Wi-Fiに接続しようとしているときに、なぜか「IPアドレス取得中」からなかなか進まないことがあります。今やインターネットは生活にも、仕事にもなくてはならないツールですから、接続できなくなるというのは非常に困る状況です。
そこで、ここでは「IPアドレス取得中」からなかなか進まないときの主な原因とその対処法について解説したいと思います。また、そもそもIPアドレスとは何なのかについてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

Wi-FiのIPアドレスとは?

IPアドレスとはネットワークに接続する際に、パソコンやスマホ、タブレットなどの端末に割り当てられる識別番号です。ネットワーク上の住所のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。
そんなIPアドレスには、グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスがあります。それぞれについて詳しくみていきましょう。

グローバルIPアドレス

インターネットに接続する際に使用するIPアドレスです。
世界中どこからでも、誰でもが接続できるオープンなもので、同じものが存在するとデータの送受信などに不具合が起こることから、グローバルIPアドレスは重複なく割り当てられています。

プライベートIPアドレス

オフィス内や家庭内など限られた空間(ローカルネットワーク:LAN)でのみ使用するIPアドレスです。
プライベートIPアドレスはパソコンとプリンター、スマホとWi-Fiルーターなど端末間でのみ接続する限定的なもののため、同じものが別のローカルネットワーク上に存在しても問題ありません。

IPv4アドレスとIPv6アドレスの違い

これまで主に使われてきたIPアドレスは「192.168.1.1」のように4つの数字(0〜255)で表されるIPv4アドレスです。しかし、IPv4アドレスで使用できる組み合わせは約43億個しかなく、すでにほぼすべてが割り当てられています。
そこで新たに登場したのが、IPv6アドレス。これは約340澗個(2の128乗)という途方もない数のIPアドレスの組み合わせが可能なもので、すでに多くのプロバイダーが対応を進めています。今後はこのIPv6アドレスへの移行が進むことでしょう。

IPv4IPv6
アドレス形式0~255の数字4つの組み合わせ数字とA~Fまでのアルファベット(16種類)4つの組み合わせを8個組み合わせたもの
利用可能アドレス数約43億個約340澗個(2の128乗)

セキュリティに関しては、IPv6のほうは「IPsec」という技術が用いられており、高い安全性が保たれています。IPv4でも「IPsec」は利用できますが、オプションのため必須ではありません。

IPv6への移行状況 (Google IPv6)

IPアドレスのセキュリティリスク

IPアドレスのセキュリティリスクに関してはどうでしょうか。

IPアドレスのうちプライベートIPアドレスのほうであれば、漏洩しても特に問題はありません。前述の通り、同じものが他のローカルネットワーク上にいくつも存在しているため、プライベートIPアドレスを見ただけでは、特定できる情報はほとんどありません。

しかし、グローバルIPアドレスが漏洩した場合には、セキュリティリスクに晒される可能性があるため注意が必要です。例えば、個人情報特定や不正アクセス、なりすましなどが挙げられます。

個人情報漏洩のリスク

IPアドレスが漏洩した場合に特定できる個人情報は主におおよその位置や利用中のISPなどの情報です。

位置に関しては広い場合には都道府県単位、狭く絞り込めても市町村単位までです。市町村より狭い範囲までIPアドレスから知ることはできません。
ISPに関してはほぼピンポイントでわかってしまいます。光回線やCATV回線、モバイル回線などもIPアドレスから区別できることが多いです。

動的なものと固定のものがある

前項でご紹介したグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスは割り当て方の違いによって、それぞれさらに2つのIPアドレスに細分化されています。

動的IPアドレス

ネットワークに接続するたびに別の数値が割り当てられる動的なIPアドレスです。
ネットワークに接続した時点で空いているIPアドレスが自動的に割り当てられる仕組みで、一定時間が経過したり、接続が切れたりすると再び別の数値が割り当てられることもあります。

固定IPアドレス

ネットワークに何度接続しても、同じ数値が割り当てられるIPアドレスです。
社外から社内のファイルサーバーにアクセスしたいときのように、外部から特定の端末にアクセスする必要があるときに用いられます。また、接続端末を制限する(アクセス制限)こともでき、セキュリティを強化するのにも最適です。

