イーロン・マスク氏に買収され、大量の社員が解雇されて、行き先の不透明感が増している「Twitter」。これからどのような変化が起きるのか注目されている中、引っ越し先を探したり、ほかのSNSにも登録したりと、いろいろな動きがあらわれています。なかでも、Twitterとよく似たつぶやき系SNS「Mastodon」(マストドン)には、注目が集まっているようです。
そこで今回は、MastodonとTwitterの違いについて、調べてみました。
目次
似ている点
日常的につぶやきを投下し、リアルタイムに自分の情報を更新していくという点で、TwitterとMastodonはよく似たSNSです。
コミュニケーションスタイル
MastodonもTwitterも、短文を投稿し、自分好みの人をフォローして、自分のタイムラインを育てていくという仕組みは同じです。Twitterに慣れた人にとっては、Mastodonの操作は馴染み深いものでしょう。だんだん知り合いを増やして、コミュニケーションの質を濃くしていくといった使い方は共通しています。
操作性
他人の書き込みを読んで、フォローしたり、フォローされたりという操作は同じです。TwitterもMastodonもフォローは簡単に解除することができます。
投稿の方法もよく似ています。Twitterの場合は、ツイートアイコンをクリックして、投稿画面を表示させ文字を入力します。Mastodonは画面左端に投稿のための入力欄がつねに表示されています。メディアボタンをクリックすれば、画像や動画をつけることができます。
投稿した書き込みは、設定アイコンから「削除」したり、「プロフィールに固定表示」することができます。
▲ブラウザで見るMastodonの画面。ユーザー設定で3分割か4分割かを選択できる
異なる点
Twitterは中央集権型のサービスであり、Mastodonは脱中央集権型のサービスです。また、Twitterは商用サービスであり、Mastodonは非商用のサービスです。以下、詳しい細かい相違点を見ていきましょう。
運営形態
TwitterはTwitter社という一企業が提供しているサービスであるのに対し、Mastodonは数多くのサーバから構成されています。
各サーバは「インスタンス」と呼ばれ、さまざまな個人・団体・企業が運営しています。インスタンスは誰でも作ることができますが、サーバに関する知識と維持費が必要です。寄付を募ることもあれば、主宰者が持ち出しで運営していることもあります。
各インスタンスには個性があり、ユーザーは自分の好みに合うインスタンスを選んで登録します。Twitterは一度の登録で全体を見ることができるのに対し、Mastodonの場合、複数のインスタンスを利用したければ、そのたびに登録を行うことになる点が違います。
安定性
Twitterは規模が巨大なため、突然サービスがストップする心配は少ないでしょう。ただし、個人のアカウントが理由もなく凍結される事故はよく耳にします。Mastodonの場合、ルールに従っていれば、理由なくアカウントが停止されることはありません。ただし、個々のインスタンスに関しては、いつクローズしたり、譲渡されるかわかりません。
2017年にMastodonが日本に上陸したとき、さまざまなインスタンスが立ち上がり、一覧リストも作成されましたが、いまではリンク先はほとんど消滅し、新たなインスタンスが立ち上がっています。Mastodonには「引っ越し」という機能があり、登録したインスタンスから別のインスタンスに移動することができます。
文字数、呼び名、広告
書き込める文字数は、Twitterが140文字、Mastodonが500文字と異なります。Mastodonのほうがだいぶ余裕がありますね(Mastodonは文字数の制限を改造できるため、インスタンスによってはもっと多くの文字数を書き込みできる場合もあります)。
機能名に関しては、Twitterでは書き込みを「ツイート」というのに対し、Mastodonでは「トゥート」、「リツイート」は「ブースト」、「いいね」は「お気に入り」と呼びます。しかし、もっとも大きな違いは広告の有無でしょう。Twitterは商用なので、頻繁に広告が表示されます。Mastodonは非商用なので、広告が入りません。読みやすさという点では大きなアドバンテージです。
検索機能
TwitterにもMastodonにも検索機能はありますが、機能は大きく異なります。Twitterは全文検索が行えますが、Mastodonには全文検索の機能がありません。Mastodonでトゥートの検索を行いたいと思えば、外部サービスを利用するしかなく、それもすべてのインスタンスをカバーしているわけではありません。
