マンションで光回線を利用している際に速度低下を感じる場合、さまざまな原因が考えられます。この記事では、マンションにおける光回線速度低下の主な原因と、それらを改善するための方法について詳しく解説します。まず、光回線の速度が実際に遅いのかどうかを判断するために、一般的な平均速度について確認しましょう。

光回線の平均速度は?

フレッツ光やフレッツ光を利用したコラボ光による光回線の実測値の平均速度は、下り(ダウンロード)で約200〜300Mbps、上り(アップロード)で約260〜300Mbpsが一般的です。公式サイトなどの速度表記は、すべての最高の条件が整った状態での理論値であることが多く、実際の速度(実測値)とは異なります。また、速度は時間帯や利用環境によって大きく変わることがあります。

基本的には、光回線であれば高速で安定した通信が期待できますが、マンションなどの集合住宅ではさまざまな要因によって速度が低下することがあります。以下で、戸建ての場合とマンションの場合とで光回線の速度の違いをみていきましょう。

戸建ての場合

フレッツ光やフレッツ光を利用したコラボ光による光回線を利用する戸建て住宅では、光回線の平均速度(実測値)は下りで200~300Mbpsが一般的です。戸建ての場合は、基本的に光回線が建物に直接引き込まれるため、安定した速度を保ちやすくなります。

ただし、プロバイダの混雑や使用機器の性能、利用環境によって速度が低下することもあります。特に古いルーターやLANケーブルを使っている場合、光回線の性能を十分に活かせないことがあるため、最新の機器を利用することが推奨されます。

マンションの場合

フレッツ光やフレッツ光を利用したコラボ光による光回線を利用するマンションでは、光回線の平均速度(実測値)は下りで30~300Mbpsと開きがあります。マンションでは、建物全体で光回線を共有している場合が多く、回線速度が低下することがあります。

光回線であっても、マンションの場合、既存の電話回線用メタリックケーブルを利用する「VDSL方式」を採用していることがあります。「VDSL方式」の場合、各住戸に引き込まれるのは光ファイバーではなく、既存の電話回線を使用するため、最大速度が100Mbps程度にとどまります。また、住戸数が多いマンションでは、同時にインターネットを利用する住人が多いと速度低下の原因になります。

マンションの通信速度が遅い3つの要因とは?

マンションで光回線の速度が遅いとき、3つの要因が考えられます。ここでは、マンションの通信速度が遅い主な要因について確認していきましょう。

要因1:配線方式

マンションで光回線を利用する際、①光配線方式、②VDSL方式、③LAN配線方式のいずれかが採用されています。

①光配線方式では、建物内の各住戸まで直接光ファイバーが引き込まれるため、この3つの配線方式の中ではもっとも安定した高速通信が可能です。 一方で、既存の電話回線用メタリックケーブルを利用する②VDSL方式や、各住戸までLANケーブルで接続する③LAN配線方式では、建物内の配線により速度が低下する傾向にあります。特にVDSL方式の最大速度は100Mbpsが上限となるため、「光回線」を謳っていても満足いく速度が出ないこともあります。

また、LAN配線方式は、各住戸までのLANケーブルの規格により速度に違いが生じます。CAT6以降の比較的新しいLANケーブルであれば、理論値で1Gbpsの速度となっていますが、古いLANケーブルの場合は最大速度が100Mbpsとなってしまいます。

このように、同じ「光回線」であっても、配線方式によって通信速度の違いが大きく出てしまうため、導入されている配線方式の確認が重要です。

要因2:時間帯による混雑

マンションの光回線は、マンション全体で光ファイバーを共有しているため、利用者が集中する時間帯には速度が低下することがあります。夜間や休日のゴールデンタイムでは、多くの住人が同時にインターネットを利用することで回線が混雑し、通信速度が低下する原因となってしまいます。プロバイダの混雑状況や、マンション内での共有回線の利用状況によって、速度低下が顕著に表れてしまうことがあるということです。

要因3:使用している機器の問題

インターネットの速度は、利用しているルーターやLANケーブル、パソコンやスマートフォン(以下、スマホ)などのデバイスの性能にも影響されます。古いルーターや規格の古いLANケーブルを使用している場合、光回線の高速通信を十分に活かせないことがあります。

また、LAN配線方式を採用しているマンションでは、各住戸に配線されているLANケーブルも速度低下の原因となります。LANケーブルの規格によって、速度が変わってしまいますので注意しましょう。

光回線の速度が遅い場合の7つの改善方法

光回線の速度が遅いと感じた場合、いくつか改善方法があります。以下で、光回線の速度が遅い場合の改善方法を確認していきましょう。

改善方法1:インターネット回線の再接続(再起動)を行う

光回線の速度が遅い場合に、まず試したいのがインターネット回線の再起動です。簡単な方法ですが、ルーターやモデムの電源を一度切り、再度接続することでリフレッシュされ、速度が改善することがあります。

具体的には、ルーターや回線終端装置(ONU)の電源を抜いて一度電源オフの状態にします。5分ほど待ってから、ONU、ルーターの順に電源をさして電源オンにします。必要に応じて、パソコンやスマホといった端末も再起動すると良いでしょう。

改善方法2:ルーターの設置環境を変える

ルーターの設置環境を変えてみると速度が安定することがあります。ルーターはできれば家の中央にあたる場所に置くことがベストです。また、木材、コンクリートといった遮蔽(しゃへい)物はできるだけ避けましょう。

