家のWi-Fiが遅くなる原因は?対策も合わせて解説!


けいろー
- 本記事は作成時点の内容です。
企業によってはテレワークが当たり前になりつつある昨今。家で仕事をする際に特に重視したいのが、通信環境です。
もし自宅の通信環境が不安定ならば、オンライン会議などの場面でトラブルが発生する可能性があります。音声が途切れやすくなったり、相手とのやり取りにラグが発生したりと、コミュニケーションに支障をきたしかねません。
そこで本記事では、Wi-Fiが遅くなったときの対策をご紹介。自宅のWi-Fiが遅くなったときに考えられる原因と対策を、まとめて説明します。
Wi-Fiの「上り」「下り」とは?

まず確認しておきたいのが、Wi-Fiの「上り」と「下り」の違いについて。
通信速度について調べていると、「上り」「下り」という言葉を目にすることがあります。これらは、それぞれ「アップロード」と「ダウンロード」の速度を表すもの。通信速度を計る際には別々に計測されます。
特に「下り」はデータのダウンロードの速さに影響を与えるため、普段から意識している人も多いのではないでしょうか。たとえば高画質の動画を快適に見るには、一定以上の速度が欲しいところです。
逆にアップロードの速さに関係する「上り」は、ネット上に動画や音楽などを投稿している人以外はあまり気にしたことがないかもしれません。ですが、オンライン会議などの双方向通信では、「上り」と「下り」の両方の速度が不可欠です。
いずれにせよ、もしWi-Fiが遅くなったと感じたら、「上り」と「下り」のどちらが遅くなっているのかをチェックしてみましょう。通信速度は、計測するサイトがいくつかあり、「Fast.com」「Speedtest」などのサイトにアクセスすると簡単に計測できます。
Wi-Fiの速度が遅くなる8つの原因&対処法
ではここからは、Wi-Fiの速度が遅くなる原因と対策を見ていきましょう。代表的な原因として8つの問題を挙げつつ、それぞれの対処法を説明します。
- ルーターとの距離が離れている/障害物がある
- 家電が電波干渉を引き起こしている
- 多数の端末とWi-Fi接続している
- 端末やルーターに不具合がある
- 回線が混雑している
- デバイスのスペックが不足している
- 通信障害が発生している
- それ以外の原因
原因①:ルーターとパソコンの距離が離れている/遮蔽物がある
Wi-Fiの電波は比較的遠くまで届きますが、ルーターとパソコンの距離が離れていると通信速度に影響が出ます。ルーターがパソコンと同じ部屋にあるか、別の部屋にあるかでは、少なからず通信速度が変わってきます。
また、距離よりも問題なのが、障害物の存在。Wi-Fiは、ドアや壁をひとつ隔てるだけでも通信速度に影響が出ます。特に金属・コンクリート・水はWi-Fiの電波を遮りやすいため、それらの近くにはルーターを設置しないようにしましょう。
対策としては、「ルーターの近く(同じ部屋)でパソコンを使う」もしくは「障害物がない場所にルーターを移動する」ことが挙げられます。
もしどちらも対応するのが難しい場合は、中継機やメッシュWi-Fiの導入がおすすめです。詳しくは「対処法②」「対処法③」の項目で説明します。
原因②:家電が電波干渉を引き起こしている
Wi-Fiと同じ周波数帯域の電波を発している家電が近くにあると、電波が干渉して通信がつながりにくくなる場合があります。
具体的には、電子レンジ・テレビ・IHヒーター・Bluetooth機器など。これらに限らず電波を発している家電はWi-Fiと互いに干渉する可能性がありますので、なるべく近くには置かないようにしましょう。
物理的に遠ざけることができない場合は、「周波数を変える」のもひとつの手です。
2.4GHzの周波数帯域はほかの家電やルーターと干渉しやすく、通信が不安定になりやすいと言われています。「周波数帯域を5GHzに変更したら、サクサクつながるようになった!」という声もよく聞きますので、試してください。
周波数の変更方法は、ルーターのマニュアルをチェックしてみましょう。
原因③:多数の端末とWi-Fi接続している
複数の機器や端末と接続できるルーターですが、接続先が増えれば増えるほどルーターへの負荷は大きくなります。混雑している飲食店のWi-Fiはつながりにくい傾向にありますが、それと同じですね。
この問題については、ふたつの対処法があります。
ひとつは、あまり使わない機器とルーターとの接続の解除。たとえば、ゲームで遊んでいないときはWi-Fiの接続を切るか、ゲーム機本体の電源を落とすようにしましょう。ルーターの負荷を軽減できるほか、節電にもつながります。
もうひとつは、アクセスポイントの変更。複数のアクセスポイントを使えるルーターなら、これだけで通信速度が改善されるはずです。接続する必要のある端末が多い場合は、複数のアクセスポイントを使って接続先を分散させましょう。
原因④:端末やルーターに不具合がある

