方はとても親切ていねいに作業してくださいましたが、ユーザー側である筆者としては、反省すべき点の残る工事になりました。

工事前の近所へのあいさつをしなかった

高所作業車による作業も含め、宅内工事の時間も含めると、約30分~45分ほど家の前の道路に大きなものを停めておくことになります。たまたま両隣とも、車の出入りのない時間帯でしたが、もし作業時間中に両隣の車が戻ってきたらどうしようかと気が気ではありませんでした。前日までにあいさつを済ませておけば良かったと後悔しました。

屋内配線の正確な把握をしていなかった

光ケーブルが屋外の入線口から出ていると思って工事スタッフが脚立を用意して作業を始めたにもかかわらず、到達していなかったため、何度も屋内外を往復させることになり、また脚立を出したり引っ込めたりさせてしまったため、時間を無駄にさせてしまいました。

配線図などを確認し、事前に配線状況を把握しておければ防げたと思います。

工事も終わり、快適なインターネットライフが始まりました!次回からは、10ギガ回線の“リアル”についてお伝えしていきますね。