タイムライン
Twitterのタイムラインは基本的にひとつです。リスト機能を利用すれば、限られたアカウントだけが並ぶタイムラインを作ることができます。Mastodonには複数のタイムラインがあります。自分がフォローしている人の書き込みが流れるタイムラインをホームタイムラインと呼び、これが基本となります。
各サーバのことを「ローカル」と呼びます。ローカルの集合体が「連合」です。Mastodonの場合、ローカルタイムラインと連合タイムラインも表示させることができます。
Twitterの長所、短所、用途
Twitterの長所、短所、用途についてまとめてみました。
長所は規模の大きさ
Twitterの最大の長所は、規模の大きさです。運営している会社も巨大だし、全世界に広がる会員数も膨大です。さらに日本での普及率の高さにも注目すべきでしょう。人口の約47パーセントがTwitterを利用しています。
この結果、さまざまな情報がリアルタイムに更新されるため、「電車が止まってしまったのだけど、なにがあったのだろう」とか「いま観てきたライブ、ほかの人はどんな感想を持ったのか」など、いまの情報を検索するのに最適なSNSとなっています。
短所は誤解を生みやすいところ
長所は、短所にもつながります。会員数の多さは「炎上」につながりやすく、ヘイトスピーチの温床となる危険性も孕んでいます。また、140文字という文章量の少なさは書きやすさ、読みやすさを促す一方で、深い論議には不向きです。誤解を受けないように、丁寧な文章を書こうと思うと、コメント付きリツイート機能を利用してツイートをいつくも重ねるなどの工夫をしなければなりません。
用途は「仲間探し」と「集客」
場所と時間の制約がなく、無料で利用できることから、Twitterは「仲間探し」に向いています。固有名詞を検索すれば、簡単に自分の「推し」とつながることができます。趣味や興味のある分野にしぼって利用している人は多いでしょう。これは逆に「告知」に向いているということにもなります。目を引くワードを入れたツイートを行うことで、集客に役立てることも可能です。
Mastodonの長所、短所、用途
Mastodonの長所、短所、用途についてまとめてみました。
長所は統制されない自由さ
Mastodonの長所は、知識とある程度のコストさえあれば誰でもインスタンスを開設することができる自由度の高さです。ルールはインスタンスごとに異なるため、自分の納得のいくインスタンスを選んで所属することができます。非商用のサービスなので、広告表示に悩まされることもありません。文字数制限がゆるいので、じっくり読み書きすることができます。
短所はリソースの少なさ
インスタンスを運営しているのは個人、団体、企業などで、それほど大きなリソースを持っているわけではありません。そのため、すべてのトゥートを保存し、いつでも全文検索できるようにするといった至れり尽くせりのサービスは提供できません。検索機能が弱いので、見知らぬ人とつながりにくい傾向もあります。
用途は「情報発信」と「議論」
インスタンスには、汎用的なものも存在しますが、職業、趣味、地域などなにかしらのテーマをもったものが中心です。ある程度共通の土台があるので、情報発信や議論がしやすくなっています。500文字という長めの文字数制限も「ネタバレ喚起」のCW機能も議論をする際に役立つでしょう。
また、Mastodonのトゥートは一発言ごとに公開範囲を指定することができます。自分のコントロールの効いた状態で情報発信を行えるので、誤解が積み重なるような炎上に怯えなくて済みます。
以上、TwitterとMastodonの類似点と相違点について紹介してきました。
結論としては、「似て非なるもの」です。そもそも商用と非商用という立脚点の違いがあります。こうした点から見ると、MastodonをそっくりそのままTwitterの代替として利用するのは難しいかもしれません。Twitterで培った人間関係をそのままMastodonに持ち込むことはできないからです。
おすすめは、併用です。Mastodonは議論を深めていくのに向いていますから、Twitterに窮屈さを覚える人はこれを機会に始めてみてはいかがでしょうか。
Mastodonの始め方は以下の記事にまとめました。ご参考までに。
▲分散型SNS「Mastodon」を始めてみよう
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