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Googleの「Bard」とは?ChatGPTとなにが違うの?

Bardは、Googleの開発した生成系AIです。ChatGPTのライバルとして急速な進化を遂げつつあります。どちらも人と自然な会話をすることができることからチャットAIと呼ばれています。どのように使い分ければいいでしょう。

Bardを使ってみよう

18歳以上でGoogleアカウントを持っていれば、すぐにでも「Bard」を使い始めることができます。
ブラウザでBardのページを開いてみてください。

 

画面下に「ここにメッセージを入力してください」という入力欄がありますね。この入力欄のことをプロンプトと呼びます。

 

質問をプロンプトに投げかけ、回答を得て、また質問をするという繰り返しで、必要な情報を得ることができます。つまり、基本的な使い方はChatGPTと同じです。ChatGPTと同様ですが、人間がふつうに喋る感覚で質問を投じることができる点が、画期的です。いちいち相手は機械だから……と考えなくても、自然文をBardが自分で解釈してくれるのです。

▲Bardの画面を開いたところ。画面下部のプロンプトに質問を入力する

ChatGPTとの一番の違いは情報の新しさ

ChatGPTは質問に対して精度の高い答えを返してきますが、2021年9月までのデータしか学習していないので、最新の情報については答えることができません。

 

一方、Bardにはそのような制限がないので、最新の質問にも答えることができます。

 

たとえば、「村上春樹の最新長編小説について教えてください。」という質問を書き込んでみましょう。ChatGPTは回答できませんが、Bardは正確な情報を回答してきます。

 

やがてChatGPTも最新の情報に追いついてくると思われますが、現在のところ、ChatGPTとBardの一番の違いは、2021年以降の情報に対応しているかどうかになります。

▲「村上春樹の最新長編小説について教えてください。」という質問に対する回答

 

ほかにも両者には以下のような違いがあります。ひとつは採用しているアーキテクチャです。ChatGPTは『Generative Pre-trained Transformer』を、Bardは『LaMDA(Language Model for Dialogue Applications)』をベースにしています。

 

もうひとつは検索エンジンです。ChatGPTはMicrosoft製のbingを、BardはGoogle製のGoogle検索を使って情報収集をしています。

 

なお、Bardは情報ソースを表示することができますが、ChatGPTはできません。情報の正しさの裏取りをしたいとき、この違いは大きいですね。

Bardはこんなときに便利

では、仕組みだけでなく、実際に使ってみたBardの特徴をみていきましょう。こんな使い方をするとBardがめいっぱい活用できます。

ひとつの質問に三つの回答

Bardの特徴として、ひとつの質問を投げかけると、三つの回答を返してきます。

 

簡単な回答、すこし複雑な回答、複雑な回答といったふうに難易度で分かれている場合もありますが、異なる意見を並べることもあります。

 

試しに「日経平均の今後」について質問してみました。ひとつめの回答は上昇、調整、どちらに行く可能性もあるという無難なもの、二つ目の回答は両方の可能性があるが上昇するのではないかというより踏みこんだものとなりました。

 

ChatGPTでも質問の仕方を変えることでいろいろな回答を引き出すことは可能ですが、Bardは自動的にニュアンスの異なる複数回答を用意してくれました。

▲日経平均の今後について質問。「他の回答案を表示」をクリックすると、画面上部に回答案が3つ表示される

Gmailと連携してメールの下書きとして利用

BardはGoogleのサービスだけあって、他のGoogleサービスと連携しています。

 

たとえば、回答の内容をそのままGmailに転送して、下書きにすることができます。仕事やプライベート、いろいろなことに使えそうですね。

 

回答の下に三つのアイコンがあります。一番右のアイコンをクリックすると、「Googleドキュメントにエクスポート」「Gmailで下書きを作成」というふたつのメニューがあらわれます。

▲「回答をエクスポート」ボタンをクリックすると、ふたつの候補があらわれる

 

ここでは茄子のレシピを教えてもらい、Gmailに転送しました。タイトルや本文に手を入れ、宛先を記入すれば、そのまま相手に送信できます。

▲画面はGmailの作成画面へと遷移する

Googleドキュメントにエクスポートして資料を作成

Bardは情報を収集したり、まとめたりすることが得意です。企画案を作ったり、目次を作成することもできます。資料を作る場合に、最初の叩き台を作ってもらうのは有効な使い方と言えるでしょう。

 

それだけではなく、出てきた回答をGoogleドキュメントにエクスポートすれば、そのまま続きを書いていくことができます。いちいちコピーしたり、新規Googleドキュメントを作る手間が省けるので、仕事の効率化に役立ちます。

 

ただ、残念なことに質問ごとに新しい文書となるので、ひとつの文書に異なる回答を継ぎ足していくことはできません。

▲質問の項目がタイトルになり、回答が本文となる

まとめ

ChatGPTとBardの回答を見比べると、開発の歴史が長いせいか、若干ChatGPTのほうが精度が高いように感じます。たとえば、本の目次案やWEB記事の構成案などを作るとき、ChatGPTはすぐにも利用できそうな具体案を提示します。

 

それでも、最近の情報について調べる時にはBardを使う必要がありますし、Googleのサービス利用者であれば、GmailやGoogleドキュメントとの連携は重宝するでしょう。使い道に応じて、ChatGPTとBardを使い分けることをおすすめします。

 

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Contributor

深川岳志

1960年、兵庫県生まれ。大学時代はSF大会(Daicon3、4)の運営にのめり込む。卒業後、編プロを経てITライターに。ショートショートを書くのが趣味。note:https://note.com/fukagawa

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