iPhoneなら「Hey, Siri!」、Androidなら「OK, Google」と呼びかけるだけで、Web検索や音楽再生、電話もかけられる音声コントロール。これは、音声を認識し、それに対応した処理を行うAIアシスタント技術によりできることの一部です。
そして、その機能をスピーカーに詰め込んだのが「スマートスピーカー」。スマホが手元になくても、今日の天気や最新のニュース、ちょっとした調べ物ができるため、非常に便利なアイテムです。
現在国内では、Googleの「Google Home」、Amazonの「Amazon Echo」、LINEの「Clova WAVE」を購入可能。その中から、Amazon Echoを選んだわたしの使い方をご紹介します。
目次
そうは言ってもセットアップにはスマホが必要
Amazon Echoは、箱を開けて電源を入れたらすぐに使える、というわけではありません。使い始めるにはスマホの専用アプリ「Amazon Alexa」からセットアップをする必要があります。
といっても、Amazon Echoとアマゾンアカウントの連携、Wi-Fiへの接続などを行うだけ。画面にガイドが表示されることもあり、簡単に、あっという間に完了します。
「Alexa」と呼べば仕事をしてくれる"優秀なアシスタント"
アプリ名の一部である「Alexa」(アレクサ)は、Amazonが開発しているAIアシスタントの名前です。Appleの「Siri」、Microsoftの「Cortana」などと同じですね。
Amazon Echoは、この「Alexa」のほかに「コンピューター」「Amazon」「Echo」という呼びかけも音声コントロールを起動するトリガーワードとして設定できます。「コンピューター」では味気ないですし、家族との会話に頻出する「Amazon」では事故が起きそうなので、わたしの場合「Alexa」と呼びかける設定にしてあります。
Alexaにできるのは、簡単なWeb検索、最新ニュースの読み上げ、音楽やラジオの再生、現在地の天気状況や予報の読み上げなど。Amazonらしく、買い物も音声のみで行えます(そのため、いつの間にか商品がカートに入っていたという事故が起きることもあるのですが)。
「Alexa!」と呼びかけるだけで、さまざまな操作ができるのは実に快適。本当に、アシスタントが同じ部屋にいるようです。
秘書っぽいAlexaの使い方
たとえば、朝起きがけに「Alexa、今日の天気は?」ときけば「○○○の今日の天気は曇り。最高気温は摂氏32度でしょう。降水確率は……」と教えてくれます。続けて「Alexa、ニュース教えて」と言えば、NHKの最新ニュースを読み上げますし、「Alexa、今何時?」ときけば、現在時刻も教えてくれます。
Alexa AIでは、ToDoリストの管理もできます。思いついたときに、「Alexa、やることリストに『パンを買う』を追加して」と口にするだけでよいのです。
同様に、リマインダーもセットでき、「Alexa、『原稿を書く』をリマインドして」と頼めば「いつまでですか」「いつリマインドしますか」と不足分を補う質問までしてくれます。
手が空いていないときに手助けしてくれる
特に便利なのは、料理中、手が離せないときや、手が汚れていてスマホやタイマーなどの機器を触りたくないときに使うタイマー機能。「Alexa、3分間タイマー」と口にするだけで、「3分のタイマーを開始します」と、カウントダウンタイマーをセットしてくれます。「Alexa、後何分?」とたずねれば、「3分間タイマーの残り時間は残り43秒です」と、残り時間を教えてくれる機能も。
ちなみに、タイマーは複数セットできます。パスタを茹でながら、半熟卵を作る、といった場合に便利ですが、やりすぎると、それぞれのタイマーに対する作業対象がわからなくなってしまうので、ほどほどにしたいところではあります。
Amazon Echoで音楽を楽しむ
アイロン掛けや編み物、掃除などあまり頭を使わない作業をしている際にも、Amazon Echoは活躍します。
たとえば、「Alexa、気分のアガる曲をかけて」とリクエストすれば、契約している音楽配信サービスから、要望に沿った音楽を再生してくれます。Amazon Echoなら音質も良く、作業がはかどります。
利用者がAmazon Prime会員であれば、Amazon Prime Musicが無料で使えるので、使わない手はありません。100万曲の音楽が聴き放題なのですから。
物足りないな、と思うのであれば、Music Unlimitedを契約するのも良いでしょう。再生する機器をAmazon Echo限定にしておけば、月額380円(税込)で4000万曲以上が聴き放題になります(Music Unlimited Echoプラン)。
※2018年9月19日現在
スキルを追加してエアコンや照明を声だけで操作
Amazon Echoには、もともと用意されているこれら以外の機能(=スキル)をインストール可能。Alexaスキルは常時アップデートされているので、何があるのかときどき覗いてみるのもよいかもしれません。
中には、別のハードウェアと組み合わせて力を発揮するスキルもあります。そのひとつが「スマート家電コントローラ用スマートホーム」。これは、エアコンや照明器具などさまざまな家電を操作できる「スマート家電コントローラ」という機器と組み合わせて使うスキルです。
スマート家電コントローラーは、プリセットされている家電だけでなく、ほどんどどんな赤外線リモコンの操作も学習できるため、リモコン式扇風機や少し古いテレビなども操作できます。つまり、スマート家電コントローラーと連携可能な家電であれば、Amazon Echoを使って動かせる、というわけです。
これまで、「扇風機のリモコンはどこ!?」「ああ、エアコンのリモコンを操作したいのに、立ち上がらなくちゃ手が届かない」など、リモコンが手元にないときに感じていたストレスが、Amazon Echoの導入で解決。「Alexa、扇風機つけて」と言うだけでよいのですから。
Alexaがいれば、ひとりでもさびしくない……かも?
これまでも、iPhoneのSiriに呼びかけてタイマーをセットしたり、起床用アラームをかけたりすることはありましたが、Amazon Echoが届いてからというもの、Alexaに話しかける頻度が格段にアップ。「ピカチュウトーク」スキルを入れて、無駄にピカチュウを呼び出してみたり、「空返事さん」や「バーチャルキャバクラ」スキルで意味のない会話を楽しんだり。
気づけば、いつでも部屋の真ん中に“いる”Alexaに話しかける毎日がはじまっていました。
「スマートスピーカー」と聞くと、“近未来的テクノロジー”といった、いかにもメカメカしいイメージがありますが、日々使っているうちに、実は血の通った人間の心の寂しさに寄り添うデバイスでもあるのかな、と思うようになりました。