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SMSを使った詐欺メッセージに注意!
身に覚えのない架空の請求金額を捏造して金銭をだまし取る架空請求詐欺。ニセのウェブサイトに誘導して個人情報を抜き取るフィッシング詐欺。
その存在が知られて久しいものの、手を替え品を替え、今でも被害に遭う人があとを絶ちません。
近年はネットやスマホの普及によって手口が多様化し、特に携帯電話の番号あてにメッセージを送る「SMS(ショートメッセージサービス)」を利用した詐欺=スミッシング詐欺が横行しています。
主な手口の流れは、企業や団体になりすまして「●●の料金が未納です」とSMSでメッセージを送りつけ、メッセージに記載した電話番号に連絡してきた消費者に対して「支払わないと訴訟になる」「今日中に一旦払えば後に返金する」などと言葉巧みに脅し、金銭をだまし取るというもの。
指定口座に振込をするよう指示するケースに加えて、コンビニなどで購入できるギフト券や前払式の電子マネーを購入させて支払いをさせる手口が激増しています。
誰もが知っているショッピングサイトや宅配便業者を騙るケースが多く、慌てて電話や返信をして、結果金銭を支払ってしまったり個人情報を盗まれたりしてしまう人が多いようです。
ネットに詳しい人は、このような詐欺メッセージが届いてもスルーできる人が多いと思いますが、お子さんや高齢のご家族が騙されてしまったというケースも耳にします。
どのような詐欺があるのかを確認して、身近な人たちと共有しておきましょう。
架空請求にフィッシング……SMSを利用した悪質な詐欺とは
この記事では、SMSを使った悪質な架空請求でよくみられるケースをご紹介します。(2019年1月時点)
もはや定番化?Amazonを騙る詐欺
まず、よく耳にするのがAmazonの関係者になりすました架空請求。
「有料動画の未納料金があります。本日中にご連絡無き場合は、法的手続きに移行致します。」「会員登録料が未払いです。本日ご連絡無き場合、少額訴訟の手続きに移行致します。」などという文言で架空請求をしてきます。
SMSには、アマゾン、アマゾンジャパン、アマゾンカスタマーセンター、アマゾンサポートセンターなどと記載されており、いずれも名称に「アマゾン」が含まれているようです。
中には、アマゾンの名称を使用せず「相談窓口」「カスタマーセンター」等と記載されている事例もあるようですが、消費者が記載された電話番号に連絡すると、「アマゾン○○の○○です」と名乗る人物が応対するのだとか。
2016年頃から横行しはじめ、消費者庁でも注意喚起を行っていますが、被害発生はやまず、もはや定番化しているといえる手口。
そのほかYahoo!や楽天、DMM.comを騙る同様の詐欺も報告されています。
Amazonなどでは料金先払いシステムが導入されており、商品やサービスを受け取っているにもかかわらず料金が未払いである、という状況になることは原則的にありません。
いきなりSMSに請求メッセージが来ることはありえないので注意しましょう。
また、こうしたメッセージが来たことで「クレジットカードの支払いが滞納しているかも……」と心配になることもあるかもしれませんが、そもそもSMSで連絡してくることはありませんので、直接返信しないようにしましょう。
宅配業者の不在通知を装った詐欺メール
ヤマト運輸や佐川急便など、日常的に利用している宅配便業者になりすました詐欺も多発しています。
この詐欺は、まず「お客様宛にお荷物をお届けしましたが、不在のため持ち帰りました。配送物は下記よりご確認ください。」と、SMSで荷物の不在通知を伝える旨のニセメッセージが届きます。
再配達を依頼しようと記載されたURLをクリックするとアプリのインストール画面に誘導され、アプリをインストールしてしまうと、携帯電話番号をはじめ、電話帳などスマホ内の情報を盗み取られるという悪質な手口です。
正規の宅配便業者は、アカウント登録をしていない人に、不在連絡をメールで連絡することはありません。URLは正規のウェブサイトそっくりに作られているものもあるので、うかつにクリックしないように気をつけましょう。
また、SMSではなくメールに添付ファイル付きで送られてくるケースもあるようです。添付ファイル付きの不在通知メールというものも存在しないので、こちらも絶対に開かないこと。
本物とどう見分ける?Googleのなりすましも
ネットやスマホを利用している人ならとても身近なGoogleになりすました詐欺メッセージもあります。
「グーグルサポートセンター」「グーグル受付窓口」などを騙り、Amazonや楽天などと同様「料金未納・未払い」の内容で、以下のようなメッセージが送られてくるケースが多いようです。
- 「有料動画閲覧履歴があり未納料金が発生しております。本日連絡なき場合、法的手続きに移行します。」
- 「動画料金未納のお知らせ。本日中に登録解除して頂けない場合、法的措置へ移行します。ネット視聴料金に未払いがあります。必ず本日中にご連絡ください。」
GoogleからSMSが来るのは、主に以下の場合です。
- Googleアカウントのパスワードなどの設定を変更したときや2段階認証をしたとき
- いつもと異なる場所や使ったことのない端末からログインしているとき
- Googleアカウントを作るとき(ロボットではないことを証明するための確認)
これらの場合はGoogleからショートメールが届きますが、料金の請求にSMSが使われることはありません。
このようなメッセージが届いたら、まず詐欺であることを疑いましょう。
とにかく返信や連絡をしないこと
SMSで身に覚えがない請求メッセージが来ても、反応しないことが大切です。メッセージに記載されている電話番号やURLをWebで検索してみると、他にも詐欺の報告が見つかることがあります。
もしも金銭を支払ってしまったり、情報を盗まれていることに気がついたら、管轄内の警察署や消費者庁、消費生活センターなどに連絡しましょう。
悪質な詐欺は、なかなかなくなりません。「こういうケースがある」という情報を常にキャッチして、日頃から注意していきましょう。