例えば、テレビの裏側や棚の中に隠れてしまうような設置環境です。インテリアを重視すると外から見えない場所にルーターを隠して設置したくなりますが、電波が届きにくくなってしまうためおすすめできません。また、間取りによっては中継機を設置して、電波が広がりやすくするのも一案です。

改善方法3:周辺機器をアップグレードする

いつ購入したか覚えていないようなルーターやLANケーブルを使用していませんか?古いルーターやLANケーブルでは、そもそも規格上の速度が、使用している光回線に適合していないことも考えられます。ルーターやLANケーブルなどの周辺機器をアップグレードすることで、速度不足が解消するかもしれません。

例えばルーターなら、Wi-Fi 6に対応したルーターがおすすめ。高速かつ多くのデバイスを同時に接続できるため、マンションでも安定したインターネット環境の利用に適しています。LANケーブルは、CAT5e以上の規格のLANケーブルに交換することで、光回線の速度を最大限に引き出せます。また、ケーブルの接続状態も定期的にチェックすると良いでしょう。

改善方法4:利用する時間帯を変更する

もし、決まった時間帯に速度が低下している場合は、マンション内で光回線のアクセスが混雑していることが速度低下の原因と考えられます。その場合は、時間帯を変えて利用してみると速度が改善するかもしれません。どうしても混雑時に利用したい場合は、現在利用している光回線の見直しを検討してみるのも良いでしょう。

改善方法5:接続方式の見直し

もし、お使いの光回線がインターネットプロトコルの規格「IPv6」に対応しているのであれば、接続方式を「IPv6」に切り替えることで、速度不足が解消できる可能性があります。

光回線事業者によって「IPv6」の対応状況が異なり、また対応していても、別途申し込みが必要であったり、料金がかかったりする場合もあります。

また、接続方式を「IPv6」する場合、「IPv6」対応ルーターの使用が必須となります。設定も必要なため、ルーターの各メーカー公式サイトなどで設定方法についても確認しましょう。

改善方法6:Wi-Fi中継機の導入

マンションの構造上、Wi-Fi電波が届きにくい場所があると、速度が低下してしまいます。例えば、ルーターの設置場所が限定されると、ルーターから離れた居室は電波が届きにくく、速度が低下してしまうのです。

その場合は、中継機を導入することで通信範囲を広げることができ、速度の低下が解消され、家全体で安定したインターネット接続が可能になります。

改善方法7:5GHz帯を利用する

Wi-Fiの周波数帯は2.4GHzと5GHzがあり、切り替えて利用できるようになっています。2.4GHz帯は、壁などの障害物に強い一方、電子レンジなどの家電でも使用されており、電波干渉を受けやすい特徴があります。5GHz帯は、電波干渉が少ないのですが、障害物に弱いという特徴があります。もし、電波干渉を受けて速度低下を招いているのであれば、5GHz帯を利用することで速度向上が期待できます。

光回線の速度に関するよくある質問

回線速度が100Mbpsを超えないのはなぜですか?

回線速度が100Mbpsを超えない場合、使用している配線方式がVDSL方式やLAN配線方式である可能性があります。また、古いLANケーブルやルーターを使用している、LANポートが古いことも原因かもしれません。

LANケーブルは「カテゴリ5e」以上(カテゴリ5e、6、7)に対応したものを使用しましょう。また、使用しているパソコンなどの機器のLANポートが1000BASE-T規格に対応していない可能性があります。この場合、最大速度が100Mbpsに制限されてしまいます。必要に応じて、対応するLANポートを増設することで、速度の向上が期待できます。

マンションのネット速度はどうやって調べますか?

マンションのインターネット回線の速度を調べるには、インターネット回線スピードテストのサイトやスマホ用のスピードテストアプリでも簡単に測定することができます。

パソコンのブラウザから簡単に調べたい場合は、Google chromeの検索バーで「スピードテスト」と検索し、検索結果の画面上部にある「インターネット速度テスト」から「速度テストを実行」をクリック(タップ)すれば、すぐにインターネット回線の速度が測定できます。

▲Googleで「スピードテスト」と検索すると出る表示

アプリ等を利用する場合は、iOS、Android、Windows、Macにも対応している「Speedtest®アプリ」というアプリもあります。アプリインストール後、「スタート」等を押すだけで簡単に測定することができます。

いずれの方法でも、速度測定は時間帯ごとに、いくつかの端末で、いくつかの場所で複数回行うと正確な状況が把握できます。例えば、時間帯で速度が変わる場合は、時間帯が影響していると考えられますし、パソコンとスマホで測定して、パソコンだけが遅い場合は端末に原因があると考えられそうです。

ルーターのある部屋と、ルーターから離れた部屋などで場所を変えて測定結果を比較すると、電波の届きにくさが影響しているかどうかの参考にすることもできます。

光回線の速度を快適に整えよう

マンションで光回線の速度が遅い場合、配線方式や時間帯による混雑、使用機器が原因となることが多いことがわかりました。対策としてご紹介した7つの方法をまずは試してみることで、より快適なインターネット環境を整えることができそうです。

もし、いずれの方法でも解消しない場合は、光回線やプロバイダの乗り換えを検討するのもひとつです。初めて光回線を契約する場合や、光回線の乗り換えが不安な場合は、通信事業35年以上の歴史を持つ通信事業の老舗「ビッグローブ光」を検討してみてはいかがでしょうか。オンライン・電話・訪問サポートなど通信品質サポートが充実しているため、不安を解消しながら乗り換えを検討できますよ。

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