IPアドレス取得中から進まない原因

光回線のような超高速の回線を使用していても、Wi-Fi接続時に「IPアドレス取得中」から進まなくなることがあります。その原因としては主に3つです。

ケーブルや端末の不具合

Wi-Fiルーターに接続しているLANケーブルが劣化していたり、端末そのものが不具合を起こしていたりするとIPアドレスの取得がうまくいかないことがあります。

Wi-Fiルーターの設定間違い

前項のようなWi-Fiルーターに不具合はなくても、設定間違いでIPアドレス取得ができなくなることがあります。初期設定のままではまず起こらないトラブルです。何らかの理由で端末の設定を変更したときに起こることがあるので注意しましょう。

Wi-Fiルーターの接続数オーバー

Wi-Fiルーターには同時接続可能数が定められています。家族が多いなどの理由でパソコンやスマホ、ゲーム機など一度に多くの端末を接続してしまうと、同時接続可能数を超えた分の端末はIPアドレス取得ができなくなることがあるのです。

IPアドレス取得中から進まないときの対処法

では、前項でご紹介したような原因によって、Wi-Fi接続時にIPアドレス取得ができないときはどうすればいいのでしょうか。その対処法について解説します。

Wi-Fiルーターを再起動させてみる

Wi-Fiルーターを再起動させてみてください。それだけで改善することがあります。また、LANケーブルが古いものなのであれば、買い替えも検討しましょう。

Wi-Fiのネットワーク名を確認する

接続しようとしているWi-Fiのネットワーク名を確認してみてください。そもそもWi-Fiのネットワーク名を間違えていることがあります。

同時に接続する台数を減らしてみる

Wi-Fiルーターの同時接続可能台数を超えているのであれば、台数を減らしましょう。家族が多いなどでどうしても台数を減らせないのであれば、接続する時間をずらすか、同時接続可能台数のより多いWi-Fiルーターに買い替えるのも手です。

IPアドレスについてよくある質問

IPアドレスについてよくある質問とその回答を見ていきましょう。

IPアドレスの変更は可能?

IPアドレスはONUやモデムなどの機器を再起動してインターネット接続をいったん切断して接続し直すことで変更されます。ただし、地域とプロバイダー、回線などに関する情報は変更されません。また、プロバイダーや回線事業者によっては、変更されない場合もあります。
また、IPアドレスにはプロバイダーに関する情報が含まれるため、プロバイダーを変更すれば必然的に変更されます。
それぞれの方法のメリットとデメリットは次の表の通りです。

メリットデメリット
機器の再起動・とりあえず簡単に試せる・変更されない場合もある
・IPアドレスからわかる情報はそのまま
プロバイダーの変更・IPアドレス漏洩後の対策としては効果的・非常に手間がかかる
・あまり現実的でない

モバイル端末でのIPアドレスはどうなっている?

スマホなどのモバイル端末では、携帯電話網の回線とWi-Fiの両方を使用できて、接続先によりIPアドレスも異なります。Wi-Fiに接続している場合には、同じネットワーク内のPCと同じIPアドレスです。携帯電話網の回線の場合には、携帯キャリアに関する情報がIPアドレスに含まれています。
Wi-Fiの電波が届かないところへ行くと自動的に携帯電話網の回線に切り替わる仕組みです。また、Wi-Fiの電波が届くところへ戻ったときには、Wi-Fiのほうに切り替えられます。手動での切り替えも可能です。
切り替え時には一瞬だけですが、どちらの回線からも切断されている状態になります。その影響で通信が不安定になることもあるかもしれません。

IPアドレスで個人の特定まではできなくても漏洩には注意しよう

IPアドレスはインターネットに接続されているデバイスを識別するためのものです。地域やプロバイダーなどの情報が含まれていますが、個人の特定まではできません。ただし、IPアドレスが漏洩すると、なりすましや不正アクセスなどのリスクが高まるため、扱いには注意が必要です。

また、ルーターに接続する際にIPアドレスの取得がなかなか進まないときには、設定が間違っていたり接続台数が多すぎたりするのがよくある原因です。設定を確認したり接続するデバイスを減らしてみたりしてみましょう。ルーターの再起動で改善できる場合もあります。

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