ここまで説明した原因のどれにも当てはまらない場合は、端末やルーターが何らかの不調をきたしているケースが考えられます。特に「それまでは普通につながっていたのに、急につながらなくなった」場合はルーターに問題がありそうです。
対策としては、まずは「ルーターや端末を再起動する」こと。
基本的には、再起動を試みることで解決するケースが多いはずです。再起動の方法はマニュアルに記載されているかと思いますので、指示に従って再起動してみましょう。
また、ルーターのファームウェアが最新でなければアップデートしましょう。ファームウェアを最新にすると不具合が解消される場合があります。アップデート方法はメーカーによって異なりますので、マニュアルで確認してみてください。
原因⑤:回線が混雑している
ここまでに取り上げた原因は物理的な問題や環境要因が中心でしたが、シンプルに「回線が混雑している」ケースも当然ながら考えられます。
特に夜間や連休期間は、インターネットを使う人が増える傾向にあります。「特定の時間帯につながりにくくなる」ということでしたら、回線の混雑が原因だと考えて間違いありません。なるべく混雑を避けてネットを使うようにしましょう。
原因⑥:デバイスのスペックが不足している
ケースとしては少ないですが、Wi-Fiルーターまたは接続している端末のスペックが不足している可能性もゼロではありません。
特に古い機種のルーターや端末では、最新の光回線の速度に対応できないこともあります。せっかくの回線速度を有効に活用できていない状態ですので、買い替えることをおすすめします。
原因⑦:通信障害が発生している
ここまでに挙げた原因のいずれにも当てはまらない場合は、Wi-Fiルーターやデバイスではなく、使っている「回線」自体に問題が発生しているのかもしれません。
通信障害が発生すると、回線サービスを提供している事業者の公式サイトに情報が掲載されます。障害の規模、発生時間、いつまでに復旧する見込みがあるか、といったアナウンスがあるはずですので、障害の影響を受けていない携帯電話回線などからアクセスして確認してみましょう。
原因⑧:それ以外の原因
だいたいは上記7つのどれかが当てはまるはずですが、ごく稀に、それ以外の問題が原因となっていることがあります。と言っても、ほかに考えられるのは「端末の故障」くらいでしょうか。まずはここまでの内容に当てはまる原因がないか探してみてください。
そのうえで、ルーター周辺の環境に問題がなく、通信障害が発生しているわけでもなく、端末の再起動を何度試みても改善が見られない場合は、端末の通信機能自体が故障して使えなくなっているのかもしれません。メーカーに問い合わせて指示を仰ぎつつ、必要に応じて買い替えを検討してみてください。
Wi-Fiが遅い場合の対処法
ここまで、Wi-Fiの速度が遅くなる8つの原因と、それぞれの対策を見てきました。
以上のような対策を講じることで改善されれば良いですが、紹介したのはあくまでも「代表的な原因」に過ぎません。⑧のような原因不明のケースもあるでしょうし、対策を講じても速度が改善されない可能性もあります。そこでここからは、別の切り口からの解決策として、5つの対処法を紹介します。
- 対処法①:IPv6に変更する
- 対処法②:中継機を設置する
- 対処法③:メッシュWi-Fiを導入する
- 対処法④:接続方法を変更する
- 対処法⑤:利用時間をずらしてみる
対処法①:IPv6に変更する

