【徹底解説】10Gbps(10ギガ)LANケーブルとは?選び方から種類、活用方法まで


T.A
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有線でインターネットを利用する際にはLANケーブルを使用しますが、さまざまな種類のものがあります。回線に合ったLANケーブルを使用しないと、高速な回線でもその性能を十分に発揮できません。特に10ギガ回線を使用する場合にはLANケーブル選びが重要です。
本記事では、10ギガ回線で使用される10ギガLANケーブルについてLANケーブルの規格や形状の違いもあわせて解説していきます。
LANケーブルとは?

LANケーブルは、PCなどのデバイスを有線でインターネットに接続する際に使用するケーブルです。ルーターとデバイスのLANポートに差し込んで使用します。LANポートが付いていないデバイスの場合には、有線でインターネットに接続することはできません。
また有線のインターネット通信にもいくつか規格があります。10Gbpsの速度に対応しているのは10ギガビット・イーサネットという規格です。
では、10ギガビット・イーサネットとはいったいどのような規格なのか、従来のLANケーブルとの違いも併せて見ていきましょう。
10ギガビット・イーサネット(10GBASE-T)とは?
10ギガビット・イーサネットとは、最大で10Gbpsの速度で通信できる有線の通信規格のことです。「10GBASE-T」と呼ばれることもあります。他に「5GBASE-T」や「1000BASE-T」などの通信規格もあり、「BASE-T」の前の部分が最大通信速度を意味しています。
10GBASE-Tの規格で通信するためには、LANケーブルとLANポートの両方が10GBASE-Tの規格に対応していなければなりません。どちらか片方でも対応していない場合には、10GBASE-Tとして十分な速度での通信ができません。
従来のLANケーブルとの違い(速度、伝送帯域など)
従来のLANケーブルは、最大通信速度が1Gbpsのものがほとんどです。一般的な用途では特に不便に感じることはないかもしれませんが、10ギガ回線を使用している場合には、その性能を十分に発揮できない可能性があります。
また、伝送帯域に関しても従来のLANケーブルだと100〜250MHz程度です。10ギガLANケーブルなら、伝送帯域が500〜600MHz程度のため、同じ時間でより多くのデータを送受信できます。
10ギガLANケーブルのメリット

10ギガLANケーブルを使用することで、通常のLANケーブルを使用する場合と比べてどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
高速データ転送による作業効率の向上
10ギガLANケーブルなら通常のLANケーブルよりも高速でデータ通信ができます。通常のLANケーブルなら、頻繁にデータを送受信しながら作業する場合だと転送が遅いために作業が中断されることもあるでしょう。これに対して、10ギガLANケーブルなら作業が中断されることが少なく効率的に行えます。
大容量データのスムーズな送受信
高画質の動画など大容量のデータを送受信する際には、送信開始から完了まで時間がかかってしまうことが多いです。10ギガLANケーブルなら伝送帯域が広いため、大容量のデータでもスムーズに送受信できます。
ストリーミングやオンラインゲームの快適性向上
ストリーミング配信の動画を視聴するときやオンラインゲームをする際に、止まったりカクカクしたりすることもあるでしょう。動画が途中で止まるとストレスに感じてしまいます。オンラインゲームの場合には、正常にプレイするのが難しいこともあるかもしれません。10ギガLANケーブルを使用すれば、そのような現象が起こりにくいのがメリットです。スムーズにデータが送受信されるため、動画視聴もオンラインゲームも快適になります。
将来的な高速化への対応
現在のところ、最大通信速度が1Gbpsの回線を使用している人も多いかもしれません。その場合には、通常のLANケーブルから10ギガLANケーブルに変えてもあまり大きな変化は見られない可能性があります。しかし、将来的に10Gbps回線に乗り換える予定があるなら、今のうちから10ギガLANケーブルに変えておけばスムーズに対応できます。また、LANケーブルには下位互換性があるため、回線に対して最適な規格より上位のものを使用しても特に問題はありません。
LANケーブルの規格