もしルーターの接続方式がIPv4なら、IPv6に変更すると通信速度が改善されるかもしれません。
IPv6とは「Internet Protocol Version 6」の略。簡単に説明すると、「次世代のインターネットの接続方式」を指します。これまで主流だったIPv4とは別の接続方式であり、従来よりも高速通信が可能。集合住宅でも、回線の混雑を回避して通信を行うことができます。
IPv6について詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
対処法②:中継機を設置する
どうしてもルーターと端末との距離を縮めるのが難しい、あるいは障害物を避けて設置することができない場合は、Wi-Fiの中継機を設置するのもひとつの手です。
ここで言う「中継機」とは、その名のとおり「Wi-Fiの電波を“中継”して、電波の届く範囲を広げてくれる機器」のこと。
中継機があれば、たとえば1階のリビングに設置されたルーターから離れた2階の部屋にもWi-Fiを届けられますし、動かせない障害物を回避することも可能です。比較的安価で、コンセントに挿して使えるタイプのものもあるため、手軽に導入できる点も大きな魅力です。
ただし、接続台数が増えると親機の負担が増えて繋がりにくくなったり、接続先を毎回手動で選ぶ必要が出てきたりします。多数の機器を同時に接続している環境では、中継機ではなく、次の項目で説明するメッシュWi-Fiを検討したほうが良いかもしれません。
対処法③:メッシュWi-Fiを導入する

メッシュWi-Fiも、中継機と同様の役割を果たしてくれる存在です。ただ、「メッシュ」という名前のとおり、複数の中継機がつながりあうことで「網の目」のようなネットワークを構築しています。
網目状に電波を広げているメッシュWi-Fiは、点と点をつなぐ従来の中継機よりも広い範囲をカバーすることが可能。複数のルーターはお互いに電波を送受信しているため、常に最適な接続先を見つけて、自動でインターネットに接続してくれます。
また、網目状のネットワークのどこかで障害が発生した場合、問題のある地点を自動で回避して通信を行えるのもメッシュWi-Fiのメリットです。多数の端末を、同時に、安定した状態で接続したい場合は、メッシュWi-Fiの導入が最適解と言っても良いかもしれません。
接続台数に限らず、ルーターとの距離や位置、建物の構造、障害物などが問題となっている場合は、メッシュWi-Fiを導入すれば改善するケースが多いです。ルーターを新しく購入する際には、メッシュWi-Fiに対応した機種を検討してみてはいかがでしょうか。さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
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対処法④:接続方法を変更する
Wi-Fiの接続方法を変更することで、通信速度が改善される場合があります。原因②など、特に周辺環境が問題になっているケースの対処法ですね。
ほかの家電や電子機器と干渉しやすい2.4GHzの周波数帯域で接続している場合は、5GHzの周波数帯域に変更してみましょう。設定自体は簡単ですし、すぐに戻すこともできますので、試してみる価値は十分にあります。設定方法は機種ごとに異なるため、ルーターのマニュアルを参照ください。
対処法⑤:利用時間をずらしてみる
原因③または原因⑤についての対処法として、「利用時間をずらす」という考え方もあります。
たとえば、「接続台数が問題になっているものの、家族の人数が多くてどうしても減らすことができない」ということであれば、家族同士で話し合って、インターネットを使う時間をずらしてみる。前述のメッシュWi-Fiの導入が理想ではありますが、こうしてユーザー側の行動をコントロールする方法もあります。
もう一方の「回線の混雑」に対しても、「時間をずらして使う」のはシンプルながら効果的な対処法です。とはいえ、インターネットをまったく使えないのは不便ですので、「混雑する時間帯は、携帯電話回線で通信量の少ないコンテンツを見る」といった使い分けを考えてみてはいかがでしょうか。
それでもダメならどうすれば?
以上、Wi-Fiの通信速度が遅くなったときの原因と対策を説明しました。
本記事で取り上げた「IPv6」や「メッシュWi-Fi」に関しては、ビッグローブ光でも関連するサービスや製品を提供しています。通信速度を改善したい方は、ぜひご検討ください。
もしすべての方法を試してみても通信速度が改善しない場合は、そもそもの回線速度が遅いか、プロバイダや回線業者側に問題があるのかもしれません。その場合は、契約中のプランを別のものに変更してみるか、あるいは契約業者自体を変えてみるのもひとつの手です。
インターネット回線の事情も日々変化していますし、この機会に見直しや買い替えを検討してみるのも悪くはないのではないでしょうか。
以下の記事も併せてご覧ください。
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Contributor けいろー