ここで、LANケーブルの規格についてもおさらいしておきましょう。
LANケーブルは最大通信速度と伝送帯域で複数の規格にわかれています。現在一般に販売されているLANケーブルの規格は次の通りです。
- CAT5(最大通信速度100Mbps、伝送帯域100MHz)
- CAT5e(最大通信速度1Gbps、伝送帯域100MHz)
- CAT6(最大通信速度1Gbps、伝送帯域250MHz)
※ケーブルの長さが55mより長い - CAT6(最大通信速度10Gbps、伝送帯域250MHz)
※ケーブルの長さが55m以下 - CAT6A(最大通信速度10Gbps、伝送帯域500MHz)
- CAT7(最大通信速度10Gbps、伝送帯域600MHz)
- CAT7A(最大通信速度10Gbps、伝送帯域1,000MHz)
- CAT8(最大通信速度40Gbps、伝送帯域2,000MHz)
CATの数字が大きいほど性能も高くなります。現在、光回線を利用している場合、CAT5eかCAT6のLANケーブルを使用している人が多いでしょう。
光回線10ギガに最適なLANケーブル規格は

ここで注意したいのが、10Gbpsプランで使用した場合には、回線の性能を発揮できない可能性があるという点。
10ギガの速度を発揮するにはCAT6A以降のLANケーブルが推奨されています。また、CAT6でもケーブルの長さが55m以内であれば10Gbps対応しています。つまり、これ以下のLANケーブルを使用しているともったいないということですね。
一方、CAT7とCAT7AのLANケーブルは、CAT6A以下のLANケーブルとはコネクタが異なり、主に業務用の機器で使用されているものです。一般家庭用のパソコンやルーターには、CAT6A以下またはCAT8のコネクタが適合しており、CAT7とCAT7Aは使用できません。CAT8は一般家庭用と同じコネクタですが、10Gbpsプランでもオーバースペックです。
上記を鑑みると、家庭や一般的なオフィスにおける10ギガ回線で推奨されるLANケーブルのカテゴリーはCAT6Aです。
また、LANケーブルを選ぶ際には、規格の他にケーブルの形状の違いも考慮する必要があります。
LANケーブルの形状

LANケーブルの形状はスタンダードとフラット、スリムの3種類に分かれています。では、それぞれのLANケーブルの特徴を見ていきましょう。
スタンダード
スタンダードというのは、直径が5.6mm程度のLANケーブルのことです。他のPC周辺機器のケーブルと比べても太いと感じる人が多いかもしれません。太い分だけノイズに強く、通信が安定しやすいのが特徴です。耐久性も高く長持ちします。
その一方で、配線スペースが狭いところでは使用しづらいのがデメリットです。あまり急な角度で曲げることができず、まっすぐか緩やかな角度で曲げて配線する場合に向いています。また、外部から圧力を受けるとダメージを受けやすいため、床に這わせて配線する場合には踏んでしまわないように注意が必要です。強くダメージを受けると断線してしまう可能性があります。
スペースや配線の関係で特に問題がなければ、スタンダードを選ぶのが無難です。
フラット・スリム
フラットは平べったい形状のLANケーブルを、スリムはスタンダードの半分程度の太さのLANケーブルを指します。
フラットのLANケーブルは、急な角度でも曲げやすいのが特徴です。デバイスと壁の隙間など狭いところに配線したい場合に向いているでしょう。カーペットの下に配線して、目立たなくすることもできます。踏んでしまってもあまり影響を受けないことが多いです。
スリムもスタンダードより曲げやすく狭い場所に配線するのに向いています。しかし、フラットほど曲げや踏みつけに強くはありません。
フラットもスリムも配線上の使い勝手が良い反面、ノイズに弱いのがデメリットです。
まとめ
10ギガLANケーブルは10GBASE-Tという通信規格に適合しているLANケーブルです。最大通信速度が10Gbpsのため、10ギガ回線の性能を十分に発揮できます。高速でスムーズにデータ通信できるため、ストリーミングの動画視聴やオンラインゲームなどにも最適です。
通信規格とは別にLANケーブルにも規格がありますが、CAT6Aが一般家庭用で10ギガ回線を使用する場合に適合している規格です。回線に合ったLANケーブルを使用すれば快適に通信できます。
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Contributor T.A